「世間並みの待遇なのに、応募が全くない」解決できる?

ある企業の経営者さんから、メールにて相談がありました。そこで、早速オンライン面談させていただくことに。

「世間並みの処遇なのに、全く求人広告からの応募がありません。求人広告の会社に相談したんですが、ラチがあかないので。」と経営者さん。総務部長(総務課長?)もログインです。

企業情報を、守秘義務に触れない範囲で書いておきます。

  • 関西の製造業で、従業員数は2桁の後半。
  • 顧問社労士があり。その先生に相談したところ「今はどこの企業も大変ですよ」とだけ。
  • 社長曰く「待遇は世間並み。ボーナスもちゃんと年2回は払っています」と言うものの、世間並みの待遇自体が不明。
  • 若い人=20歳代の人が欲しいが、どうしても定着率が悪い傾向にある。

まず最初にご提案したのが、顧問社労士を変更すること。提案さえなく、現状を是認したのみなら。
(と言っても、スポットでの相談なので、詳細は分かりませんが。顧問社労士の変更は、弊所・大阪社労士事務所と契約してとは言っていません。)

大阪社労士事務所:「世間並みの待遇なのに、応募が全くない」解決できる?

世間並みの待遇とは

全くの個人の主観なので、「これを世間並みとは言わない」と思われたくないので、改行を入れておきます。なお、ご相談企業の処遇については、企業を特定できないように伏せておきます。

「世間並みの待遇とか処遇を教えて」と言われたので、あえて答えただけで、弊所・大阪社労士事務所のお客様でもココまで整っている企業は多くはありません。











羅列しておきますね。

  • 週休二日、年間休日は120日以上。夏休み・年末年始は休めること
  • 社会保険は、健保組合に加入していること(付加給付は大きいです。健保組合に加入していない場合は民間保険等の福利厚生プランに加入)
  • 年休消化率は、6,7割以上。年休自体、採用時からあること=一斉付与
  • 退職金は制度として存在していること。支給額よりも「あること」が重要
  • 研修を新入社員研修以外にも実施していること。職種、階層です
  • 残業は、月に30時間以下
  • 携帯電話・スマホやノートパソコンは、貸与されていること。GoogleやMicrosoftのオフィス系ツールを使えること

ここまで話しをしていると、総務部長から「ウチのような100名に満たない規模の製造工場で、それは無いと思いますけど」と意見。でも、求人広告を出すと、求職者はこういうスペック、数字で理解できる労働条件や処遇しかチェックしないので、他に特色がない限りはこのあたりを充実させるしかないのです。

これらをクリアして、初めて給与の額面が高い安いと評価されてしまう悲しい現実があります。

「平均の勤続年数」や「従業員・社員の平均年齢」の数字を出せるのであれば、出す方が良いでしょう。(この時点で、総務部長は「いや、出したくないです」と。)
つまり、推測にしか過ぎませんが、労働環境うんぬんでなく、ご相談企業の場合、人間関係に問題があるように思えてきました。

賃金は、どうやって調べる?

いろいろな調査データがありますが、「同地域の同業種、同規模」の賃金データはないと言って良いでしょう。

とりあえず、次のようなものを参考に。

  • 「○○府県 賃金 調査」でGoogle検索、毎月勤労統計調査地方調査を参考にする
  • 東京都産業労働局のデータを参考にする
  • プライムコンサルタントの賃金データを参考にする(有料。規模が大きければ労政時報のデータも参考になるかも)

気にするのは分かりますが、高卒大卒の初任給をチェックするのがせいぜい。なにしろ賃金表がないので、と書けば分かってもらえるかも知れません。モデルの賃金はなく、実在者の賃金しかありません。

それに上で書いたように、「待遇・処遇で切り捨てられているので、賃金面の比較や評価に至っていない」のが実情です。あと、どうしても固定残業代・定額残業手当は、余程の有名企業・上場企業でない限りは、嫌がられることは間違いありません。また、賞与は支給しないと月例給与自体が高額でない限りは、選択肢から外されてしまいます。年2回以上と書きたいのですが、賞与が高額な場合は社会保険の上限の関係で年1回払いにしているケースもあるため、「賞与は支給」としか書けません。

「実際の時間外労働の平均」を数字として、出せれば良いのですが、なかなか出したくないのは、どちらの企業も同じかと。

※弊所・大阪社労士事務所のお客様で、取引先との関係で、年収総額等は求人広告に掲載していないところもあります。たぶん、「めっちゃ高年収」なので、基本給だけボヤッと掲載しているようです。そのためかどうかは不明ですが、離職率は本当に低いです。

求人広告は~

大手の求人・転職のサイトに掲載すると、埋没します。とくに無料で掲載できる場合は、検索結果の後ろの方になってしまい、ページ自体見てもらえないのです。

できるだけ自力で、自社のホームページに求人広告を掲載する、実際の在職者・採用者の声を載せる、この程度はやっていただきたいと思います。

厚生労働省では、こんなパンフレットを作成しているので、まずはご参考ください。
▶厚生労働省:地域で活躍する中小企業の採用と定着/成功事例集」を作成しました

↑ ↑ 採用の悩み・定着の悩みを解消できるよう、事例集ですが、いぞれもヒントになる内容です。

ここまで話すと、経営者さんからひと言。
顧問社労士の変更は考えていないが、ヒントはもらえた気はするので、その冊子も見て研究させてもらいますわ。離職率は、年齢の高い従業員が多いので、ギャップを感じて辞めているのかも知れないなあ。」

その後

つい先日(今週)のことであったのですが、スポットでのご相談だったので、結果は教えてもらえないと思っています。

毎度のことですが仕方ないですね~

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