年休を5日取得させられない場合の罰則

最近、お客様や税理士の先生からのご相談で多いのが、「年次有給休暇5日取得義務化」、そしてそれにからんでの罰則の話し。

厚生労働省が非常に丁寧な冊子を作ってますので、是非参考に。
(これを、読むと過去にアップした記事にいくつかの間違いを発見!)
『年5日の年次有給休暇の確実な取得』わかりやすい解説
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf

パワーポイントで作成されていますが、もう少し保存・pdf変換の際に気を付けて欲しいと思うのは、私だけでしょうか。

さて、その冊子に罰則について記載がありますので、一部転載します。

違反条項違反内容罰則規定罰則内容
労働基準法第39条第7項年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合(※)労働基準法第120条30万円以下の罰金
労働基準法第89条使用者による時季指定を行う場合において、就業規則に記載していない場合労働基準法第120条30万円以下の罰金

(※)罰則による違反は、対象となる労働者1人につき1罪として取り扱われますが、労働基準監督署の監督指導においては、原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています。

年次有給休暇の取得は労働者の心身の疲労の回復、生産性の向上など労働者・会社双方にとってメリットがあります。年5日の年次有給休暇の取得はあくまで最低限の基準です。 5日にとどまることなく、労働者がより多くの年次有給休暇を取得できるよう、環境整備に努めましょう。

年休を5日取得させられない場合の罰則は、一人につき

年休を5日取得させられない従業員一人につき一罪だそうです。また、「事業主の時季指定」を就業規則に規定していない場合も、罰則。

「別に、就業規則に記載しなくて良いと書いてあるやん。」
「働き方改革の法律が成立したときに、就業規則の変更は要らないって、言ってましたよね!」
はい、そうです、「年休5日取得義務化」での就業規則の変更は要りません。なぜかって、何回も書いているんですが、従業員・社員の自主的な年休取得が一番の解決策です。自主的に取得させられない企業様ならば、事業主が時季指定を行使しても、良い結果・適法適正な年休取得にならないと思っています。自律型社員を育てるためにも、年休くらい「自主的な取得」では?

そのための工夫は、必要です。
働きやすい年休を取りやすい職場環境の整備、属人的な業務にならないような仕事の見直し、半日年休制度の導入、などはすぐに思い付きます。

自主的な年休取得ができないような職場で、年次有給休暇計画的付与を導入するのは、労使協定の作成・締結の時点で無理があるのではないでしょうか。正しい過半数代表者を選出できるでしょうか。退職者の取扱いでも、問題が出てきそう。一斉でも個人毎でも計画年休の管理をお手伝いした経験では、非常に面倒です。それに、事業所(事業場)ごとに、ですので…。民事ですが、労働条件の不利益変更の問題が出てくる可能性も少なからず、出てきます。

それ以前に、「就業規則を変更しないで、5年以上経つ」「36協定を締結せずに、時間外労働・休日労働をさせる」「雇入れ時に労働条件通知書を交付していない」「年に1回定期健康診断を受診させていない」「採用時に健康診断をしていない」、これらも労働基準法違反や安全衛生法違反です。こちらの方が、法ができて時間が経つので、より悪質だと感じますが…。←先にすべきは、こういうことだと思いますが。

罰金は司法・裁判所が言い渡します。
通常の労基法違反は、臨検や情報提供・申告などにより、労働基準監督署・労働基準監督官が調査し、違反状態であれば是正勧告を出します。是正報告は、過去に遡れないような事案であっても「今後、改善します」「今、36協定を届けます」(「これから、取得に努めます」?)と言う報告として、おとがめ無しで事件化はされません。

悪質な場合や是正勧告を無視するような場合は、事件化され検察庁に送検されます。そして、裁判へ。確定判決がでれば、おしまい。
(ご存じのように、判決が出るのには時間が掛かります。そして、我が国は三審制です。)

多くの労働基準法違反の事案なら、改善して是正報告を提出しますので、罰則の適用はありません。行政罰ではありませんし。もっとも、この4月以降に付与される年次有給休暇が対象になりますので、早くてもそこから1年を過ぎた来年4月5月以降でないと、取得させていない云々は出てきません。3月が一斉付与日としている場合(ウチのお客様数社の場合)は、2020年3月付与分からが対象ですので、そこから1年間の取得日数、つまり2021年3月以降に労基署調査があれば、という感じです。是正指導(法違反じゃない内容)は、今年の間でも、出される可能性が十分あります。

年休5日(以上)取得義務化への対応は、従業員・社員の自主的な年休取得こそが重要です。形式的な、計画的付与や事業主の時季指定は、監督官が従業員へヒアリングをすれば、すぐにバレますのでご注意ください。

弊所・大阪社労士事務所では、年休取得に向けた社内向けガイドラインの作成のお手伝いもしております。お気軽にご相談ください。

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取得奨励策・半日休暇制度のサポートも行っています。


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【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。

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