雇用調整助成金、受給のポイント

今週だけでお客様、ご新規様を含め、新型コロナウイルスの関係で雇用調整助成金について10件以上ご相談や説明をしました。同じことの繰り返しなので、個人的にまとめておきます。

「雇用調整助成金って、そもそも何?」と言う方へ。

  1. 売上げなどが低下して
  2. やむをえず、休業を選択して
  3. 従業員を休業させて
  4. その従業員に休業手当を支払ったとき
  5. その補填として、企業に支払われる助成金

2.解雇も選択できます。
3.出勤日を休業日にします。出勤日は、シフトなどで確認できます。長期にわたると「シフトなんて作ってるかいな」と言われますが、作った方が休業日を特定できるので、是非作成を。
4.労働基準法では、平均賃金の6割以上を支払えとなっています。
5.給付率は正直気にされない方が良いと思います。今日時点の上限額8330円だけ気にしても良いかと。

大阪社労士事務所・雇用調整助成金、受給のポイント

弊所・大阪社労士事務所にご依頼なさらない場合

厚生労働省のウェブサイトが一番信用できます。以下この項、厚生労働省本省のサイトか労働局のサイトです。

雇用調整助成金
「雇用調整助成金ガイドブック」で内容をご確認ください。
追記:緊急対応期間のガイドブックできました。直接のリンクは消えるおそれ(404エラー)があるので、名前だけ。
「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)令和2年4月24日現在」
「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)令和2年4月15日現在」

雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナウィルス感染症対策特例措置用)【小規模事業主用、申請マニュアルあり】2020年5月19日追記:特例様式と同じ、非小規模事業主用は下の方へスクロールを

雇用調整助成金の様式ダウンロード
教育訓練とか出向とか気にせず、「休業」だけ見てください。
追記:特例措置用の書式がダウンロードできます。
雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナウィルス感染症対策特例措置用)

大阪労働局・雇用調整助成金の届出書類のご案内

事業主の方のための雇用関係助成金
「支給要件確認申立書」は確認してください。「計画届・申請書等チェックリスト」はzipですが、確認した方が良いと思います。各労働局で作成しているところもあるようです。チェックシートをざっと調べたところ、愛知労働局・神奈川労働局にありました。

弊所・大阪社労士事務所にご依頼なさらない場合、以下を読む価値はありません。



昨日時点の大阪労働局の助成金センター(谷四のFNビル)ですが、相談予約だけで1時間待ちとか。実際の相談は、そこから2日後3日後…。電話なら、土日の方が…。
追記:4月16日に相談予約を入れると、5月18日以降を提示されました。
大阪社労士事務所・雇用調整助成金、受給のポイント
(弊所メンバー・清水真一社会保険労務士から借用)


弊所・大阪社労士事務所にご依頼いただく場合

ありがとうございます。

  • 次の書類は、ありますか?(ご準備ください)
    • 労働者名簿(社員名簿)、出勤簿(タイムカード)、賃金台帳
    • 労働条件通知書(または労働契約書)
    • 直近の労働保険の申告書控え
    • 現在在籍している従業員の雇用保険の事業主控え
    • 就業規則
      • 従業員数10人以上なら必要です。大阪本社は8人で東京支社が5人のとき、労働基準法上は必要ありませんが、助成金窓口でクレームを入れられないためには事実上必須です。
    • 月次売上表など(生産指標:直前15か月あれば結構です)
      • 特例措置で前月対前年同月ですが、念のため。

賃金台帳が整備されていない場合、社会保険労務士事務所では調製できない場合があります。月次売上表(月次の損益計算書など)は、会計ソフトから出力いただくか、顧問税理士の先生にご相談ください。

労働保険に加入手続きを取っていない場合は、従業員がいるならば過去2年にさかのぼって手続きを取ります。当たり前ですが、助成金の手続きとは別で報酬を請求します。また、いくつか事業所があるにもかかわらず労働保険が成立していない場合は、状況に応じ手続が必要です。

就業規則は、雇用関係助成金の場合は、労働基準法上の考えとは別に「雇用保険被保険者数が10人以上」なら必要だと思ってください。(事業所がいくつかある場合です)その方が助成金窓口での書類がスムーズに動きます。無い場合やあまりに古い場合、実態と全く違う場合は、作成なり変更しなければ前に進みません。助成金の手続きとは別で報酬を請求します。

  • これもチェック
    • 法人なら社会保険(厚生年金保険、健康保険)の加入(個人事業でも5人以上なら、だいたい!)
    • 労働保険料の未納が無いこと
    • 給与計算ソフトの項目に「休業日数」「休業手当」を追加してもらうこと

たまに訊かれる事項

  • 常時雇用する労働者
    (ガイドブックから転記)
    常時雇用する労働者の数は届出日現在、「2か月を超えて使用される者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が当該企業の通常の従業員と概ね同等である者」の数を記入してください。
    • (参考)2か月を超えて使用される者とは実態として2か月を超えて使用されている者のほか、それ以外の者であっても雇用期間の定めのない者及び2か月を超える雇用期間の定めのある者を含みます。
    • 週当たりの所定労働時間が当該企業の通常の従業員と概ね同等である者とは、現に当該企業の通常の従業員の週当たりの労働時間が40時間である場合は概ね40時間である者をいいます。

