「これだけ追加するだけで、不利益変更ですか?」

お客様の総務部長から電話で連絡が入りました。
「組合の研修会に参加して、勉強になったので、桑野さんに来て欲しくて。」
(全然分かりません。)

急遽伺うことになって、汗をかきながらお客様の会議室に通されました。
総務部長曰く
「先日、組合(??)の研修会に参加して、良かったと思ったので、桑野さんに意見を伺いたくて、来ていただきました」と。

  • 組合?
    同業者組合ではなく、商工会議所でもなく、某銀行のコンサル会社が主催だそうです。
  • 研修会
    労働トラブルの防止のためのセミナーで、使用者側の弁護士さんが講師をつとめているようです。レジュメを拝見しましたが、超有名な先生ではないような気が…

で、総務部長のご要望は「レジュメに記載の規定を就業規則に落とし込んで欲しい」というもの。あっ、企業規模は産業医さんがいない規模です。とくに、休職・復職の項目でした。

大阪社労士事務所・「これだけ追加するだけで、不利益変更ですか?」

何項目か規定があったのですが、総務部長に「これらを追加すると、労働条件の不利益変更になりますので、原則従業員さんの個別同意が必要になりますけど。」と伝えました。

総務部長の反応は「えっ!」。
実は、1年前だったか数年前だったか、休職でトラブルになってしまいました。それを契機に、その後は休職に入る前に文書(書面)を休職対象者に渡し、その規定の内容は書面に全部含んでいました。規定ではないので、若干弱いですが…。
(だいたいトラブルになるのは、就業規則に記載されている通りに実行してくださらないことがほとんど。最悪の場合は、医師の診断書を依頼しても全く連絡がないのに、休職に入らせるとか。根拠無しに私傷病休職させるのだけはやめて欲しいですね。)

部長には、
●就業規則の規定(現状の規定でOK)通りに、休職のチェック
●休職は、会社の命令なので、休職辞令を発令する。延長時も同じ。
●私傷病での休職期間中は、治療に専念すること←休職時に渡す書面に記載
●復職は~(以下省略)
と、当たり前のことをお願いしました。休職・復職の規定は令和になってから変更見直しを若干行っています、現実に合わせるように。

以前、私傷病休職期間中に「アルバイト」を行っていた休職者がいたんです。でも、ずーっと、医師の診断書は出てきませんでした。総務部長でなく社長から「あの子は、、、、、」と身の上話を聞かされ…。まあ、社長が良ければ良いんですが。

いったん保留になりましたが、事務所に戻る頃に総務部長からメールが入っていました。
「就業規則の変更はやめておきます。」と。
(先の変更時はどうしたかって?? それは現状に合わせる、と。)

セミナー・研修会で勉強していただくのは良いのです。逆に講師の先生方にお願いします。「新たな義務を課すのは不利益変更になるので、原則個別同意が要ります」と、これ絶対お話しください。

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