基本給非連動型のシンプル退職金制度、改めて
基本給非連動型のシンプル退職金制度について、お客様とのやり取りの中で質問事項が固まってきました。過去には「役職加算型退職金制度」と書いていましたが、基本給非連動型のシンプル退職金制度の方が分かりやすいような、そんな気がします。
今年言われる「基本給のアップ」の場合にも、退職金の支払額のことを考慮する必要がありません。
過去の退職金関係のブログ記事
▶貢献度を加味した退職金制度を整えたい
▶退職金の水準を見直したい_2022年度
どんな退職金制度なのか、コピペします。
基本給非連動型のシンプル退職金制度(役職加算型退職金制度改め)
●退職金の額は、「勤続部分」と「役職加算」の合計
●勤続部分は、例えば年10万円とします。30年勤続なら300万円、非常に計算しやすい
●役職部分は、例えば過去10年の役職に応じた額を加算。10年部長なら500万円、課長なら300万円。部長5年、課長5年なら比例計算
●部長、課長、支店長等の役職内でも軽重があるのであれば、それも設定
●兼任、例えば部長と課長の兼任は上位の役職で評価。兼任は、それだけ業務をこなしていると言うことですので、兼任加算しても良いかも
よくある質問
- 支給の水準は、どう決めるのが良いのか?
いつも一声30年で1千万円だと、大阪の中小企業では良い方だと言えます。新卒から60歳定年までで1千万円でも悪くはありません。東京都産業労働局のデータを参考にしても構いません。シックリきやすいのは、「30年間勤めて、10年以上部長職にあった方々にいくら支払いたいか」←これが決まれば、後は逆算できます。
- 役職部分は、10年以外のもっと長期間、例えば20年間でも良いのか
はい、自由です。ただ、記憶に強く残るのは10年ほどでは無いでしょうか。記録としても10年なら残っているでしょうし。短く8年や、長く15年でもお好きなように。ただ、あまりに短くすると役職部分の年単価が高くなりがち、長くすると役職部分の年単価が低くなります。
- シンプル退職金制度の最大のメリットは?
基本給・基礎賃金とは連動しないことです。
(職能や職務のポイント制などでは複雑になりがちですが、非常にシンプルなことが、裏側のメリットです。)
- シンプル退職金制度の最大のデメリットは?
中高齢以上の途中入社で管理職だった方には、高い退職金額になります。「意外と高いな」と思うかも知れません。ただ、ハッキリとした職能等級・職務等級などが無い場合は、役職=貢献度が近いはずなので仕方ありません。
(昇格させることをためらうケースが出てきます。)
- 退職金支給例を作って。
途中入社30年勤続・役職は最後の10年部長職の場合で、1200万円程度は支払いたいのなら、1年勤続単価10万円と仮定すると、1年部長単価は90万円。40年勤続でも1300万円なので、長期勤続よりも役職(貢献度)の比重が大きいことは分かります。10年勤続=部長だけなら、1千万円。退職金でも所得税課税されますが、何か。
(○年以下勤続は、役職部分を1/2などに減額しても良いとは思います。理屈が合わない部分です。いろいろ仕組みは作れますが、シンプル第一で。)
- 懲戒解雇や解雇なら、どう減額する?
悪いことが発生した時点からの役職部分をカウントしないとか、いろいろ考えられます。
(他にも、自己都合退職の場合も訊かれますが、ご自由に。)
- 積み立ては何を使えば良い?
はい、自由です。ベースを中退共にして、差額を生命保険などで手当てするパターンが多いですね。弊所・大阪社労士事務所は生命保険の代理店ではありませんので、顧問税理士さんか知り合いの保険セールスさんとご相談ください。
- 役職は確かに貢献度に比例するだろうが、気持ち的には長く働いた社員にも報いたいが?
それであれば、「30年勤続・10年部長で1千万円」程度に設定してはいかがでしょうか。「気持ち」の部分は功労金で加算対応できます。通常減算対応できませんので。あるいは、勤続部分単価を上げて勤続部分と役職部分を50:50に近づけるように設定すればある程度は解決します。例えば、1年勤続単価16万円、1年部長52万円。
実際に変更、導入の場合は
新規にシンプル退職金制度を導入する場合は、何も問題はありません。
基本給・基礎賃金連動型から変更する場合は、1)労働条件の不利益変更の対応、2)現時点(変更実施時点)での退職金額の保証、に注意してください。
規定ですが、難しいところはありません。自社でも対応可能なように記事にしています。
弊所・大阪社労士事務所に「基本給非連動型のシンプル退職金制度」の新規導入・退職金規程をご依頼いただく場合は、15万円~。変更の場合は、貴社の状況によります。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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