最低賃金の引き上げで、時給が逆転?対応策は?
令和3年の最低賃金は、引き上げられる見込みです。
大阪府の最低賃金 時給992円に引き上げへ 審議会答申
08月04日 18時06分
大阪府の最低賃金について、労使の代表などでつくる労働局の審議会が答申を行い、ことし10月から時給992円と現在より28円引き上げられる見通しとなりました。昨年度は、新型コロナウイルスの影響による中小企業の経営環境を踏まえ、据え置かれていました。
最低賃金は、企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、都道府県ごとに異なり、厚生労働省の審議会は、先月、今年度、すべての都道府県で一律に28円引き上げる目安を示しました。
労使の代表などが参加する大阪労働局の審議会は、この目安をもとに、現在、964円の大阪府の最低賃金について、議論しました。その結果、「労働者の待遇を改善する社会的要請に留意する」として28円引き上げて時給992円とする案を賛成多数で採択し、大阪労働局に答申しました。
(NHK 関西 NEWS WEBから引用)
弊所のお客様、飲食業の場合
弊所・大阪社労士事務所のお客様でも、影響のありそうな業種があります。
飲食業が代表格でしょうか。
飲食業のお客様を多く抱えているわけではありませんが、少し実例を書いておきます。結論としては、とりあえず「何も関係ない」。
意外に思われるかも知れませんが、昨年は最低賃金は据え置き、それ以前は「人手不足」「募集しても集まらない」状況で、ここ数年はずっとスタート時給は1000円以上でした。
はい、答申された992円よりも上ですので、とりあえず「何もしない」、ただし他の業種や同種事業が時給をアップさせたらその時には対応せざるを得ないと、ミーティングの度に伺っています。
この社長の方針は明快で「逆転現象はさせない」「試用期間終了の時給アップは変えない」「時給アップは随時(実はテストがあります)」です。昨年一昨年と最低賃金が1000円以上になった場合の対応策について、確認をしていました。
(貴方の顧問社労士も、同じことをしていませんでしたか?)
弊所のお客様、小売り業の場合
先に書いておきますと、すでに弊所・大阪社労士事務所のお客様ではなくなっています。M&Aで他の企業に買収され、それに伴い、顧問換えをされました。
が、2年前3年前などの時にはどのような対応を行ったのか。
少し女性に人気のある商売をされていたので、スタート時給は最低賃金の近く、試用期間(この企業では研修期間)を終えれば時給をXX円アップしていました。あと、短期で辞める方の割合が高い…。
場当たり的ですが、こちらの企業でも「逆転現象」はないように、時給を調整していました。やる気次第では、入社1か月の時給が、1年以上勤務している方よりも上のこともありました。単純に逆転現象がないように行っているわけではなく、シフトの日数・時間数ややる気でも調整していました。
まあ、当たり前と言えば当たり前です。
上記飲食店もこの小売業も、従業員規模的には二ケタですので、大企業の参考にはなりませんけど。
まとめ
- 逆転現象を作らない
- 最低賃金を割り込むと法令違反
- あまりに最低賃金に近いと、人材確保の問題が生じる(コロナ後)
- 圧縮して昇給させるのが現実的(それ以外の方法が無い)
- ビルメン業界が一番切実かも
パートタイマー・アルバイトであっても、昇給についてはそこの企業なりの人事評価制度(明文化されているかいないかは別)とリンクしているケースがほとんどだと思います。
政府方針が加重平均が全国で1000円になることを目指していることを考えると、現時点(令和3年の改定後)で約930円の加重平均から70円アップ、大阪府だと1062円+アルファになります。20円強でアップすると考えれば、3年後、、、、、
最低賃金が1000円を越えるのは、早ければ大阪府で来年でしょうか。そうなってくると、飲食業、小売業だけでなく、製造業やほかのサービス業にも影響が出始めますね。弊所・大阪社労士事務所のお客様にも、具体的な最低賃金対応策を取らなければなりませんが、いちおう腹案はあります。
(実際に、奈良県民や兵庫県民は大阪府内の企業で働きたがります。とくに隣接している市町村の住民さん!←パートタイマー・アルバイトに関してです。人材面で飲食業と直接競合するのは、ターミナル駅=大阪なら梅田とか難波の、女性に人気のショップや百均だそうです:上記の経営者の弁。ニコニコして接客しないといけない職場は人気が無いとも…。ちなみに業種別では、もう越えますけど。)
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※守秘義務の関係で、内容については脚色しています。
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