年次有給休暇未取得分の買い取りの取扱い

年次有給休暇の買い取りについて訊かれることが多いので、簡単にまとめておきます。
★お客様への案内用のメモですので、弊所・大阪社労士事務所のお客様以外は取扱いにご注意ください。

まず、年次有給休暇の未消化分の買い取りは違法です。時効分の年次有給休暇は、買い取りが事実上黙認されることもありますが、任意であり事業主(企業、会社、経営者)の義務ではありません。

退職時に取得できなかった年次有給休暇

まず、取得できなかった年休の買い取りは事業主の義務でもなければ、従業員・社員の権利ではありません。年休の取得は従業員・社員の権利ですけど。

あくまで、事業主の判断で行われるものであり、買い取り請求があったとしても応ずる義務はありません。

買い取りの単価は、任意です。日額相当、平均賃金など法の規制は掛かりません。もともと年休の買い取りは本来的には認められないので、そのためです。「1日あたり5千円」で支払ってもOK。

退職時に未消化の年次有給休暇を買い取った場合は、労働の対償ではないので退職所得となります。退職所得の申告書も必要になりますので、顧問税理士の先生に連絡を取ってください。

大阪社労士事務所・年次有給休暇未取得分の買い取りの取扱い

在職中の取得できなかった年休の買い取り

時効(現時点では2年)となった年次有給休暇は、買い取りすることが可能です。ただし、事業主の任意ですので、買い取り請求に応ずる必要や義務はないと言えます。

あくまで、年次有給休暇は取得してもらうことが目的であり、買い取りは取得を抑制するとされているためです。そのため、就業規則や賃金規程に「年休の買い取り」が明文化・規定化されている場合や、慣行として年休の買い取りが行われている場合は、年休の取得抑制につながるとして、良い状態ではありません。とくに毎年買い取りが行われているのであれば、取得抑制されているのと同じ状態ですので…。
労働基準監督署の調査があった場合、規定化されているときには是正勧告が出される可能性があります。)

買い取りの単価は、退職時と同じく自由です。

税法や社会保険の扱いについては、あえて書きませんが、本来は労働の対償ではないので、、、、、
賞与として処理すると表向きはキレイになります。社会保険料は掛かってきます。

5日以上の年次有給休暇取得義務

退職前であっても、5日以上の年休は取得させる必要があります。

理屈の上では、(2年前:20日ー5日)+(1年前:20日ー5日)=30日が買い取りの最高日数になるでしょうか。

在職中であれば、1年15日が最高日数です。

ただ、年次有給休暇の付与の目的を考えれば、買い取りよりも別の方法を考えた方が良いような気がします。買い取りをしている企業様の場合、取得しにくい雰囲気がある、取得に対して悪い評価を与えられる、などがあるように思います←経験上。残業代の未払いも多い印象です…。

長期雇用が前提であれば、失効年休の積立制度の導入が簡単です。

年休買い取りをやめると不利益変更?

そうです、確かに時効分や未取得の年次有給休暇の買い取りを行っていたのをやめると、労働条件の不利益変更に当たると判断されることがあります。

ただし、そもそも、、、、、ですので、即=不利益変更とも言いにくいでしょう。

買い取りが規定化されているケース、慣行となっているケースでは、事実上の年休取得抑制になっているかも知れません。

「そうは言っても、なかなか年休取ってもらわれへんねん。」
「人手不足やから、公休だけでガマンしてもらっています。」
そして、言われるのが、
「桑野さん、今度○○さんが退職するんで、未取得の年休、いくらになるか計算しといて。」
です。そう、弊所・大阪社労士事務所のお客様の某企業の社長様、優しいんです。年休使えなかったから、お金に換えてあげて、と。

ちなみに年休の買い取り、従業員・社員から請求があって事業主が拒否しても、労働基準監督署では対応していただけません。そういう問題なんです。
(年休を5日取得させてもらえなかったと言えば、労基署は対応します。が、従業員・社員のお金にはなりませんけど。法定を超える分は、このページの記事は関係ありません。)

ちなみに社会保険労務士は、違法な年休の買い取りでなければコメントすることはできませんし、お客様にも要らぬアドバイスはしていません=私桑野は。

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年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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