年休5日未取得で是正勧告を受けた場合の実務対応

年休5日(以上)取得義務化については、過去ブログでも書いています。
「年休5日取らせていなかったことが発覚」
「年休5日取らせていないが、どうしたら?」

今回お客様で労働基準監督署の臨検があり、もろもろ是正勧告・是正指導を受けたので、それを踏まえメモがてら記録しておきます。ちなみに、「年休5日取得させていなかった」ことで是正勧告を受けたのは、今回が初めてです。
(年休5日取得義務になってからも臨検はありましたが、年休は全てのお客様で5日以上取得させていました。そのため、残業代の未払いなどは是正勧告を受けましたが、というところです。)

根拠法令は、次の通りです。第39条第7項の該当部分のみ

労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
年次有給休暇
第三十九条
⑦ 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

大阪社労士事務所・年休5日未取得で是正勧告を受けた場合の実務対応

是正内容(是正の状況)ですが、単に「取得させます」だけで労働基準監督官がOKを出してくれるのか。たぶん、エエヨとは言ってくれません。具体的な対応方法、この場合取得させるために何をするねん、それを書きなはれ、と言われます。

基本は、このパンフレットに書かれている内容から対応を考えることになります。
▶厚生労働省:年5日の年次有給休暇の確実な取得/わかりやすい解説

実務対応の手順

  1. 就業規則にどのような年休関係の規定があるのか、まずは確認しましょう。規定がなければ、就業規則の変更も行います。
  2. 次のいずれで対応するのか、検討します。
    年次有給休暇取得計画表
    ●時季指定
    年次有給休暇計画的付与制度
  3. 対応方法を決めれば、実際に行います。実際に行わなければ、是正報告書に資料を添付できません。
  4. 是正報告書を労働基準監督署に提出

年次有給休暇取得計画表
●時季指定
年次有給休暇計画的付与制度
のいずれを採用するかですが、影響や手間を考えると、「会社・使用者が時季指定する」のがハードル自体は低いです。計画的付与は就業規則の規定だけではなく、労使協定書が必要、内容については慎重な検討が必要です。取得計画表は、年度途中の場合はやりにくいこともありますので、基準日に自主的にがポイントかと。
(年休を付与する基準日の統一は、損得うんぬんが出てきますので、是正勧告対応の場合は考えない方が良いかも知れません。)

時季指定の書面は、通常の年次有給休暇の申出書・管理簿に「時季指定(会社指定などの表記の場合もあり)」をチェック、丸等します。年次有給休暇管理簿・年次有給休暇取得管理台帳などを検索して、使いやすいものをご利用ください。

「付与日から6ヶ月経過後3日以上年次有給休暇を取得していない者に対しては、会社は時季指定を行う」と対応するのであれば、臨検日から報告予定日の間に該当の従業員・社員がいるのか確認、いる場合は時季指定を行います。←これが是正報告書に添付する資料になります。原本じゃなく、コピーするのをお忘れなく。
(6ヶ月、3日は例です。実情に合わせて決めますが、極力自主的な取得を促す方が良いです。)

期限=今後となっているのは、過去に遡って是正することができないので「今後」となっています。

次のフェーズとして

是正報告書を労働基準監督署・監督官に提出して、「これでよろしいですわ」と言われたら、次のことを考えます。基準日の統一や、取得計画表にするのか等々~。年休取得率が低い場合は、基準日の統一で人事総務のご担当者が楽をしましょ。目安として4割ほどでしょうか。

年休5日取得させていないことだけで是正勧告を受けているとは考えにくいので、就業規則を含めて見直しすることをおすすめします。万が一ですが、翌年も臨検があるかも知れませんので、「今回だけ」なんて考えは持たない方が良いかと。まあ、年休だけでは考えにくいですが、残業未払いもあると、1年後の臨検・再監督もあり得ます。

あっ、年休の問題、監督官によっては「時季指定します」だけで許してくださる方がいるかも知れません。いや、分かりません。

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