限度基準を超えて締結できるの?36協定

働き方改革も含め、人事労務全般の見直しを行っている企業様に伺いました。現在、サポートや相談のできる社会保険労務士事務所を探しているそうで。弊所・大阪社労士事務所が、トップバッターのようです。

色々話を伺っていると、36協定の話に。
で、某全国紙の切り抜きを持ってこられました。
「いろいろ調べていたのですが、月100時間とかで届け出できるんでしょうか?」

建設業が限度基準の適用除外になっていることは念のため説明。他の業種の企業・団体については、「できますけど」と答えましたが…。

チラッと、この企業様の36協定届を拝見すると、これまた厚生労働省のリーフレット通りの延長時間「1日3時間、1カ月45時間、1年360時間」と記載。担当部長になってからは、変更もなく、以前のままの時間数で提出しているとのこと。建設業ではない非上場企業様です。

●限度時間の基準を超えて36協定は締結できる。その内容で36協定届を提出することもできる。例えば、延長時間1日15時間・1月75時間・1年900時間。
●ただし、労働基準監督署の窓口で「限度基準を超えていますが」と指導される。限度基準は法律ではないので…。
●受理はされるが、そう遠くない時期に労働基準監督署・監督官の調査が入ることは目に見える。

大企業なら、調査・臨検があったとしても他のチェック項目で労働基準法違反などを指摘される可能性が低いので、限度基準をあえて超えて協定することもある(ようです)。

中小零細企業が、同じことをすると、調査・臨検でボロボロとあれもこれも悪いところを指摘される(是正指導)ので、できるだけ限度基準の範囲内で協定を。
 ↓
延長時間を超えたら、労働基準法違反。
特別条項付きでは対応できない場合も。
 ↓
限度基準を超えた延長時間で協定すると、調査・指導の対象に。
結果として、いろいろと法違反を指摘される可能性が大。
 ↓
やはり、限度基準の範囲内で、延長時間を決めるのがマシ。
 ↓
特別条項を付けても、結構恒常的に超えてしまう…。

「でも」とループ状態です。
もっとも、この企業様は、ほとんど残業はないそうです。あっても、1日に1時間あるかないか、だそうです。単純な疑問からのご質問でした。残業が多かったとしても、社会保険労務士としては、限度基準の範囲内か特別条項を付けての協定をおすすめしましたが。
(厚生労働省・労働基準監督署の立場は、時間外労働はあくまで「一時的・臨時的」であって、「慢性的・恒常的」なものはアカンと言うことのようです。)

労務相談顧問のお仕事をご依頼いただけるのかどうかは分かりません。他の社会保険労務士事務所は、別の見解や意見を言うかも知れませんし。
もちろん、皆さんの好きな「相性問題」も。

労働コンプライアンス支援でもお手伝いできますね。

※守秘義務の関係で、一部脚色しています。
 実は、このご質問の内容が分からないと、今議論されている上限720時間規制の意味が理解できないかと思います。良い質問をいただきました。これで、お仕事もいただければ、なお結構なのですが。

※追記:平成30年3月23日(金)
念のため、別件で伺った大阪府内の某労働基準監督署の相談員さんに質問してみました。限度基準を超えている旨伝え、訂正してくるように指導する。どうしても受理して欲しいと言った場合は、労働基準監督官と相談し受理する。「限度基準を超えている~」ゴム印を押す。その後どうなるのかは…。


大阪社労士事務所

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