「合併するんですが、労働条件は?」
「今度合併するんですが、ちょっと相談に乗って欲しい。」
と、知り合いの、顧問先様ではない企業様の総務担当役員様から。
以前別件で、伺ったこともあるので、名刺交換等もさせていただいていました。知っていると、お互い気安いですね。
事実は、次のとおりでした。
- 合併の基本契約は済んでおり、合併の期日も決定している。
- デューデリジェンスは、一応終わっているとか。
- 労働条件については、ほぼ手付かずの状態である。
一番の問題点は何かというと、合併する2社の労働条件に大きな差(総務担当役員様の話によると)があり、それをどうすべきか悩んでいる。そのために、相談に乗って欲しいと言うことらしいです。
★合併に伴う労働条件の取扱いについての理論的な事項については、弁護士事務所さんなどのホームページで詳しく書かれていますので、グーグル検索してください。
いただいた質問は、たった2つ。
1.「合併後、正社員に別々の2つの就業規則を適用しても良いのか?」
合併するのが、A社、B社で、合併後はC社になります。存続会社はA社。元A社の社員にはA社の就業規則、元B社の社員にB社の就業規則を、合併後C社となった後に、それぞれ適用することは可能なのかと言うご質問でした。労働条件≒処遇・賃金給与面の差が著しいので、取りあえずしばらくの間は正社員向け就業規則を2つ存在させたいとか。A社の40歳時年収が700万円、B社が600万円と書けば、イメージしやすいでしょうか。
1.の答えは、「構いません。」。
適用範囲さえ明確にしておけば、たとえ「正社員」というくくりであっても、別々の就業規則を適用しても構いません。就業規則の届け出・備え付けは労働基準法通りです。
もう一つの質問が、こちら。
2.「労働条件の差を埋める方が良いでしょうか?」
労働条件の差をどうするのか、一般的には「高い方に合わせる」「中間」「低い方に合わせる」で、不利益変更も考慮しますが、どれにするかは企業様の経営戦略から導き出されるものだと思います。
「差は埋める方が良い」です。同じ仕事をしていて、年収換算で15%の差があれば、モチベーションやモラールの点からも良いことではないからです。総務担当役員様によると、「企業業績にもよるが、元A社の年収は下げられないので、元B社の年収をある程度上げざるを得ない」ご意向のようでした。
(年収差を埋める具体的なアドバイスは、ご質問もなく、していません。)
合併で、両社様が良い方向に進まれることを祈念します。
※守秘義務の関係で、内容は大幅に脚色しています。あしからずご了承ください。
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