離職理由は、何と書くのが本当は正解?
毎度のことながら、同じ時期に同じような相談をいただきます。過去にもブログ記事としてアップしていますので、そちらも参考ください。
▶離職理由は、客観的事実をフランクに
▶離職理由、何と書いて良いものか
一つ目は、「退職勧奨のつもりはなかったけれど、従業員は解雇と主張してきた」件。ありがちです。
(労務相談顧問のお客様が多く、手続き自体は当事務所で代行等しておりません。)
確認するのは、「退職届・退職願の類いはありますか?」。伺うと、「退職届はいただいている」とのこと。どういう内容かと伺うと、「一身上の都合」の旨を書いているという。退職勧奨に合意したとか、受け入れたと言う文言は入っていないという。
ならば、本人都合での退職になるのでは。
退職に絡む話し合いの中で、「それなら退職します」と従業員が申し出てその日のうちに退職届が出されたらしい。
(社労士はその話し合いの場に同席していないので、どのようなやり取りがされたのかは不明。事前に退職勧奨をするつもりだというので、退職合意書は送付しました。結果は提示もせず、だったとか。)
(弊所・大阪社労士事務所の場合、取得喪失は電子申請なので、紙の離職票を使うことはほぼありません。)
資格喪失の手続きは事実行為なので、あれこれ画策することもできません。ご本人から退職届が出されたのであれば、会社としてはそれをベースに資格喪失の手続き処理をすすめるしかないのです。
離職票にご本人の確認をいただくときに「いや、解雇された」旨の申し出があり、「異議あり」にチェックされたので、慌てて当事務所へ電話での相談に。異議ありだと何か良くないように思われたのかも知れません…。が、退職届があるので、判断としては…。
この企業様の総務部長も人事総務のご担当者も、暴言を吐いたりする対応はないので、これ以上は無し。「これは、職安の窓口が判断することなので」ただし、退職届がある以上、会社としては違う離職理由を書けないので。
その後、連絡がないことを考えると、問題が無かったのか離職者がまだハローワークに出向いていないのか。そこまでは分かりませんけど。
●退職届は、取れる場合は必ず取る。
●退職に関する話し合いを行ったのなら、メモで良いので、打ち合わせ記録を残しておく。
本人申し出なのか、会社が提案したのか
今、なぜか多いのが「週20時間未満のシフトに変更」というもの。兼業副業などが影響しているのかと思うと、実際は全く違うみたいで。
ポイントは、週20時間未満での勤務シフトへの変更を、従業員自らが申し出たのか、会社がそのような提案をしたのか、そこだけ。
(職安的には、それしか興味は無いので。常に本人都合か会社都合かを気にしてください。)
1社は週20時間未満に変更して約1ヶ月後に退職、もう1社は変更後約3ヶ月後に退職。前者は20時間以上に戻る可能性もあったらしく、ただご本人のやる気が減退したので自己都合退職。
後者は、週20時間未満への変更が「本人からの申し出」なのか「会社が提案した」のか、そのあたりが明確になっていない?? いえ、従業員から「シフトを減らして欲しい」と言ってくれば、それは本人からの申し出。会社が減らしますと言えば、それは会社の提案=会社都合。
事実しか書けないので、打ち合わせ記録で確認等するしかありません。書面があれば、ステークホルダーの誰もが安心できますので、書面を取ることをお忘れ無く。
●「労働時間に関する申出書」を作成して、取れる場合は必ず取る。とくに減らす場合。
●労働時間に関する話し合いを行ったのなら、メモで良いので、打ち合わせ記録を残しておく。
なぜ会社と離職者で意見が違う?
それはお分かりのように、離職者から見れば「給付制限期間」の長短が主な理由、会社からは「助成金の受給に影響する」が主な理由でしょう。
(恨みから「会社都合じゃ」「本人が悪い」と頑張る方々もいるようですが、事実は誰も変えることはできない立て付けです。)
会社の側からすると、離職に際しての書面はキッチリ取っておくこと。離職者が書面を提出しないような場合であっても、少なくとも顛末が分かるようなメモで良いので整理しておく。
会社は会社が思う離職理由を書けば良い。それだけのことです。離職者から離職理由にクレームがあった場合に書面や顛末などのメモが役に立ちます。
「どちらが退職を言い出したのか解雇を言ったのか分からない」「週20時間未満への労働条件の変更を言い出したのは、会社?従業員?」と言う状態であれば、労務管理ができていない証拠。
顧問社労士がいても、黒を白に・白を黒には変えることはできません。事実は一つだからです。(真実では無いです、それに現場に社労士はいないことがほとんど。)
※守秘義務の関係で、それぞれ脚色しています。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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