社内提案制度の入り口から出口まで

ホームページをご覧いただいた企業のご担当者様から、電話でチラッと「提案制度について」相談がありました。探してみると、こちらのページをご覧になった?
提案制度は、やる気を向上・維持させる?
社員とのコミュニケーションを活性化したい

改善提案制度としてしまうと、何となく製造業で活用されているイメージですが、どうでしょうか? とくに業種は関係なく利用できる制度かと思います。

提案制度の目的

これが制度設計にも影響します。何が目的なのか?

  • 真に「改善・改革」のために
  • 社内の活性化のために
  • 新規事業・新企画の発掘のために

一つ分かっていることは、「制度を作っても運用で失敗すれば、その目的を達成することは難しくなる」ことです。これは、社内提案制度に限りません、人事評価制度でもたいていの制度はそうです。

企業風土も影響します。「言える風土、言えない風土」も関係しますので、先に風通しを良くすることが必要な場合もあります。制度設計に大きくかかわってきますが、「声を上げても何にも変化がない」「提案するだけ無駄」そうならないように、目的を明確に、制度設計に進みます。

大阪社労士事務所・社内提案制度の入り口から出口まで

提案制度を継続するために

目的が明確になったとして、提案制度の寿命をどう設定するのか。半永久(その時点で)なのか、時限(例えば2年3年)なのか。

一番安直なのは、提案1件につきいくらかの報酬を出すこと。採用された場合は、もっと大きな報酬を支給すること。

ハードルを上げると、提案件数が見込めません。ハードル(提案としてカウントする条件)を、目的に合わせて設定します。コミュニケーション・社内活性化のためであれば、しばらくは条件を付けずに、社内の反応を見るのが良いのでは。改善改革の場合であっても、特許申請レベルというようなハードルにすると、件数が出ないことは容易に想像できます。

提案制度の実施

「目的」「条件」「報酬」などが決まれば、規定化します。提案制度規程という名称で良いでしょう。

理屈の上では、全社員・全従業員を対象とするのであれば、就業規則の一部となり、労働基準監督署への届出が必要になります。まあ、テスト導入として、正式導入の際にでも届け出ます。

提案審査委員会を結成して、月に1回、2か月に1回などの定期的なペースで委員会を開催します。外部のメンバー、例えば社会保険労務士や中小企業診断士を入れるのもおすすめです。貴社の事業についての専門家である必要はありません。「違う視点」での意見も大事だと信じています。

新規事業・新企画の発掘の場合なら、とりあえず「オズボーンのチェックリスト」で検討するでしょうし、企画部・企画室の類いがあるような企業であれば、まあ、言う必要もないですね。

提案制度の報酬

ありふれたパターンなら、1件あたり数百円→採択採用されれば1件数千円→半期に一度社長賞でボーナスの増額。

「1件〇百円」でまともな提案が出てくるのか?
ですので、採択採用される場合も考えておきます。企画書レベルでなく、意味が通じるような内容であれば良いと個人的には思います。

まあ、出勤日1日に付き提案1件までとしておけば、毎月20件ほどが上限提案件数になります。

私の経験上、特定の従業員・社員は毎日のように出す、それ以外の人は全く興味を示さない。報酬を出しても、そうなる可能性を含んでいます。

提案制度の事例

労政時報での事例はありますが、いわゆる大企業での事例ばかりです。
(お客様には、資料として内容をまとめたりしてお渡ししています。そのまま渡すと著作権の問題がありますので。)

弊所・大阪社労士事務所のお客様の事例は、残念ながら…。それこそご提案はさせていただくのですが、なかなか導入に踏み切っていただけません。

提案制度導入に当たって

制度を形にするのが、提案制度規程となります。チョロッとできそうですが、目的や条件、報酬などを詰めていくと、結構な時間を要することが分かります。
(社会保険労務士が同席するしないに関係なく、内容は決めていかないといけません。)

後は、審査体制をどうするのか。
事前審査を行えば、審査委員会などでの審査件数は少なくなりますが、導入当初は「慣れ」も含めて全件審査も面白いですね。提案件数が予想を下回ることもありますし。

「提案箱」にするのか、「ネット」なのか。
個人的には提案箱(アナログ)が好きですが、ブランチが多数あり、距離もあるような企業様では、メールやグループウエア経由でしょうか。その場合は審査に関係する従業員・社員は、類似の提案をしないようにするルールが必要です。

今ふと思ったのですが、全件提案内容は公開する、面白そうです。色々な意味で…。もちろん、採択採用しない理由もコメントを入れて。
(審査委員会が仕事してるのが見えます。)

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