↑ 主観で書きますと、特定適用事業所以外で社会保険の被保険者かと。他の場面でも、この「常時雇用する労働者の数」が出てきます。念のため書いておきますと、ここまで従業員と労働者しかそれっぽい言葉を使っていませんが、契約社員さんや嘱託社員さん、アルバイト・パートタイマーが含まれる場合もあります。

  • 代表者選任は、全員?過半数?の同意が必要?
    全員の方が良いでしょう。「会社がこれからどうなるか」多少は分かりますし、努力も見ていただけることでしょう。人数は、10人でも、1000人でも~。こういうときは、「労働組合があればなあ」と思ってしまいます。
  • 休業手当は、最低限の6割で良いか?
    個人的には、10割支給=通常勤務させた場合の賃金と同額が理想的です。ただし、手元資金の状況でそれが許されないなら、せめて8割…。労働基準法の休業手当は皆さまが思うより「低い額」です。「正社員と非正規社員(契約社員、パートタイマー等)と割合を変えても良いか?」もよく訊かれますが、財務状況も影響するでしょうが、正社員10割、パート6割とした場合は、助成金の額を計算する際に低い方(この場合6割)で計算されてしまいます。同一労働同一賃金の流れもありますし、新型コロナウイルスの収束後のことも考えて、経営判断してください。
    (休業協定書は、従業員代表と締結します。休業手当の支払い基準は、従業員代表と協議して決めてください。個人的には、平均賃金の計算は面倒なので、『通常勤務時の賃金』をベースに支払う方がおすすめです。)

メモ:雇用調整助成金支給要領
(ロ) 賃金台帳等の、休業手当等の額を確認する書類の簡素化について、現在、0302b ハにおいて、賃金台帳及び対象労働者に対し支払われた手当等の額が明らかにされた書類を事業所から労働局等へ提出することとしている。当該書類については、休業等の日又は時間に支払われた手当又は賃金(以下「休業手当等」という。)が、労働日又は労働時間について支払われた基本賃金、扶養手当その他の賃金と明確に区分されて記載されていることが必要であるところ、新型コロナウイルス感染症の影響により助成金を利用する事業主に限り、休業手当等の額が賃金の額と同額である場合には、休業手当等の額を区分しないことを認める。

手続きの流れ

通常の雇用調整助成金は、計画届を休業日の前日までに提出しなければなりませんが、今回の新型コロナウイルスの関係は特例で、初回の手続きだけ『若干』遅れても良いことになっています。

うちのお客様のパターンで多い、15日締め25日払いなら、すでに4月8日から休業している場合、4月15日までに計画届(初回)を提出するか、4月16日に提出するか。4月16日に出すなら、4・15〆分と5/15〆分の2か月分の計画届を出します。

支給申請は、4・15〆分の賃金台帳が出た時点で行います。5/15〆分の賃金台帳が出た時点でも支給申請を行います。

1回の計画届で見ると、必ず1回の支給申請が対応します。
上記の例では、4月15日までに初回の計画届を出した場合は、4月16日からの分は4月15日までに(休業日の前までに)出します。今からなら時間的余裕が少ないので、4月16日過ぎに2回分の計画届をまとめて出すのが良いかと。

5月16日以降も休業することがあれば、5月15日までに計画届、6/15〆分の賃金台帳が出た時点で支給申請、万が一この後も続くようであれば、この繰り返しです。

追記:2020年4月29日
特例措置により、2回目以降の計画届を省略したり、支給申請と同時提出も可能となりました。

報酬の額(目安)

顧問先様と、今回の雇用調整助成金限りのお客様では変わって参ります。

顧問先様で、1回の助成金額が10万円に満たない場合は報酬は請求しません。それ以外は、顧問先様との契約内容により5%~20%です。場合により単価契約でも受託します。

今回限りのスポット依頼の場合、15~25%の手続き報酬です。場合により単価契約でも受託します。労働保険の手続き、就業規則の整備など、助成金以外の手続きがある場合は別途請求します。

【2か月(2回)休業させた場合】
従業員数20名、4月に10日、5月に10日、全事業所休業した場合の助成金額の例。
4月分(8330円×20名×10日)+5月分(8330円×20名×10日)=4月分(1666,000円)+5月分(1666,000円)=3,332,000円

こちらから、手続き報酬をいただきます。

雇用調整助成金の手続きを依頼する >
(役所に届け出後は、基本的にご依頼いただけません)

知っていただきたいこと

  1. ここに書いているのは、主に2020年4月9日現在の情報です。今日以降の情報で「間違っている」と判断されることもあります。
  2. 雇用調整助成金の受給は、支給申請後1か月から2か月は掛かります。とくに初回の申請時は、より一層時間が掛かると心づもりしてください。
  3. すでに、初回の計画届などの書類を提出後の代行依頼・役所対応・ご相談は受けかねます。
  4. このブログ記事に基づいてご依頼いただけるのは、掲載日から5月末までです。
  5. 弊所・大阪社労士事務所に、手続きをご依頼なさらない場合、このページに記載の内容はファンタジーです。

雇用調整助成金の手続きを依頼する >
(役所に届け出後は、基本的にご依頼いただけません)

労務相談顧問
就業規則の作成・変更・見直し


大阪社労士事務所

【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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