延着証明書の取扱いに悩む

お客様である企業の人事労務担当部長から、着信。
「ちょっと就業規則の運用で分からない部分があるので、打ち合わせのため、来社して欲しい。」

翌日伺い、担当部長からの質問。
「最近、阪急もJR、(大阪市営)地下鉄も事故が多いですよね。それで延着証明を持ってくる社員がいるけれど…。」
(私鉄の名前を出すと、場所が特定されてしまいますが、事実です。)

  • ある特定の社員だけ、事故の際、延着証明を持ってくる。
  • その延着証明書は、会社に着いてから、ネット経由でダウンロードして印刷している。
  • 他の社員は、事故があってもほとんど遅刻しないが、その特定の社員だけ遅刻してくる。最悪の場合は、1時間ほど。

私「なんで、他の従業員さんは遅刻しないんですか? 鉄道事故なら、皆同じ条件でしょ。」
部長「その人間だけ、普段から始業時刻ギリギリに出社しますわ。他の社員は20分前、30分前に来ますので、事故に遭っても間に合うみたいですね。」

もちろん、就業規則の「遅刻」の項目には、「延着証明があり、会社が認めた場合は、遅刻として取り扱わない」と規定しています。が、総務担当の社員さんは、延着証明があるので、自動的に遅刻の処理をしない。
(ノーワークノーペイの原則は、無視されまくりです。不可抗力とはいえ、何か何か何か…。)

私「でも、他の従業員さん、よく始業に間に合いますね?」
部長「そうですねん。他の社員は、間に合うように振り替え輸送とか、使うんですわ。そう言えば、タクシーで間に合わせた社員もおったわ。」

普段から始業時間の30分前に来いとは、社会保険労務士としては言えないので、別の方法を模索。
(経営者としては、必ずしも…、です。)

  • 延着証明は、ネットでダウンロードしたものは、不可とする。駅で配布しているものだけ使用可とする。
  • 鉄道事故などの不可抗力により遅刻した場合は、自席に着く前に、総務担当に延着処理を依頼する。
  • 総務担当は、無意識に延着処理をするのではなく、担当課長に伺いを立てる。伺いの基準は、遅刻○分以上とする。

これらを次回の就業規則の見直し時に盛り込むこととし、運用でカバー出来る部分から早速取り掛かることに。

本当に最近、阪急もJRも事故が多いですし、大阪市営地下鉄も御堂筋線がストップすることがたまにあります。御堂筋線なら振り替えとか別ルートとか、すぐに対応できそうなんですが。

その特定の社員さんの出勤が普段から始業時刻ギリギリだったので、かなり感情的にイヤだというのが、担当部長のお話から漂ってきていました。部長は、私より年上、始業時刻より30分前に来て当たり前と思ってしまう世代です。

延着証明を使うことが無いように、事故ナシでお願いします。


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