固定残業代の時間数と規定例_2023年版

この1,2ヶ月一番多いご相談が、この固定残業代・定額残業手当の関係。年明けから、使用者側弁護士として有名な先生お二人の研修会に参加、今月には知り合いの井上正人弁護士の勉強会にも参加。いろいろ参考になっています。

固定残業代については、適用できるための条件が明確になりつつあります。

  • 固定残業代が労働契約の内容になっていること
    労働条件通知書・労働契約書で、固定残業代のことが明示されていること。労働条件通知書なら「内容確認の上、受領しました」旨の文言が追加されていると、良いとか。コピーを取るなら、契約書スタイルにする方がスマートですね。
  • 基本給と固定残業代が明確に区別されていること
    こちら、実は微妙だと思います。←今まで2件ほど込み込みに…。
    基本給がいくら、固定残業代がいくら、と分けておくのが理想です。

固定残業代の上限時間数の設定は

上限時間数は、月給制なら30時間まで。「45時間ではダメか」と質問をいただくのですが、法律では禁止されていませんので、45時間でも構いません。が、その45時間という時間数を見たときに、求人広告を見た求職者や新卒さんの親御さんがどう思うのか。
(30時間というのは、年間上限時間数を平均した数字です。個人的な感覚でも30時間程度かなと。45時間は月の上限時間から引っ張ってきています。実は数日前に有名なお二人以外の、使用者側弁護士のW先生に伺ったときも「30時間が限度でしょ」と強くお話しになっていました。)

日給制でも、月給制と同様の考え方をとるなら、1日あたり1時間か1時間半。45時間を元にすると2時間。日給制の件は建設業にありがちですが、2024年を見据えると、きっちりしておきたいところ。
(残業代込みの日当12,000円では不適切、日当1万円+残業代2千円で契約するのが適切です。仮の金額ですので、勘違いされませんように。)

大阪社労士事務所・固定残業代の時間数と規定例

固定残業代の規定は

では、固定残業代・定額残業手当の規定は?

野口大弁護士の規定例を見ると「充当する」程度で、非常にシンプルです。逆にこれだけで大丈夫なのか、不安になるほど。他の弁護士先生も井上正人弁護士も基本シンプルな規定でした。

私は、「充当する」旨の規定では不安なので、お客様のご要望により「差額を支給する」旨の規定を追加しています。差額支給の規定があろうが無かろうが、差額を支給しないとトラブルに直結します。

ある企業様では「差額を支給したくない」ので、固定残業代・定額残業手当に繰り越しの規定を追加しましたが、あまり褒められたやり方ではありません。入社数ヶ月は残業がほぼゼロと伺ったので、、、、、

固定残業代の時間数の明示は

よく訊かれる「規定に時間数は必要か」は、現時点では不要です。
時間数の明示は、公共職業安定所からの案内です。指針を強制扱い?←逆算で。
労働条件通知書等でも「充当」の旨で対応できます。←規定がそれだから。
裁判でのリスクにも対応するのであれば、時間数の明示もしましょ。
▶厚生労働省:固定残業代の適切な表示(指針は法律ではありません)

固定残業代・定額残業手当に時間数を記載する場合は、逆に注意が必要です。
例:基礎賃金32万円、月平均所定労働時間160時間の場合
●時間単価=2000円、割増賃金25%時=2500円
1)30時間と記載
2500円×30時間=75000円を支給:OK
2)30時間と記載、60000円を支給
75000円より少ないので、無効。6万円を基礎賃金に組み入れ
3)30時間と記載、90000円を支給
75000円より多いので、残業の契約単価が3000円に。

使用者側・労働者側の弁護士先生によっても解釈が違うようですが、ある労働者側の弁護士先生が講師を務める研修会で、3)のように考えることもある旨教えていただきました。「きょうとソフト」の計算方法とは違うかも知れません。

上記例の場合、「30時間」と時間数を明示して計算するか、基礎賃金に0.234375(係数)を掛けて算出する等の規定になるでしょうか。少ないと問題、逆に多すぎても問題、ピッタリが一番良いようです。0.234375は、絶対ではなく、月平均160から計算したものです。

カシオさんのウェブだと「込み込み」の区分無しの総額から簡単に逆算(区分)できます。
▶カシオさん:固定残業代の計算

職安対応は

固定残業代を明示できない場合であっても、逆算します。
ex.一律の金額を支給する場合

助成金申請の場合も同様に計算するしか方法はありません。キャリアアップ助成金では雇入れ後6ヶ月に賃金構成を変えると説明などがややこしくなるので、できるだけ6ヶ月はそのままがベター。労働条件通知書などでは、逆算した時間数を明記しておきます。

固定残業代の導入・見直しは/まとめ

まず固定残業代・定額残業手当の見直しをするなら、あるいは新規に導入するなら、お近くの社会保険労務士事務所などに相談することをおすすめします。

厳しくするのであれば、1)労働契約書で契約、2)就業規則・賃金規程で明示、3)時間数の明示=金額は係数から算出、4)有効な36協定(書、届)、5)ちゃんとした労働時間管理、この程度はクリアしておく必要があります。

最終的には、従業員・社員が気持ちよく働けて、気持ちよく給料をもらえて休めて、気持ちよく退職すれば、労働トラブルにはなりません。経営者や管理職の皆さん次第ってところです。

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