電子帳簿保存法の令和3年度改正対応メモ

お客様からメールにて相談がありました。
「電子帳簿保存法の対応で、事務処理規程の中身を見て欲しい。」

電子帳簿保存法が改正されたのは、ITベンダーさんやコンサルタント会社からのメールマガジンで知っていました。が、国税・税務のことでもあるし、社会保険労務士に相談する内容ではなく、まず税理士先生にご相談いただくことだと思っていました。

電子帳簿保存法のことは、まず顧問税理士の先生にご相談ください。
顧問税理士さんから「社労士にちょっと相談してみたら」と言われたら、どうぞご遠慮なくご相談ください。

取りあえず調べて分かったことを、メモとして残しておきます。「令和4年1月1日以後~」についてのグーグル検索の結果です。

公式の情報は、こちらから。
▶国税庁:電子帳簿保存法関係(トップ)
▶国税庁:令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて
▶国税庁:電子帳簿保存法Q&A(一問一答)

大阪社労士事務所・電子帳簿保存法の令和3年度改正対応メモ
(国税庁のpdfから引用しています。支障があれば、ご連絡ください。)

  • 改正の内容
    • 電子帳簿等保存(区分①)に関する改正事項
      1.税務署長の事前承認制度が廃止されました。
      2.優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置が整備されました。
      3.最低限の要件を満たす電子帳簿についても、電磁的記録による保存等が可能となりました。
    • スキャナ保存(区分②)に関する改正事項
      1.税務署長の事前承認制度が廃止されました。
      2.タイムスタンプ要件、検索要件等について、要件が緩和されました。
      → タイムスタンプの付与期間が、記録事項の入力期間と同様、最長約2か月と概ね7営業日以内とされました。
      3.適正事務処理要件が廃止されました。
      4.スキャナ保存された電磁的記録に関連した不正があった場合の重加算税の加重措置が整備され ました。
    • 電子取引(区分③)に関する改正事項
      1.タイムスタンプ要件及び検索要件について要件が緩和されました。
      2.適正な保存を担保する措置として、見直しが行われました。

大阪社労士事務所・電子帳簿保存法の令和3年度改正対応メモ
(国税庁のpdfから引用しています。支障があれば、ご連絡ください。)

お客様からのご相談は、「措置↑↑は、タイムスタンプの方式によらず、事務処理規程の備え付けで対応したい」と言うことでした。タイムスタンプは、費用が掛かるので、と言うことなのでしょうか。
事務処理規程のサンプルは、先の国税庁のウェブサイトからダウンロードできますが、改正の影響があるのかないのか不明です。)

この事務処理規程が「就業規則に含まれる別規程」かどうかですが、第2条で適用範囲として「全ての役員及び従業員(契約社員、パートタイマー及び派遣社員を含む。)に対して適用する。」とあります。これは、就業規則の相対的必要記載事項の「十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項」に該当すると考えることができます。労働基準法第89条を参照。

だとすると、社会保険労務士のお仕事? 労働基準監督署への届出が必要? 事務処理規程は原則全ての従業員に知らせておかなければならない規程(ルール)なので、就業規則の別規程と考える方が適切かも知れません。
(事務処理マニュアルなどの一部の従業員しか対象でない規程・ルールは、就業規則とは言えません。賃金・退職金に関する場合は、裁判例有り。)

