従業員・社員の呼び方に頭を悩ませる

お客様から、何件か同じようなご相談を受けました。
いつもと同様に記録がてらブログ記事としてアップしておきます。

「さん付け」は賛否両論

意外だと思ったのが、「さん付け」。全社員、全役員に対して役職ではなく「名前+さん」で呼びましょうというもの。ネット検索すると、「さん付け運動」に賛成反対の両論があるようです。

賛成派のご意見は、適当にまとめると比較的フラットな組織では「さん付け」も良い。反対派のご意見は、「さん付け」にしてしまうと役職の威厳がなくなる。私が感じたのは、このようなところです。

フラットな組織でなく、目指すのがフラットな文化であれば、「さん付け」も良いかと。逆に企業文化として役職名で呼ばないお客様(弊所の、です)も何社かありました。とくに「さん付け運動」や「呼称のルール」はありません。

(今年の夏の全国高校野球で優勝した慶應高校の「さん付け」の話を知ったものの、なかなか一般の企業内に導入しようとすると難しいことだけは分かりました。)

大阪社労士事務所・従業員・社員の呼び方に頭を悩ませる

定年後再雇用の嘱託社員の呼称

スポットのお客様からは、雑談の折りにこのようなことを言われました。
「定年後再雇用の嘱託社員ですが、何か良い役職名ありませんか?」

過去にブログ記事にしたかも知れませんが、令和5年の意識として書いておきます。

このご相談をいただいた企業様、嘱託社員になると定年前・60歳前が部長や課長の管理職であっても「役職名無し」になります。数ヶ月半年ほどはどうしても以前の役職名、部長や課長を呼んでしまう、1年ほど経てば「さん付け」も無意識で言えるのですが、と言うところ。

定年前が管理職なら「参事」、非管理職(係長や主任など)なら「主事」はいかがでしょうか。いわゆる正社員の役職名と重ならなければ良いわけで。
(これを言うと、「市役所の役職みたい」と笑われました。)

こちらの企業様は、部長課長の役職名ですが、もともと横文字・カタカタ役職名の企業なら「シニアアドバイザー」「シニアワーカー」とか。
(これも、「ウチの会社には合いません」と笑われました。)

「呼び捨て」はパワハラ?

新卒を採用している企業様からは、このようなことを言われました。
「呼び捨てをすると、新卒で採用した社員が辞めていきます。」

職場で次の3つのいずれにも当てはまるとパワハラになります。

  1. 優越な関係に基づいて行われること
    上司と部下、年上と年下、営業ができる人と苦手な人など、職場に慣れている人と慣れていない人など、相手よりも強い立場にあると当てはまります。
  2. 業務の適正な範囲を超えて行われること
    行き過ぎた指導、人格を否定するようなことをいう、無理なノルマを課す、仕事以外のことに関わってくるなど、仕事に関係ない言動が当てはまります。
  3. 身体的もしくは精神的な苦痛を与えること
    実際に暴力を振るう場合だけでなく、精神的に嫌だと感じるようなことも当てはまります。

家族や親しい関係にある者同士であれば問題にならないかもしれませんが、職場での呼び捨ては、相手に戸惑いや、不快な思いをさせることになりかねません。

呼び捨てをする人とされる人との関係は、

  • 呼び捨てする人の方がされる人よりも優位、強い立場にある
  • 呼び捨てにされる人に威圧感を与える
  • 呼び捨てする人は、相手と距離が近い(と思っている)

などが考えられます。

親しみを込めて呼び捨てにしていても、相手の捉え方は自分と同じとは限りません。「そんなに親しいわけでもないのに、偉そうに、上から威圧的な感じで呼び捨てにされた」と思われて、①②③を満たしているとみなされると、パワハラになります。

あくまでも職場なので、「さん」をつけて呼ぶなど、ある程度距離と敬意をもって相手に接する方が良いでしょう。
(事務所のスタッフに書いてもらいました。ネットのコピペならスミマセン。)

呼び捨てが即パワハラにはなりません。が、受け取る相手によっては、あるいは周囲の者が不快に感じることもあります。職場での呼び捨ては、多くの場合御法度と思う方が良いでしょう。ただし、経営幹部の皆様が…。

また、「ちゃん付け」は特定の人、全員に使うかどうかを含め良いとは言えません。「あだ名」は職場では控える方が良い、としておきます。
(これを書いていて、自分自身反省しています…。)

つまり、呼び方は?

現場系・ガテン系の職場なら呼び捨てしていることもあるかも知れません。時代は変わっていますので、「さん付け」せめて「くん付け」をおすすめします。

くん付けは、主に年下・年齢が下であることを主眼にした呼び方だと思います。確かに商工会議所青年部(YEG)や青年会議所(JC)では当たり前です。が、職場においては控えた方が良いと思います。そもそも年齢をオープンになるのは、定年退職時くらいでしょうか。それ以外の際でも年齢がオープンになっているのは、個人情報の保護の観点からも少し、、、、、

私自身の方針は、「年齢に関係なく基本は『さん付け』」「お客様の場合は、役職名があれば基本は役職名で」です。合同事務所のメンバーに対しては、年齢や入所時期に関係なく「さん付け」です。

個人の尊厳なんて言うと大げさに聞こえますが、一人の人間として見るにはどうしたら良いのか、それで判断すれば良いはずです。企業内・職場では、企業様のご方針も関係しますので、○○という呼び方が絶対に良いはありませんが。

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