「来年4月に通勤手当もアップしますなあ」で

ホントにいつも仕事をしていて思うのが、弊所・大阪社労士事務所のお客様は真面目だと言うこと。つい先日も、お客様との雑談の中で、、、、、
「桑野さん、来年4月に運賃アップしますねえ。近鉄なんて、10%以上上がるんでしょ!」

給与計算のご担当者にとっては、悩ましいことです。京阪神の公共交通機関を利用する従業員・社員の通勤手当が全部と言って良いほど変わる(アップする)訳ですから。

東京・首都圏に支店や工場をお持ちの企業様にとってもそれは同じ。
(なぜ、東京本社うんぬんを書かないかというと、東京周辺に本社をお持ちの企業様との取引がないからです。)

現時点で分かっている情報をザッと書いておきます。

  • 鉄道駅バリアフリー料金制度により運賃が上がる鉄道会社
    今までの運賃への上乗せ額
    • 阪急
      1か月定期=380円、3か月=1080or1090円、6か月=2050or2060円
    • 阪神
      1か月定期=380円、3か月=1080or1090円、6か月=2050or2060円
    • 京阪
      1か月定期=370円、3か月=1050or1060円、6か月=1990or2000円
    • 大阪メトロ
      1か月定期=380円、3か月=1080or1090円、6か月=2050or2060円
    • JR西日本(一部路線、環状線は含まれます)
      1か月定期=300円、3か月=900円、6か月=1800円
  • 運賃改定
    • 近鉄
      通勤定期は18%以上の値上げになるそうですが、詳細は近畿日本鉄道のホームページでご確認ください。

神戸電鉄、山陽電鉄も鉄道駅バリアフリー料金制度の利用により料金アップします。南海電鉄は、今日現在どうなってるのか知りません。

大阪社労士事務所・「来年の4月には通勤手当もアップしますなあ」で
(鉄道マニアの方なら、神戸線だと分かると思います。が私桑野が毎日事務所出勤時に使っているのは、箕面線+宝塚線です。)

来年令和5年4月の電鉄会社の料金値上げに関しては、分かっていることなので、あらかじめ手を打っておきましょう。対象の電鉄会社は関西ならほとんど全部ですので、鉄道利用者なら対象者は全員です。

ただ、1か月300円、370円、380円なので、社会保険の随時改定の対象にはなりにくいのではないでしょうか。
(定期昇給が4月の場合、月変対象になる可能性もあります。)

つい先日、ある企業の方とお話ししていたのですが、「通勤手当は先払いか後払いか」。後払い・実績払いで支払う方が面倒ではないのでは??? 4月に単純に鉄道駅バリアフリー料金制度で運賃がアップするだけではなく、通勤定期券の割引率が下げられることもあります。いっそ、出勤日数の実績払いが企業側の支出が抑えられるのかも。
(1か月18日ほどの出勤日が無いと、実績払いの方が良いかと。)

毎度書いていますが、大阪メトロであればPitapaカードでの利用で毎回10%引きです。

とりあえず、来年4月に京阪神だけでなく、首都圏のJRや私鉄の運賃がほぼほぼアップします。事前に準備しておいた方が良いと思います。今度の場合、対象者が多いですもん。マイカー通勤者以外全員かも知れません。

実際に通勤定期券を購入しているのか

例えば、6か月の通勤定期代を通勤手当として支給している場合、従業員・社員は本当に「会社が想定している期間の6か月定期」を購入しているのか。

自分毎ですが、過去にサラリーマンをしていたときは、ズレが生じていました。例えば、定期券の最終日が金曜日の時は、翌週の月曜日から始期になるように購入していました。2日間分儲かったわけです。

また、現在なら定期券はクレジットカードで購入できます。だいたい1か月程度は後払いになりますし、クレカのポイントも付いてきます。

来年4月のような値上げの場合は、その値上げ分の追加支払が必要にならず、取りあえずその定期券の最終日までは従来運賃で使えます。

※それ以前に、所定休日や年休使用日などで外出する際は、定期券を使いますよね。「私用だから通勤定期は使わない」そんな奇特な方に出会ったことは無いと思います。


追記:通勤手当の後払いとは

通勤手当の後払いで、一番ご理解いただきやすいのが、所定外賃金の支払と同じタイミングで支払うこと(と、勝手に想像しています)。時間外労働・残業代と同じで払えば、対象期間・支払期日も明確になります。

「通勤定期代の後払い?」
多くの企業では後払いなのではないでしょうか。電鉄会社やその関連企業を除けば、現物で定期券を渡すようなところは少ないかと思います。6か月定期の後払いは、さすがに聞きませんので、後払いではなく実質先払いです。
(クレカで一括購入、6回に分割して支払う方法があるそうです。個人的には、料金が高くなることを承知で区間指定を利用中。)

4月1日新規学卒者の新入社員だと、20日や25日にならないと通勤手当を受け取れませんから、後払いでも大きな問題とならないはずです。

確かに「定期代がないという社員がいますが、、、、、」とご相談を受けることもありますが、借金の体で渡しているようです。←ある顧問先様に訊いたところ「給与で通勤手当支払うまで、回数券などで来てるんじゃないか」「クレジットカードで購入できるので、そのあたり問題にならないのでは」と。

  • 入社初日から給与締切日までが丸1か月ないときは、実出勤日分を支払う。(17日や18日以上の場合は定期券代等で対応。逆に書くと、給与計算期間の初日に採用入社、締め日に退職を原則として運用する方法もあるのでは。)
  • 次回の給与締切日からは、定期券代等を支払う。(6か月定期でも最初はどうする?15日以上でマージンを取るとか。)

通勤手当の完全後払い、いかがでしょうか。

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