「前職の退職日が違っています」ある従業員の嘘

お客様である企業の総務部長から電話で連絡がありました。
「これ、どうするのが正解ですか?」

大まかには、最近採用した従業員が履歴書に書いた前職の退職日が違っているようで、役所から連絡が来ているがどのように対応して良いのか分からない、と。

ざっと状況を書いておきます。
労務相談顧問でご契約いただいており、日常の手続きは自社でたいおうなさっています。

  • 4月16日付けで採用した正社員、もちろん社会保険・雇用保険の手続きは済んでいる(4月16日は仮の日付)
  • つい最近、年金事務所から「二以上事業所勤務届」を届出して欲しい旨連絡があった。
  • 公共職業安定所からは「前職の退職が確認できないので、保留です」旨連絡があった。

単純に「前職の会社が手続きを忘れているだけじゃないのか」と推測、お客様には「もう少し待ってみましょう」と伝えました(7月になってるというのは横に置いといて)。その際に、メールで対象社員の履歴書、面接の際のシートが添付ファイルで送られ、そちらも確認。たしかに、前職の退職日は「4月15日の予定」と書いてありました。4月16日付けの採用入社なら問題なし~。

大阪社労士事務所・「前職の退職日が違っています」ある従業員の嘘

いったん電話は切って、その社員からヒアリングしてもらいました。4月16日からは確かに出勤しており、勤務態度等は問題無いことも確認。

ところが、、、、、

前職の会社から、5月6月と給与を受け取っていたことを告白。前職の会社の締め日・支払日までは確認していないが、感覚的に総務部長は「おかしい」な、と。

で、もう一つ、衝撃の事実が、、、、、

「退職代行」を使っていたらしい。その社員の前職の会社は、私の記憶が正しければ、日本では有名な大企業の部類に入る会社。退職代行を依頼する必要があるのか分かりませんが、とにかく退職代行業者(ある弁護士事務所さん)を利用して、本人曰く「4月15日付けで退職した」と改めて強調。退職代行業者とのやり取りの書類・メールまでは確認できていません。
(5月支払い分はともかく、6月支払いの給与って違和感ありますが。)

らちがあかないと言うことで総務部長が、前職の会社に連絡して人事に当たる部署につないでくれたものの「個人情報につき、在職していたかも含めお答えできません」旨返ってきて、ガックリ。

またまた推測

退職代行業者を利用しての退職だったと言うことで、おそらく残余の年次有給休暇を全て使用して、退職日を設定したものと推測。最大40日ほどですが、6年7年も勤続していた社員が退職代行業者を利用するのかなあ、この辺は推測できません。
(人事労務関係の雑誌・ウェブなどで調べると、入社年度から15日、年換算で20日年休付与される情報もありましたが、実際は不明です。)

そうなると、4月16日から30日年次有給休暇を使えば、ほぼ5月末まで到達します。完全週休2日制の換算ですけど。

いずれにしろ、5月末か6月上旬が本当の意味での退職としても、その大企業さんの手続きは遅くないでしょうか。源泉徴収票も本人あてに届いておらず、確認するものが何も無い状態です。

この推測を、総務部長にお伝えすると、ひと言「あり得ることなんですね」と。

ただ、5月末か6月上旬が退職日であれば、社会保険の「二以上事業所勤務届」は届け出る必要があり、こちらの企業様では過去に手続きしたことがないらしい。保険料の按分も5月分6月分7月分の給与も計算し直し、社会保険料の調整が必要なことを伝えると、総務部長「面倒くさいな」と。

まだ手続き未了です

前職の会社が手続きをしてくれればあっさり済む話が、全然終わりません。有名な大企業なのに、そういうコンプライアンス意識はないのでしょうか。
(1ヶ月程度手続きが遅れる企業や、数日間年次有給休暇を利用していて実際の退職日が違ったケースはたまーにありますが。)

で、件の正社員さん。総務部長からヒアリングされた後も楽しく勤務しているそうです。まあ、当たり前と言えば当たり前。

でも、総務部長がポロッと本音をこぼしました。
「ウチの会社も退職代行で辞めるかも知れないと言うことでしょ。こんなことやったら、いっそ。。。。。」
(自主規制が入ります! 総務部長は前職の退職日の虚偽申告で何か処分ができないかと考えるほどご立腹。)

「二以上事業所勤務届」はとりあえず届け出るそうです(会社が申請者でなく、本人)。雇用保険も源泉徴収票も待つしかありません。住民税の特別徴収は源泉徴収票も来ていないので、まだ先のことでしょうか。

何も解決していません…。
まさか「退職していない」なんてこと、ありませんよね…。

※守秘義務の関係で、大幅に脚色しています。

労務相談顧問
就業規則の作成・変更・見直し
ハラスメントの外部相談窓口


大阪社労士事務所

【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。

ご相談・ご依頼は、ご遠慮なくどうぞ。

電話 06-6537-6024(平日9~18時)
不在時は、折り返しお電話させて頂きます。
または、「お問い合せ」フォームから。

貴社の人事労務の問題点をチェックします

外部から人事労務の問題点を指摘される前に、労働トラブル発生の前に、企業の人事労務問題点を監査します。是非、ご相談ご利用ください。▶人事労務監査
(社会保険労務士は、企業の経営労務監査をサポートします。M&Aデューデリ、事業承継デューデリにも対応。)

a:406 t:1 y:1