就業規則に、問題になるかもしれない規定を載せる

皆さまの就業規則に、無断欠勤時の取扱いについて規定されているでしょうか?

「○日以上無断欠勤なら、自然退職するように変更済みですよ。」
「規定はないけど、無断欠勤は○日で退職扱い。」(ちょっとどうでしょ?!)
「無断欠勤時は解雇ですけど、何か問題?」

トレンドというわけではありませんが、○日以上無断欠勤なら自然退職とする取扱いがここ10年20年の主流でしょうか。無断欠勤=解雇の規定になっていれば、就業規則を見直した方が良いでしょう。ただ、ベースが古いと想像できますので、就業規則含め社内規程全ての見直しを強くおすすめします。

就業規則の作成・変更・見直し

ここで「無断欠勤」一度も対象の従業員・社員に連絡を取らないまま、自然退職にするのは良いとは言えません。規定にあってもなかっても、自宅に訪問して在宅か確認する、緊急時連絡先や身元保証人に連絡をする、郵便物を送付する(本人受取限定)、可能なら電気メーターを確認する、SNSが分かっているならチェックしてみる、この程度は実行します。担当者のマニュアルとしてでも、控えておきたいところです。

ただし、解雇事由に該当する場合、懲戒解雇の事由に相当するような場合、解雇通知をしたい。が、無断欠勤で連絡が取れない。こういう場合は「公示送達」で意思表示しなさいと教科書には書いています。
(解雇するという意思が到達して効力が発生するからです。)

大阪社労士事務所・就業規則に、法令上問題になるかもしれない規定を載せること

公示送達、費用自体はそれほどではありませんが、時間が掛かる、実際にしたことがない→弁護士や司法書士に依頼する→結果として費用と時間が掛かる…。

「解雇じゃなく、自然退職の扱いにすれば良いのでは?」
企業様によっては、あるいは解雇・懲戒解雇の内容次第で、自然退職にできない、あるいはしたくない場合もあります。対外的な理由、退職金を全額支給したくない場合、いろいろあります。

そういう場合、
○緊急時連絡先または親族に連絡することによって、、、、、
という規定で公示送達に代えることはできるのか。

あるいは、解雇・懲戒解雇でなくとも、未成年者がいる従業員・社員が死亡してしまった場合、特別代理人を選任せずに(関係せずに)、例えば配偶者に死亡後の給与・賃金を支払うように規定できるのか。
(こちらは、大抵の退職金規程では、法定相続人が原則ですが労働基準法施行規則第42条等を準用して順位を定める場合が多いのでは。死亡時の賃金・給与については直接書いていないことが多いんですが、理由は分かりません。縁起悪い??)

法的あるいは教科書的に「こうしなさい」と書かれていることを、若干緩めて、変更して、ときには無視して就業規則等に規定しても良いのでしょうか。公序良俗には反しない程度で…、それ以前の問題ですか。

実は上記のような事柄についてある弁護士の先生の見解を伺ったところ、「訴訟になるようなリスクは低いので、現実的な規定を就業規則に載せても、ただちに無効になることはないのではないか」と。
(結構イケイケの弁護士先生ですが、リスク&費用の面で考えているらしいです。)

さあ、実際に規定するかはさておき、想定していない問題が発生すると、困りますねえ。

労務相談顧問
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