休職を発令した方が良いのか

お客様の担当部長から電話。
「休職させた方が良いのか、判断で悩んでいる。知恵を…。」

守秘義務の関係があるので、詳しい状況は書けませんが、大まかな状況はこのような感じ。

  • 従業員数は、100名未満
  • 診断書を持参してきた
  • その際には、配偶者(奥様)が同席

勘の良い方ならハハーンと思われたでしょうが、「ウツ状態」の診断内容であったとのこと。

なぜ奥様が同席、付いてこられたのか?
担当部長も直接聞いたわけではないので、あくまで憶測ですが、解雇されないように、それが心配だったようです。

「診断書」を提示したからと言って、即解雇するようなことは、こちらの企業様に限らず、多くの企業様では「欠勤→休職→復職or退職」の手順を踏むのではないでしょうか。

担当部長・担当課長も、そのあたりを説明されて、その上でのご相談の電話でした。就業規則の休職規定も十分ご理解なさっています。ただ、休職規定だけで、休職命令を発令できるのか否か、と尋ねられれば、否。今回は、事前の欠勤もない状態でした。「会社が認めたとき」で発令できないことはありませんが、他にも確認することが。

私「その従業員様は、今後についてどう思われているのでしょうか。」
担当部長「私が話した感じでは、どうも…。」
続けて、「奥様が辞めて欲しくないし、解雇とかになるんじゃないかって心配をされています。欠勤、休職も説明はしましたが。」

私「お話しできる状態なら、もう一度、確認された方が良いですね。」
担当部長「課長に調整してもらいます。」

理屈では、規定を当てはめて休職を検討するわけですが、現実はこのような時間があるのを、企業の人事労務の担当者様であれば、ご存じでしょう。「○か月の自宅療養を要す」の診断書を持ってきた従業員の普段の言動も、実際には影響します。

社会保険労務士ができることは、「休職・復職に関する規定を作ること」「休職か否かの判断のアドバイスをすること」「休職期間中のサポートの方法・復職に向けたアドバイスをすること」「休職に関する書式の整備」でしょうか。
(従業員数が100名様に満たない企業様では、職場復帰プログラムを作成して、その通り実行すること自体が良いではありません。)

担当部長からも、質問があったので。ざっと。

  • 休職
    会社が命令して、従業員を労働に従事させない状態
  • 欠勤
    主に従業員の事情で、勤務を欠いている=労働を提供していない状態

このまま、欠勤とさせるのか、休職を発令するのか。
アドバイス&判断材料は提供しましたが、ここから先は人事労務のご担当者様の出番です。

企業の側・従業員の側、双方にとって良い結果となりますように。


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