2019年のGWを10連休にしない方法

顧問先や普段お世話になっている関係先には、今月の上旬中旬に弊所・大阪社労士事務所の来年用カレンダーを配布等しました。5月1日は、「即位の日」と記載されていましたが、祝日色=赤い色ではありません。元号が平成ではなかったんです、今気が付きました。当然ですが、前後の4月30日も5月2日も休日用の赤い色ではないです。

お客様からはチラホラ、同業の社会保険労務士からは結構ご相談をいただくのは、タイトル通り「来年のゴールデンウィークを10連休にしないためには、どうすれば良いのか」。社会保険労務士ですので、とくに給与の関係についてもメモしておきます。

★10連休で全く問題のない会社様は、読む必要はございません。

まず、10連休なのかどうか?

先日、このブログにも10連休関係の▶記事をアップしています。

本当に、就業規則上10連休になるのかどうかの確認から始めます。所定休日の項目を念のために確認しておきましょう。祝日法による祝日を所定休日にする会社は多いと思います。飲食店や小売店舗を除けば、となりますが。飲食店や小売店舗などを運営するお客様からは「人手不足、何とかならん?」「休日の単価払うの、結構負担になりますわ」とグチをいただいたりもしています。

祝日法で規定されている「国民の休日」を所定休日と決めているのか、改めての確認を! 「そんなん常識や」と言われることも多いのですが…。

来年2019年のゴールデンウィークが10連休であると、仮定して、「10連休にしない」対策を考えてみます。弊所のお客様はもう年間カレンダーを作成したところが多いので、バラしても構わないでしょうし。1年単位の変形労働時間制を採用しているところは、年間カレンダーの作成が結構大変では。
(1年間の起点は、会社によって違いますので、就業規則でご確認ください。規定されていない場合は、暦通りです。年間の休日数なり休日カレンダーを作成しないと多くの場合残業代単価の計算ができません。)

大阪社労士事務所・2019年のGWを10連休にしない方法

対策その1ー普通に

何も手を加えずに、出勤させる従業員には、休日出勤手当を支払う方法。

「それだけ?」
「たった、それだけです!」
休日出勤させる場合、通常は上司・管理職からの命令行為(または伺い→許可)があり、休日出勤させます。多くの場合、「前日までに休日出勤命令が必要」などと規定されていても、「いつから命令を出すのか」は規定されていないと思います。早めの方が良いです。

対象は、給与や経理・出納、情報システムの担当になるでしょうか。
金融機関の休日には振り込みもできない? モアタイムシステムがあるので、給与の振り込みを除けば24時間対応できるらしいです。

休日出勤命令が出されれば、年次有給休暇の取得はできません。もともとの勤務日なら取得できるんですけど。ですので、休日出勤の命令はお早めに。

対策その2ー就業規則の規定を使う

大層なことではありません、「休日の振り替え」を実施します。

もちろん、企業様によって給与計算期間や労働時間制度の利用状況が違いますので、一概に「こうするのが正解」というのはありません。が、うまく休日の振り替えを使えば、割増賃金や差額の支払いもなく対応が可能です。
(振替休日と書かないのは、祝日法での振替休日と混同されないためです。)

追記:平成31年3月4日(月)
通常の休日の振り替えで「割増賃金や差額の支払い」がないのは、理論上は原則週40時間をクリアできている場合で、賃金計算期間が同一のときです。このGW10連休の場合は、事前の対策として計画的に休日の振り替えをするのであれば、この「割増賃金や差額」について確認してください。自社の労働時間制度・賃金規程をまずはチェックします。10連休中の出勤なら週40時間は越えないので、まあ心配は要らないと思いますが、念のため。賃金計算期間をまたぐと、「振替出勤日(10連休のうちの)の分を支払って、振替休日の分を控除して」が発生します。

対象は、全社員を対象とするのか、10連休にすると支障が出ると予想される部署・従業員だけにするのか、思案のしどころです。こちらも、休日出勤命令と同様に早めに「休日の振り替え」を通達されることをおすすめします。

振り替え後に、年次有給休暇の取得申し出があったら?
まあ、自由と言えば自由ですが…、その時に考えたり話し合っても良いんじゃないでしょうか。旅行を申し込んでいる? エエ会社ですね。

対策その3ー臨時的・特例的な対応で

いくつか考えられます。

  • 就業規則の所定休日の項目を、来年だけ変更する
  • 就業規則の所定休日の項目を、来年以降も含め将来にも対応できるよう変更する

「労働条件の不利益変更では?」
前年や前々年と比較して所定休日の日数が減るような状況で無い限り、すぐに不利益変更には当たらないという判断もあります。臨時的に、所定休日の項目を変更することも可能です。または、「年間カレンダー作成の1年前までに確定していない祝日法に規定する休日は~」「その年限りの祝日は~」などと規定して所定休日から除外することも考えられます。小売りの店舗や飲食店は現実問題として働いていますので、問題はありません。

従業員全員に、変更後の規定を回覧して、確認した認め印やサインをもらっておけば良いかと。就業規則は、変更として所轄の労働基準監督署に届け出るのは当たり前です。

その2と同じく、年次有給休暇の取得申し出があったら?
それは自由ですから、時季変更する理由が無ければ、そのまま~。

対策その4ーそんなん無理です

分かりやすいのが給与計算。例えば、給与の締め日が月末だったり、5日だったりしたら?支払日が、末日、1日や5日だったら?
諦める(連休明けに支払うetc.)と言うのが選択肢として残されています。まあ、法律違反(一定期日払い違反)になるので、おすすめはできませんが、最終手段として。

あるいは、現金払いや、給与振込で無く通常の振込で。
現実的ではないかもしれませんが、希望者には対応するなど、やり方はあります。時給や日給のパートタイマーさん・アルバイトさんが多いと、何か方法を考えないと…締め日が末日で支払日が5日や7日なら。

いっそ、クラウド系の勤怠管理・給与計算システムを導入する、外部の社会保険労務士事務所などに給与計算をアウトソーシングする、などして社内の人的負担を減らすことも検討されてはいかがでしょうか。

実際のところ

金融機関さんの対応によるところもあるでしょう。

が、先に確認できる部分は確認する、対応できる部分は事前に対応・対策を取るのが経営上や人事労務管理の上では大切になってくるのでは? 就業規則や賃金規程で、どのように規定されているのか。

個人的には、休日の振り替えで済ませることができれば、事前の振り替えのお知らせだけで、楽です。GWを含む賃金計算期間中に振り替え分の休日を指定するのは、困難な場合もあるようですので、その時は「振替出勤日分の賃金支払い、振り替え分の休日を含む賃金計算期間で控除」が建前上必要です、と再度書いておきます。
(よく考えれば、「休日出勤命令」が一番簡単で分かりやすいですね。)

雇用管理、雇用形態、締め日・支払日がそれぞれ会社様によって違いますので、決定打はありません。ベストでは無くてもベターな解決策を探したいモノです。いずれにしろ、お早めに対応ください。


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