「家族手当が、通勤手当が支給漏れになっています」

5月になってから別々のお客様から、同じ相談を受けました。
「諸手当が、支給漏れになっているようなのですが、過去に遡って支払うのでしょうか?」

1社は「運賃の改定に伴う通勤手当の変更がされていない」、もう1社は「3月末で退職した配偶者の分の家族手当が付いていない」というもの。それぞれ末締め、20日締めでしたが、遡及支払いの対象? 支給漏れは誰の責任?

結論から書くと、前者の通勤手当は本人から通勤経路等申告書が提出されていなかった、後者は次の給与から支払われるモノであった。

「なーんだ。」
はい、なーんだレベルの相談だったのですが、実は内容は違っていました。

通勤手当は変更理由として「4/1からの運賃の改定」、通勤経路は同じですが、通勤手当申告書を3月末までに提出していること。この会社のほとんどの従業員・社員は、3月末までに届け出ていたものの、問題となった社員だけが通勤経路等申告書を届け出していなかった。人事総務のご担当者が説明したが、「4月から関西の鉄道運賃が変わることは分かっていたから、総務の怠慢じゃないか」と激怒。(って、400円にも満たないのに~)

大阪社労士事務所:「家族手当が、通勤手当が支給漏れになっています」

家族手当の方は、3月末に配偶者が退職、扶養控除等申告書等の税務書類は会社に提出。ただ、社会保険(健康保険)の扶養手続きについては、書類が揃わないと言うことで4月20日の時点で保留状態。それで、4月末の給与に家族手当(配偶者手当)が含まれていないと言うことで、こちらの方も激怒。

どちらも、異動の発生時点、申請・届け出の時点、支給の時点は、賃金規程にて明記していました。

通勤手当の方は、本人の申請・届け出があった翌月から支給すると言うことで、通勤経路等申告書が出ない状態では給与計算入力ができなかった、と。賃金規程に「本人の申請」が必要な旨は規定しています。
それ以前に、東京支店は別としても、大阪本社通勤者には「通勤手当の変更が必要なので、3月末までに通勤経路等申告書を提出するように」数度社内のグループウエアにも掲示していたとのこと。

家族手当・配偶者手当の方は、数年前に手当支給の基準を税法の扶養(いわゆる103万円)から、社会保険の扶養(いわゆる130万円)に変更。後期高齢者を扶養している場合は、別途規定しています。
扶養家族等申請書が出ていなかったわけです。提出されていても原因が4/1だったので、翌給与支給からしか対象になりません。初日に原因があったわけではないので。

結果、通勤手当も家族手当・配偶者手当も、支給漏れ・変更漏れではなく、単に申請・届け出がないだけ。激怒されて、賃金規程のチェックができなくなり、私に連絡をいただくことになった…。

諸手当ですが、管理職手当や役職手当などの会社で管理できる手当ては申請等に関係なく支給、家族手当や通勤手当などの従業員・社員でしか管理できない手当ては「申請・届け出」主義として、賃金規程にも明記しています。

(家族手当ですが、扶養控除等申告書で対応することも可能ですが、別の書面=例えば扶養親族等申請書や家族手当支給申請書で確認する方が間違いありません。通勤手当は通勤経路があるので、書面でやり取りしているケースが多いと思います。履歴書に「○○円」と書くのは感心しません。)

無事解決しました。
どちらも、支給申請書などが出ない限り、支給できませんわね。

と、思いきや、ひと言。
「桑野さん、パワハラですよね、あれ。(激怒されて)」

まだ、続くのでしょうか…。

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