だから、その36協定で土曜日出勤はダメ
働き方改革が、本格的に始まって、丸8か月ほど。やはりご相談の割合として多いのは、「年休5日(以上)取得義務化」です。が、中小企業にとって重要なのは、年休5日と同時に、残業規制です。
最初に書いておきますが、36協定や労働時間制度の誤解が多いです。
時間外労働の上限規制
原則として月45時間・年360時間まで
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合
●年720時間以内
●2~6か月を平均して月平均80時間以内(休日労働を含む)
●月100時間未満(休日労働を含む)
中小企業様は、来年4月から、この上限規制が適用されます。
(厳密には、36協定の有効期間開始が4月以降で適用)
土曜日に出勤させると、時間外労働になります
週休2日制で、「土曜日・日曜日が休み」が前提です。それ以外で、週休2日なら適宜読み替えてください。なお、日曜日を法定休日(週1日の休日)とします。
大事なことは、土曜日に出勤させると、休日労働ではなく、時間外労働になります。
所定労働時間が1日8時間・週40時間の場合
土曜日は、まるまる時間外労働です。
法定労働時間の1週40時間をウイークデイで使い切っていますので、土曜日に出勤させると休日労働ではなく、時間外労働になります。
所定労働時間が1日7時間30分、週37時間30分の場合
週40時間まで2時間30分余裕があります。
が、平日に2時間30分以上残業をさせると、土曜日はまるまる時間外労働になります。平日に全く残業がない場合であっても、土曜日にフルタイム勤務させようと思うと、2時間30分が週40時間までの法定内残業、5時間が時間外労働です。
36協定届の書き方、土曜日問題
所定労働時間が1日8時間・週40時間の場合で、ウイークデイに2時間残業させることがあり、たまの土曜日にも10時間(所定相当分+時間外)働かせることがあるなら、36協定には「1日2時間」でOK、これは1日の法定労働時間を超えて働かせる時間数なので。
(過去には、違う表現をしていました。失礼しました。)
所定労働時間が1日7時間30分、週37時間30分の場合も、基本的に同じです。
パターン別、休日の設定・36協定の書き方
残業、休日出勤がない場合
36協定は不要です。
残業が月30時間以下
原則通りの、年360時間までですので、月は45時間でも30時間でも、お好きな方でどうぞ。
残業が毎月45時間以下(30時間では無理!)
特別条項付きで、月45時間・年540時間に。いつ、特別条項を適用するのか分かりにくいので、適用月は月60時間でも良いかも知れません。
土曜日出勤が、月に1回か、年に何回かある
振替休日を利用するのも良いのですが、「土曜日を法定休日」に設定します。就業規則で明示、または変更の手続が必要です。
土曜日を時間外労働でカウントさせずに、休日労働でカウントします。個人的に、労働条件の不利益変更には該当しないかと。
もっと働かせたい
月60時間超の残業を発生させないようにしたいのですが…。ここには、書きません。
(基礎からわかる三六協定/清文社から引用しています。)
http://www.skattsei.co.jp/shosassi/data/68448.html
だから、今までの36協定は間違っています
もう一度、36協定届をお手元に見直しをしてください。
また、法定休日を設定しない場合は、労働基準監督署や裁判所の都合の良いように判断される可能性があるので、設定した方が良いと思います。裁判所の判断は、揺れていますし。
法定休日の規定ですが、「日曜日を法定休日とする」という規定がある場合は分かりやすいです。が、「4週4休で、労働があった場合うんぬん」という規定の場合は、「労働があった日を法定休日とする」というような方向へ変更した方が良いかも。要するに、割増賃金の10%分を節約する規定ですので、変更・見直しの対象とした方が良いでしょうね。
(大雑把でスミマセン。貴社の就業規則・賃金規程などをご確認ください。)
時間外労働・休日労働を削減するには
突発的な事情もあるでしょうし、展示会やショウの関係で、土曜日曜の出勤などもさせる必要がある場合も、当然考えられます。
一番は、経営者様・社長様からの通達、社内告知です。これに優るテクニック(!)はありません。
それ以外でも、色々あります。
- 制度
- 労働時間制度の見直し、各種制度の適用
- 標準化マニュアルの作成
- 業務
- 業務改善、業務改革
- 業務のグループ化、チーム化
- IT化
- 人材採用、定着促進策
ご相談は、お早めに
弊所・大阪社労士事務所では、労働時間に関する無料相談は行っていません。企業様のご事情を理解する必要があること、適法適切な労働時間設定・労働時間制度や36協定をご案内する必要があるからです。
労働時間の短縮や時間外労働の削減になることには、少しでも、できることはお手伝いしたいと思います。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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