アウトソーシングは、何のために
アウトソーシングとは、外部資源を活用することです。
企業内では、コア・コンピタンス(簡単に言えば、本業や儲けを生みだす事業)に注力する、それが現在ではアウトソーシングの目的です。
ここでは、社会保険労務士が関係する総務・人事労務のアウトソーシングを取り上げています。
管理部門のうち人事労務分野は、専門知識を持った人材がいない、内部でできにくい業務である、給与計算のように一時的に集中する業務である、などの理由で、最もアウトソーシングをしやすい分野・部門と言われています。
アウトソーシング前の検討
検討すべき事項は、次のとおりです。
- 何にために、アウトソーシングをしますか?(目的)
- コア・コンピタンスへの経営資源の集中
- 経費削減
- 経営方針・経営戦術
- 専門の人材が不足
- 内部では対応ができない事項
- アウトソーシングの予算は、いくらですか?
- 人材育成・新たな人材の確保で、対応することは不可能ですか?
- アウトソーシングの種類は、派遣社員での対応を含みますか?
アウトソーシング前のチェック
従業員数100名未満の企業様では、効果が見えにくい場合がありますが、チェックをお願いします。
賃金体系は、シンプルですか?
- 複雑な賃金体系、諸手当が多い、出勤に連動する手当が多い、などは給与計算の手間を増幅させます。賃金体系の見直しは、非常に有効です。
給与計算ソフトは導入していますか?
- 従業員数1000名までなら、市販のアプリケーションで十分です。断言できます。特殊な給与形態であったとしても、市販アプリで対応できます。
給与計算時期だけ、別態勢を取っていますか?
- 給与計算の締めきりから振り込み手続を終えるまでは、管理部門の従業員は総出のつもりで対応することが必要です。
現物給与は、ありませんよね?
- 現物支給の通勤定期券は、よほどのことがない限り、しないでよいはずです。
勤怠集計のツールは、検討しましたか?
- パートタイマー、アルバイトなど、いわゆるフルタイムで働かず、時給や日給で給与を支払う従業員が多い場合は、タイムカード連動式の給与計算ソフトや、ICカード式の勤怠管理を検討しても良いでしょう。
部門毎の集計に、意味はありますか?
- 部門毎の賃金、事業所毎の賃金を計算する割には、そのデータ自体投下した労働量に比べ、使用されていないケースが少なくありません。
社会保険や労働保険の手続きは、郵送ですか?
- 多くの公的保険(社会保険)の手続きは、郵送や電子申請でできます。3月4月に職安に書類を提出に行くと、待ち時間だけで2時間3時間かかることもありますが、郵送などに切り替えませんか。
社会保険の管理ソフトを使用していますか?
- 安ければ10万円程度から、社会保険・労働保険の業務管理ソフトが購入できます。社会保険労務士でなくても購入できますので、即使うべきです。
時間単価を考えて、業務にあたっていますか?
- 時間単価の高い「課長」「部長」時には役員が、ルーチンワークをしていて良いはずがありません。逆に言えば、ルーチンワークの多い役職者は、問題社員かも知れません。
アウトソーシングの見積もりは、予算明示で!
- 「予算を言えば、上限額に張り付く」と思うかも知れませんが、積算根拠を提示してもらえばよいのです。積算根拠がない見積もり自体存在しないでしょうし、根拠があれば、合理的に値切ることができます。
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