勤務間インターバル制度の実効性を高めるには

勤務間インターバル制度について、お客様から質問・相談を受けました。
↑ 本当は2週間ほど前にご相談等があったのですが、ブログ記事にしようとして時間が経ってしまいました。

すでに、働き方改革関連法は昨日・29日午前の参院本会議で可決、成立しました。勤務間インターバル制度は、その中の労働時間等設定改善法に規定されている努力義務となっています。「事業主(会社)は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない。」

厚生労働省が、特設のウェブサイトを作っています。
 勤務間インターバル特設サイト(外部サイトに飛びます)

で、肝心の質問です。
お客様から「勤務間インターバル11時間」についての内容、11時間だと午後10時から午前9時でちょうど11時間に。この企業様の始業時刻は午前9時です。

そして、就業規則の規定をどうするのかという方向に。

厚生労働省のホームページに、基本的な規定がありました。

① 休息時間と翌所定労働時間が重複する部分を労働とみなす場合
(勤務間インターバル)
第○条 いかなる場合も、労働者ごとに1日の勤務終了後、次の勤務の開始までに少なくとも、○時間の継続した休息時間を与える。
2 前項の休息時間の満了時刻が、次の勤務の所定始業時刻以降に及ぶ場合、当該始業時刻から満了時刻までの時間は労働したものとみなす。

② 始業時刻を繰り下げる場合
(勤務間インターバル)
第○条 いかなる場合も、労働者ごとに1日の勤務終了後、次の勤務の開始までに少なくとも、○時間の継続した休息時間を与える。
2 前項の休息時間の満了時刻が、次の勤務の所定始業時刻以降に及ぶ場合、翌日の始業時間は、前項の休息時間の満了時刻まで繰り下げる。

③ 災害その他避けることができない場合に対応するため例外を設ける場合
①または②の第1項に次の規定を追加。
[追加の規定]ただし、災害その他避けることができない場合、その限りではない。

この企業様の始業・終業の時刻を出すより、仮に、始業時刻午前9時・終業時刻午後5時30分・お昼休憩1時間の1日の所定労働時間7時間30分の場合を例にしてみます。

規定例①の場合は、例えば11時間の休息時間が確保できるように、午後11時に仕事が終わった場合は、翌日10時出勤になる。始業から10時までの1時間は働いたものと見なす。

規定例②の場合は、上記と同じケースなら、始業・終業が午前10時から午後6時半までとなる。
(図が無くて、分かりづらいかも知れません。)

この企業様のご担当者様、なかなか鋭い、と言うか視点が違いました。
「②の場合、どんどん後ろに始業時刻が行くんですよね。休憩時間は一斉でないとマズイですよね。始業がお昼過ぎたら、どうしたら良いですか? 所定労働時間が深夜時間帯に掛かったら、やっぱり割増でしょうか? あっ、通常の始業時刻に来たら、早出残業になるとかですか?」
(えええっと、どれほど長時間労働、でも過去の事例を考えるとあり得ない話でもないので…。厚生労働省のモデル規定だけだと、不足しているのが分かります。60時間超の割増率を含め、割増賃金の部分は全面改定が必要かも知れません。)

続けて、そのご担当者様。
「○○市から来ている社員がいるんですが、片道1時間40分ほどなんです。駅からのバスがなくなると、うんぬんかんぬん~」
つまりは、11時間の勤務間インターバルだと、十分な睡眠が取れないのではないかという疑問が湧いてきたそうです。
(普段から、5時間以下の睡眠だと精神疾患や心疾患の発症割合が高くなるのを気にされている担当者様です。)

桑野「職場と住居が近い、職住近接で無いと勤務間インターバルの効果は感じにくいかと。それか、11時間の休息でなく、もっと長い12時間とか13時間に設定するとか。」
ご担当者様「職住近接、12時間、どっちも厳しいですね。」

大昔(10年以上前)に、借り上げ社宅を検討したこともありましたが、実現に至らず。逆に、通勤手当の上限を引き上げたり。当時の担当部長の一声で全て決まってしまい…。遠距離の社員が増えているのが、そのご担当者様の実感だそうです。

桑野「時間外労働等改善助成金という助成金も使えますけど。締め切りありますので、お早めにご決断を!」
ご担当者様「50万ですよね、専門家コンサルも良いんですけど。」

勤務間インターバル制度の実効性を高めるには、いくつかのハードルを越える必要がありそうです。
規定だけの勤務間インターバル制度の導入なら、簡単すぎますが…。

最後に、改めて書いておきます。
勤務間インターバル制度は、労働基準法でなく、労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法)で規定されている努力義務です。

長時間労働の是正や過労死の防止には、効果的だと思います。
導入のご相談、就業規則等周辺規定の変更などのご相談は、お気軽にどうぞ!


※守秘義務の関係で、一部脚色しています。


大阪社労士事務所

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