育児休業は、労使協定がすべて

お客様から電話で相談がありました。
「育児休業って、入社1年未満でも取得できるんでしょうか?」
(デジャヴのような気がします。)

こういう微妙な表現を使われる場合は、必ず規程なりホームページなりをチェックされています。そして、だいたい…

「実は、社員から育児休業を取得したいと相談がありまして。もう出産して、産後休暇に入っています。」と人事総務のご担当者様。

  • 育児休業に入るのが、入社から約11カ月。
  • 産前産後休暇は取得しており、健康保険の出産手当金も申請予定。
  • 育児休業給付は、前職の雇用保険加入期間を合わせると、「2年間に被保険者期間が12か月」はクリアできそう。履歴書の上だけらしいですが。

で、「入社1年経っていないので」社員さんから相談があったらしい。会社に出勤して、育児介護休業規程をチェックしたわけではなく、その社員さんはネット情報で確認した上で連絡をしてきたとか。

私 「育児休業の除外などの労使協定、ありますよね?」
担当「それが…。桑野さんの事務所にありませんか?」
私 「いえいえ、貴社保管なので、控えは持っていませんねえ。」

大阪社労士事務所・育児休業は、労使協定がすべて

▶厚生労働省:育児・介護休業等に関する規則の規定例

育児・介護休業等に関する労使協定の例
◯◯株式会社と◯◯株式会社従業員代表は、◯◯株式会社における育児・介護休業等に関し、次のとおり協定する。
(育児休業の申出を拒むことができる従業員)
第1条 事業所長は、次の従業員から1歳(法定要件に該当する場合は1歳6か月又は2歳)に満たない子を養育するための育児休業の申出があったときは、その申出を拒むことができるものとする。
一 入社1年未満の従業員
二 申出の日から1年(法第5条第3項及び第4項の申出にあっては6か月)以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員
三 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

(介護休業の申出を拒むことができる従業員)
第2条 事業所長は、次の従業員から介護休業の申出があったときは、その申出を拒むことができるものとする。
一 入社1年未満の従業員
二 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員
三 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

(子の看護休暇、介護休暇を半日単位で取得する場合の時間数)
第3条 従業員のうち勤務時間が9時~17時45分の従業員が子の看護休暇、介護休暇を取得するときの取得の単位となる時間数は、始業時刻から3時間又は終業時刻までの4時間45分とし、休暇1日当たりの時間数は、7時間45分とする。

(子の看護休暇の申出を拒むことができる従業員)
第4条 事業所長は、次の従業員から子の看護休暇の申出があったときは、その申出を拒むことができるものとする。
一 入社6か月未満の従業員
二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

(介護休暇の申出を拒むことができる従業員)
第5条 事業所長は、次の従業員から介護休暇の申出があったときは、その申出を拒むことができるものとする。
一 入社6か月未満の従業員
二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

(育児・介護のための所定外労働の制限の請求を拒むことができる従業員)
第6条 事業所長は、次の従業員から所定外労働の制限の請求があったときは、その請求を拒むことができるものとする。
一 入社1年未満の従業員
二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

(育児短時間勤務の申出を拒むことができる従業員)
第7条 事業所長は、次の従業員から育児短時間勤務の申出があったときは、その申出を拒むことができるものとする。
一 入社1年未満の従業員
二 週の所定労働日数が2日以下の従業員

(介護短時間勤務の申出を拒むことができる従業員)
第8条 事業所長は、次の従業員から介護短時間勤務の申出があったときは、その申出を拒むことができるものとする。
一 入社1年未満の従業員
二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

(従業員への通知)
第9条 事業所長は、第1条、第2条及び第4条から第8条までのいずれかの規定により従業員の申出を拒むときは、その旨を従業員に通知するものとする。

(有効期間)
第10条 本協定の有効期間は、令和◯年◯月◯日から令和◯年◯月◯日までとする。ただし、有効期間満了の1か月前までに、会社、従業員代表いずれからも申出がないときには、更に1年間有効期間を延長するものとし、以降も同様とする。
令和◯年◯月◯日
◯◯株式会社  代表取締役  ◯◯◯◯    印
◯◯株式会社  従業員代表  ◯◯◯◯    印

[解説]
②子の看護休暇、介護休暇を半日単位として取得することが困難と認められる業務に従事する従業員については、労使協定により適用除外とすることができます。
③育児短時間勤務の制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する従業員については、労使協定により適用除外とすることができます。
[桑野追記]
◯事業所毎に締結してください。企業単位ではありません。

↑これが最新版の労使協定。厚労省のリンク先にワード版ファイルがあります。
ここから先は本当は書いてはいけないことなのかも。

電話があった翌日です。
担当「労使協定ありました。ただ、平成2X年で最新版じゃないみたいです。法改正の連絡をいただいていたのに、締結し直していなかったみたいで。」

※現時点では、平成29年10月1日施行が最新です。次は、令和3年1月1日の「子の看護休暇・介護休暇の時間単位での取得が可能に」。
▶厚生労働省:育児・介護休業法について

私 「それなら無効とまでは言えないので、『取得できない』旨お伝えください。」
担当「それが~。」
私 「あっ、そうなんですか。」

私の出番ではありません。が、忘れがちな「育児休業・介護休業の労使協定」きっちり法改正のたび毎に締結し直すことをお忘れ無く!

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