解雇と自己都合退職を巡るお金の話

2週間ぶりのブログ更新になりました。とくに忙しいことはないのですが、バタバタしていてアップできなかった、ということにしておきます。
(良いブログネタが無かったとは、とても書けません…。)

さて、タイトルの件、つい最近お客様から質問されたことそのままです。守秘義務に注意して以下メモしておきます。

「解雇と自己都合退職は何が違うのですか?」
解雇は会社からの一方的な労働契約の解除、退職届を出しての自己都合退職は従業員・社員からの一方的な解除、そう言い切って良いかと。解雇なら、解雇予告手当を支払って即時に辞めてもらうか、30日後に辞めてもらうか。

労働基準法
(解雇の予告)
第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
② 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
③ 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

注)下線部分が「解雇予告手当の除外」あたりです。前条では「行政官庁の認定を受けなければならない。」とあります。←解雇予告除外認定

大阪社労士事務所:解雇と自己都合退職を巡るお金の話

解雇予告手当除外認定の手続き

ちょうど良いリーフレットがありました。
▶厚生労働省:解雇予告除外認定申請について

労働者の責めに帰すべき理由とは?

  • 原則として、極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑事犯に該当する行為のあった場合、また一般的にみて「極めて軽微」な事案であっても、使用者があらかじめ不祥事件の防止について諸種の手段を講じていたことが客観的に認められ、しかもなお労働者が継続的に又は断続的に盗取、横領、傷害等の刑法犯又はこれに類する行為を行った場合、あるいは事業場外で行われた盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為であっても、それが著しく事業場の名誉もしくは信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの又は労使間の信頼関係を喪失させるものと認められる場合。
  • 賭博、風紀の乱れ等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合。また、これらの故意が事業場外で行われた場合であっても、それが著しく事業場の名誉もしくは信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの又は労使間の信頼関係を喪失させるものと認められる場合
  • 雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合及び雇入れの際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合
  • 他の事業場へ転職した場合
  • 原則として二週間以上正当な理由もなく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
  • 出勤不良又は出欠常ならず、数回にわたって注意を受けても改めない場合

だいたいは、就業規則の解雇事由に含んでいるはずです。通達を参考にしているケースが多いので当然と言えば当然です。それに「エッ」というのもあったりして…。

認定申請時の提出資料
認定申請を行う場合は、以下の資料を各々2部ずつ提出してください。

  1. 解雇予告除外認定申請書 [様式第3号]
  2. 被申請労働者の生年月日、雇入年月日、職種(名)、住所、連絡先等が明らかになる資料
    ・被申請労働者の労働者名簿
  3. 申請に係る「労働者の責に帰すべき事由」が明確となる疎明資料(※)
    ・事由の経緯について時系列に取りまとめた資料
    ・被申請労働者の「労働者の責に帰すべき事由」の自認書、本人の署名・押印のある顛末書等
    ・懲罰委員会など懲戒処分関係の会議の議事録
    ・新聞等で報道された場合は、その記事の写し
    ※申請後に、個別の事案に応じて追加の資料の提出を求める場合があります。
  4. 就業規則(解雇・懲戒解雇等の該当部分)
  5. 解雇通知をしている場合は、解雇予告日及び解雇日が分かる書面

認定が出るまで、1週間2週間ほどとされています。

離職となる日までの長短

  • 解雇
    即時解雇なら当日、あるいは30日後(予告手当で短縮あり)
  • 退職届を出しての退職
    当日でも受理すれば可能、日付を限定していない場合は14日後

では、解雇予告手当除外認定申請をしている間(1,2週間)はどうする?
就業規則の規定に基づいて自宅待機とさせる方法もありますが、労働基準監督署からの確認連絡があることを考えると、出勤させることも選択肢の一つです。携帯電話などで確実に連絡を取れるかがポイント。
(出勤させれば通常の賃金の支払いが必要。自宅待機は就業規則に規定があれば無給とすることも許される。)

30日後に離職させるのは、リスクも伴います。
なぜって、解雇事由に該当するようなことをした従業員・社員を在籍させておくこと自体、リスクとも言えます。このあたり、「お金の額」だけで単純に決められないとは思います。

弁償・損害賠償と、、、、、

弁償・損害賠償してもらう内容であれば、まずはお支払いいただく。一括が原則かも知れませんが、過去の例では分割払いで決着したこともあります。
(念のため、弁護士先生に文面等含めお願いしました。)

弁償等あれば「罪一等を減ずる」でしょう。
懲戒解雇を解雇にするとか、あまり触れたくはありませんが警察等へ告訴・告発しないと約束するとか、いろいろあるでしょうねえ。

売上げをポケットに入れていた従業員・社員から弁償等してもらおうと準備していると、「未払い賃金」の話が出てきて、相殺・ゼロで決着したこともあります。未払い自体も刑事ですが、ポケットに入れるのも刑事、お金自体は民事です。

退職金制度がある場合は、懲戒解雇か解雇でもめることがありますが、全額支払わないのは余程のことがあった場合、かと。退職金規程に全額支払わない規定があっても、思うに企業の価値をおとしめるような重大な事案で世間に知られてしまったような場合ぐらいしか認められない気がします。

事前の調査と事後の再発防止策

お金の話ではありませんが。

解雇に至るような不祥事が発生したのであれば、調査して事実を確認しろ、とテキストには書かれています。動機も探れ、と。

事後の再発防止策として、人事総務ができるのは?
●就業規則の規定を整備しておくこと
●管理職層のマネージメント力を発揮・向上させること
●コンプライアンス研修の定期的な開催
最低限、この程度はやっておきましょ。

「自宅待機も無給」は必ず規定、「退職後に不正・解雇事由が発覚した場合」も退職金制度があれば規定したいところです。

お金の話だけメモしておきます。

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