短時間正社員制度は、時代に逆行する制度?

ある企業で人事労務部門の管理職として働く方と、雑談の中で。
「桑野さん、短時間正社員制度って、おかしいと思わない?」

その管理職の方のお考え~
●時間ではなく成果で評価する時代に向かっているはずが、時間で縛っている
●制限のない正社員は、残業も休日出勤もするが、短時間正社員には残業等させないようにしている

私 「成果で評価しようというのは、世間の方向性ですよね。」
管理職「弊社も短時間正社員制度を導入しようと思ったときに、『成果』『人事評価制度』をそのまま適用するのがよいのか…。」

私 「成果は正社員が100なら、短時間正社員は75、時間なりに考えると良いのではないでしょうか。量は時間で決めるのが良いですし、質は維持です。掛け算をしたら、時間なりになりますよ。」
管理職「それでは、割り切れない仕事の内容もあるじゃないですか。」
(週の所定労働時間、正社員で40時間、短時間で30時間を想定しています。)

私 「確かに、店舗や医療機関、社福施設などスタッフ・ヒトがいることが前提なら、やりやすいでしょうけど。」
管理職「でしょう! それなら週休3日制の方が良くないですか?」

10月に改正された育児介護休業法の関係で、育児介護休業等規程を触っているときに、出たシンプルな質問です。無期転換制度の実務でも、短時間正社員制度の話は出てきます。

大阪社労士事務所・短時間正社員制度とは
(「あれ、もう帰るの?」早く帰れる雰囲気のある会社なら、良いですね!)

確かに、短時間正社員の「成果」をどう決めるのか、評価項目の難しいところです。中途半端な人事評価制度なら、それは人事労務トラブルの発生源ともなります。いっそ、考課・評価はなくせば??
(量・質で、結果として短時間正社員を下回る成果しか上げられない無限定のフルタイム正社員を、どう評価しますか?どう処遇しますか? なんていう問題も課題です。)

よく言われるのが、「人事考課しているけど、あれ実態として何にも使っていない」「評価制度があるから、評価しているだけかも」「フィードバックもないし、効果があるとは思えない」と。それなら無い方が良いです。

短時間正社員なら、無期転換ルールもクリア、パート労働法もクリア、同一労働同一賃金も何となくクリアですが、その前に「難敵」=「評価をどうするのか」がいたんですね。

厚生労働省が、短時間正社員制度導入支援ナビというサイトを開設し、いろいろな情報を仕入れることができます。
https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/navi/

「短時間正社員に100の量と質、成果を求めたら、ダメなの? 桑野さん?」
裁量労働制や、擬似的な裁量労働制、あるいはテレワークとの組み合わせも考える必要があるかもしれません。企業様によって違う考え方があるので、一言では厳しいです。質・量ともに100を求めたら、それは制限のない従来型の正社員?


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