分かったこと

  • メールやグループウエア経由でpdf(税務関係、お金に関する内容)が送られた場合、そのpdfを原本として保存・管理しなければならない。紙に印刷して保存しても原本とは認められない。
  • 事務処理規程が就業規則の一部・別規程であると明記しているウェブサイトはない。←労働基準監督署で相談しても、労基法89条に該当しているのなら届け出てください、と言われそう。
    • 事務処理規程は、施行までに準備しておく必要があります。
    • マイナンバーの取扱いに関しての特定個人情報等取扱規程の際も、ほとんどのウェブサイトが「就業規則の一部・別規程である」旨、明記していなかった前例がありますが…。
  • EDIは、ITコーディネータ関係でチラッと見たことはありますが、普及していないとか。
  • 「検索可能にする」には、1)ファイル名の頭に例えば「20210909戦略人事研究所11000」を付加する、2)Acrobatの機能を使い、OCR処理を行う、が手間も費用もそれほど掛かりません。Acrobatは、Readerではありませんので。エクセル管理は大変では。令和3年10月6日(水)追記
    • ある弁護士の先生から、1)だと2項目以上で検索できないのでは?と質問をいただいたのですが、ウィンドウズのエクスプローラで検索可能です。令和3年10月7日(木)追記
  • 【社会保険労務士として】お客様にメール等で送付した給与明細は、こちらもpdfなどのデータで保存しておいた方が良い。電子帳簿保存法の対象は国税なので、社保労保の電子申請分は関係なし。
  • 「まだ税理士も良くわかっていませんし、税務署職員も理解が深まっていません。」ご近所のS税理士先生から(令和3年9月9日(木)追記・SNS)
  • 「今は、電子帳簿保存法よりも消費税の方が優先度高い。」A税理士先生から(令和3年9月9日(木)追記・電話)
  • 「私のお客様は、顧問税理士から『今後は請求書などは郵送で』と指導されています。」ITコーディネータから(令和3年9月29日(水)追記・ZOOMでセミナー)
  • 「検索可能にするのは、税務署の調査の際に楽に確認できるため。」税理士の先生から(令和3年10月1日(金)追記・電話)
  • 「税理士会の研修資料があるので、それを読み直してから連絡します。以前所属していた事務所にも訊いてみる。」NS税理士先生から(令和3年10月5日(火)追記・電話)
  • 数人の同業者から「国税庁・事務処理規程は、マニュアルなので就業規則に該当しないのでは?」旨の連絡をいただいています。確かに事務担当者だけが関係するのであれば、第2条を書き換えて、全員に適用されないよう規定し直す方がキレイです。この件に関しては既述していますが、労基署で説明・回答を求めても労基法89条に該当するか否かで判断されます。調査時にも、「この事務処理規程は云々」と言うことは自ら提示または委任規定がない限り突っ込まれないでしょう。似たような規則としては、個人情報保護規程が考えられます。弊所・大阪社労士事務所へご依頼のない場合は、顧問社労士などとご相談いただくのが良いかと。(令和3年10月8日(金)追記)
  • 事務処理規程第4条(電子取引の範囲)についてお客様から質問を受けました。「具体的に何を書くのか」ですが、電子帳簿保存法Q&A(一問一答)電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】のⅠ通則【制度の概要等】の問3がヒントになるかと思います。EDI、メール、クラウドストレージは例示されているので、
    (2)インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等の画面印刷(いわゆるハードコピー)を利用
    (6)ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
    (7)請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領
    の3つを書けば良いかも、と思い始めました。(令和3年10月28日(木)追記)
  • 税理士の先生によって振れ幅がかなり違うようです。システムベンダーさんに相談する前に、顧問税理士の先生にご相談する方が税務調査対策としても安心できると思います。税理士の先生数人からニュアンス的に(令和3年11月16日(火)追記)
  • お客様からご相談があったのですが「会計ソフトを使っているが、その元帳なども電子保存するの?」。もちろんです、改正電帳法に対応している会計ソフトをご利用ください。(令和3年11月17日(水)追記)
    • 弊所・大阪社労士事務所で使用している会計ソフトを、改正電帳法に対応したものにバージョンアップしました。入力・修正などの履歴が全部記録されています。使用している会計ソフトはたぶん有名じゃないと思います。(令和3年11月24日(水)追記)
  • 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)電子取引関係_問42、ご参考ください。一部改正・追加されたようです。税理士の先生からの情報(令和3年11月16日(火)追記)誤43正42、間違えていました。
  • 日本経済新聞、今日の朝刊第一面。見てびっくりしました「電子保存義務化2年猶予」。内容についてコメントすることはできませんが、実施まで4週間もないのに、施行規則をチョロッと変えれるなんてスゴいですね。報道では税務署へ申請が必要らしいので、勘違いしそうです。(令和3年12月6日(月)追記)
    • 電子保存の部分のみ、猶予できるとか。結局のところ、帳簿・会計ソフトのバージョンアップ&電帳法対応は間違ってはいないようです。(令和3年12月13日(月)追記)

★電子帳簿保存法に詳しい方、税理士の先生、間違っていたらご指摘ください。メールフォーム
★気が付いたことがあれば、追記します。

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