基礎からわかる36協定、働き方改革対応の編
小冊子「基礎からわかる36協定」(基礎からわかる三六協定)
ご質問があったのが、働き方改革法に対応しているのか、どの部分が変わっているのか、教えて欲しいというもの。昨年2018年の5月1日、丁度1年前に上梓しました。
出版社(清文社)のページは、こちら。
http://www.skattsei.co.jp/shosassi/data/68448.html
働き方改革対応の改訂版は、出ないと伺っております…。
ただ、書いたようにご質問をいただいていますので、ざっと働き方改革法の実施に伴う変更点をざっと書いておきます。
働き方改革・労働基準法改正のポイント
時間外労働の上限規制に関する部分です。
- 時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなります。
- 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、次のとおりにする必要があります。
- 時間外労働・・・年720時間以内
- 時間外労働+休日労働・・・月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
- 原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。
- 法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断されます。
- 大企業への施行は2019年4月ですが、中小企業への適用は1年猶予され2020年4月となります。
上限規制の施行に当たっては、経過措置を設けています。
施行に当たっては経過措置が設けられており、2019年4月1日(中小企業は2020年4月1日)以後の期間のみを定めた36協定に対して上限規制が適用されます。2019年3月31日を含む期間について定めた36協定については、その協定の初日から1年間は引き続き有効となり、上限規制は適用されません。
(ここまで厚生労働省のパンフレットから引用)
少し見にくいかも知れませんが、中小企業においては、今年度(令和2年3月31日までに有効期間が始まる36協定)は、考え方としてはお手元の「基礎からわかる36協定」で十分対応いただけます。
ご安心ください。
働き方改革対応の内容
ざっとまとめています。お手元に「基礎からわかる36協定」がない場合は、なんのこっちゃ状態になるかと思います。
- 7 36協定で決めること
17ページ⑤
本文:一定の期間は、「1か月」と決められた。
表<時間外労働時間の上限(労働基準法第36条第4項)>
通常の従業員の場合 1年変形の従業員の場合
1か月 45時間 42時間
1年間 360時間 320時間
⑥2行目
削除:ちなみに、有効期間は最長でも3年間です。
- 9 36協定届の書き方
21ページ⑥
1日を超える~ → 1か月、1年間は時間外労働時間の上限を超えないように設定します。
21ページ 様式第9号(第17条)
36協定届の書式は変更されました。基本的な書き方は、従前の書式と同じです。令和2年4月以降の期間のみを定めた36協定届は、新書式での届け出で行います。
新36協定届の書式は、厚生労働省ホームページを参照ください。
- 15 36協定があれば/時間外労働させ放題?
32ページ見出し下
限度基準が → 労働基準法で上限が
表見出し
<限度基準で定める限度時間>(抜粋) → <時間外労働の上限>
表下1行目
限度基準では → 労働基準法では
33ページ「上限を超えて残業をさせることはできません」3行目
1日を超えて3か月以内の期間 → 1か月
- 19 限度時間の適用が/除外される場合
40ページ見出し
限度時間の適用が除外される場合 → 時間外労働の上限が適用除外される場合
見出し下(枠内を書き換え)
□上限時間の適用が5年間猶予される事業・業務があります。
①建設事業
②自動車運転の業務
③医師
④鹿児島県・沖縄県における砂糖製造業
□新技術・新商品の研究開発業務は、上限規制の適用が除外されています。
建設業も限度時間が適用される!?
この部分「建設事業は5年間上限規制が猶予されるが、5年後に上限規制は適用される。一部例外あり。」旨、書き換え
41ページ
自動車の運転業務も限度時間がなくなる!?
この部分「自動車の運転業務は5年間上限規制が猶予されるが、5年後に年960時間以内の上限を適用される。一部例外あり。」旨、書き換え
- 20 限度時間の例外があります
42ページ見出し
限度時間の例外があります → 時間外労働の上限規制の例外があります
42ページ(4)1行目
(1日を超えて~、 → (1か月、
43ページ 特別条項付き協定の届出方法
1行目と2行目を削除、次の文章に置き換え
特別条項付きの36協定届は、通常の36協定届とは書式が異なります。厚生労働省ホームページに特別条項付き36協定届の書式が掲載されています。
43ページ「働き方改革」で、上限720時間規制が検討されています
この部分、法案が成立し施行されていますので、読み替えてください。
まとめ
ある団体様が、小冊子「基礎からわかる36協定」を使って時間外労働の上限規制に関するセミナーを開催されるため、出版社の編集担当者を通じてご質問をいただきました。まあ、セミナー講師なら、この程度のことはお分かりかと思いますが…。
弊所・大阪社労士事務所でも、今月以降数件「働き方改革の実務対応」と言うことで、セミナー講師の派遣依頼をいただいています。
「年休5日(以上)取得義務化」も、「時間外労働の上限規制」も、講師によって右にも左にも講義・説明することができます。が、まずは、顧問社会保険労務士の先生にご相談いただくのが良いと思います。
弊所・大阪社労士事務所の場合は、実現可能な方法での対応をアドバイスしています。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。
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