働き方改革関連法の成立で、就業規則の見直しは?
働き方改革関連法案が先月6月の下旬に成立、そろそろ、お客様などからお問い合せが、ポツポツ来ています。
(ポツポツですので、ざっと2社様ほどから。)
代表的なのが「これからどうしたら良いのか(対応)」、その次が「就業規則や賃金規程のどこを変更すれば良いのか」です。
就業規則・賃金規程等の社内規程ですが、前回の見直し・変更の時期がいつなのかで対応が変わります。直近の見直し・変更の時期は目安です。
- 平成29年10月以降
現時点で、変更等はありません。時間外60時間超の割増率50%以上の部分を賃金規程・給与規程に盛り込みたいのですが、自社の残業時間を考えた上で、変更対応をします。 - 平成24年9月頃以降
前回の労働契約法改正の「無期転換対応」を盛り込んでいるでしょうから、大幅な変更はありません。期間の延長やマタハラパタハラ防止措置などの育児介護休業法の改正対応ができていなければ、育児介護休業等規程の方で、対応します。 - 平成24年8月頃以前
65歳までの継続雇用義務化の対応を含め、全般的な見直しを行う方が良いと思います。
「これだけ~」
これだけです。
中小企業様にとっては、就業規則・賃金規程等の修正・見直しよりも、運用面・人事労務面での具体的な対応が必要です。
具体的には、次のことです。
- 時間外・休日労働の時間数等の確実な把握
原則(月45時間まで、年360時間まで)の時間外の上限で収まっているのかどうか。原則を超えると健康確保対策を36協定に明記するという情報も出ていますが、まだ省令(施行規則)が出ていないので断言できません。 - 年次有給休暇の日数の確認
年次有給休暇管理簿などで確実に取得日数・残日数を把握できるようにします。そして、年休を取得できるような職場づくりが求められます。「計画的付与」は即効性がありますが、企業様の実態が分からないとおすすめできません。
意外とよく質問されるのが、「副業・兼業」です。
厚生労働省のモデル就業規則の規定をそのままコピペするか、それとも現在の「副業兼業は禁止」「副業兼業は会社の許可がある場合のみOK」のまま行くのか、どちらでも良いと思います。
あとは、質問されませんが、法定休日をどうするのか。
小冊子「基礎からわかる三六協定」の中でもチラッと書いていますが、休日出勤が多い場合は、その休日が法定外休日なのか法定休日なのか。法定外休日なら場合によっては法定休日へ変更することも検討してください。割増率が35%以上になりますけど。
(週のとか、4週のうちの後の休日を法定休日にする、などの規定がある場合も、実態に合わせて見直しを掛けた方が良いと思います。)
働き方改革関連法の成立で何をするのか、何をすべきか。
就業規則・社内規程の見直しよりも、規則の運用や現場の人事労務管理の方が重要です。
省令(施行規則)が出ても、このあたりはそう変わらないはずです。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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