「国家公務員の定年延長時、現役時の7割」の秘密

お盆休みの前に、このような報道がありました。

日本経済新聞2018/8/3から引用

公務員の定年延長 給与7割水準
人事院、国会と内閣に申し入れへ

 人事院は現在60歳の国家公務員の定年延長に向け、60歳以上の給与を50歳代後半の水準から3割程度減らす方針だ。8日に国会と内閣に申し入れる。政府は定年を2021年度から3年ごとに1歳ずつ上げ、33年度に65歳とする方向で検討する。段階的な引き上げに備え、人件費を抑える。60歳の定年が多い民間企業でも公務員の基準を参考に見直しが広がる可能性がある。

 人事院が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基に60歳以上を正社員として雇用する民間企業で働く正社員の年間給与水準を比較したところ、60歳代前半の社員は50歳代後半と比べて平均で3割程度低いことがわかった。民間の水準と合わせ、60歳以上の国家公務員の給与も3割減に設定する。政府は19年の通常国会にも関連法の改正案を提出する。

 現在は次官など一部の役職を除いて、国家公務員は60歳で定年を迎える。希望すれば退職後、1年ごとの更新で65歳まで働ける再任用制度があるが、給与は現役時代から半減することもある。
(中略)
 定年の延長は、公務員の年金の支給開始年齢が25年度にかけて段階的に65歳に引き上がることに合わせた措置だ。人件費の膨張を抑えながら、高齢化や年金制度の見直しに対応する。

実は、お盆休みに入る前の先週、お客様から定年後再雇用時の賃金設定について、相談があったところです。別のお客様からは、この「7割」の意味についても質問をいただきました。こういう内容について、お客様は敏感です。

人事院が賃金構造基本統計調査をどのように判断したのかは、書けません。でも、お客様からは、「桑野さんは、再雇用時の賃金は、いつも5割6割で良いと言っていたけど、7割って少し高いね」という趣旨のことを言われました。

大阪社労士事務所・「国家公務員の定年延長時、現役時の7割」の秘密

で、この「7割」の説明。
しつこいのですが、人事院や厚生労働省の調査・判断は置いといて…。

定年時の給与の6割に、高年齢雇用継続給付の15%を合わせれば、69%。約7割です。今、60歳では通常特別支給の老齢厚生年金は受給できませんので、これで良いかと。素直に、7割にすれば解決?問題のすり替えとか、知りませぬ。

解決した!
いえいえ、少なくとも、次の項目は確認しておきましょう、再雇用時に給与水準を下げるのであれば。つい先日の労働契約法20条を取り上げた最高裁の判決のこともありますので、多少とも同一労働同一賃金を意識したいところです。

  • 職務内容を変える、分量を減らすことも
  • 役職をどうするのか、外すのも要検討
  • 果たしてフルタイム・フルデイの勤務が、再雇用者の希望なのか
  • 諸手当の整理・見直しは必須(正社員・定年後再雇用者で、諸手当の支給に差がある場合)

単純に月例賃金を6割にするだけでなく、こんなヒントもご参考に。

  • 賞与で、年収を調整する。時給換算で考える。
  • 週4日勤務(週32時間勤務:一例)、短時間勤務(週30時間=6時間/日×週5日:一例)なら、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入できる。専業主フが60歳未満なら是非。
    (額面で妥結できない時には、時間数で調整・協議してみては。)

そして、高年齢雇用継続給付は所得税非課税。
書き忘れていましたが、正規の国家公務員は雇用保険の加入資格がありません。高年齢雇用継続給付を受給できるのは、一般には民間企業に勤める従業員だけです。

「現役時の7割」を理解してもらうのに近い理屈は、作れたかと思います。

仕事と給与のバランスが重要になってきます。
はい、無茶はあきません。仕事の見直しをするからと言って、今まで蓄積された技能・経験・スキルを無視したかのような職務への変更は、高年齢者雇用安定法の趣旨にも反するのではないでしょうか。月例賃金50万円だった方を、最低賃金で雇用することも問題になりやすいかと。

過去に30年も40年も会社に貢献してこられた方を定年後再雇用する際には、敬意は必要だと思います。

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