法定項目以外の健康診断を実施する
ITコーディネータの方のセミナー受講中にお客様から電話。
「定期健康診断を受けさせるんだけど、同意書がありますかって言われました。」
(そういうニュアンスだったと思います。)
私「それって、法定外の項目も受診させてるからじゃないですか。」
と言うことで、通じました。
(うろ覚えの何とか、です。)
平成29年5月施行の改正個人情報保護法で必要になった部分です。とりあえず、加入している有料の人事労務系情報サイトを3つほど調べましたが、「同意書」「利用目的」では検索できず(と言うか、産前産後休暇や育児休業関係の書面が出てきましたが…。検索の仕方が悪かったのかも。)。
ネットで検索してみましたら、まず出てきたのが経団連さんのウェブです。さすがにまとまっていて分かりやすいです。
で、経団連さんのウェブからの一部引用です。
引用元↓↓
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2017/0101_13.html
1.定期健康診断の実施にかかわる影響
労働安全衛生法は、事業者に対して労働者への医師による各種健康診断の実施を義務づけている。ここでは、定期健康診断(同法66条、同規則44条)を例に実務への影響を考えてみる。同法に従って健康診断を実施しようとすると、個人情報保護法上は、(ⅰ)定期健診結果が要配慮個人情報に該当するか(ⅱ)要配慮個人情報の取得の制限があるか(ⅲ)要配慮個人情報の提供の制限があるか、という3つの判断が求められる(図表1参照)。
まず、定期健診は医師によって行われる健康診断であるから、その結果は要配慮個人情報に該当する(個情法2条3項、施行令2条2号。(ⅰ))ところ、定期健診結果から健康診断個人票を作成し保管する義務がある(労衛法66条の3)ため、事業者は必ず要配慮個人情報を取得することとなる。この取得にあたり本人の同意を必要とするかであるが、健康診断個人票の作成・保管義務のなかには、要配慮個人情報を取得する行為が含まれ、法令に基づきこれを取得するものであるため、同意は不要である(個情法17条2項1号。(ⅱ))。そして、定期健診結果は、所管労働基準監督署に報告しなければならない(労衛法100条)ことから、要配慮個人情報(個人データとして取り扱われる場合に限る)の第三者提供を行うこととなる。これについても、報告に伴う要配慮個人情報を含む健診結果の提供は、法令に基づくものであるため、本人同意は不要である(個情法23条1項1号。(ⅲ))。
このように、定期健診に関しては、要配慮個人情報を取り扱うこととはなるが、労衛法の定めをもって、これまでと同様の実務運用によることができる。
ただ、ここまででした。
法定項目の定期健康診断ならとくに問題は出てきませんし、就業規則でも包括的に個人情報の利用目的について規定しています。が、法定項目外の項目についての「要配慮個人情報」の利用目的通知書・同意書が出て来ません。ネットの検索結果には出てきたのですが、いつも利用している有料サイトとは別。
近所の大阪市立中央図書館に行って、改正個人情報保護法の書籍を借りてきて目を通しました。が、必要な情報は出てきません。個人情報保護規程などは、見ての通りいくつも出てきましたが。改正個人情報保護法の関係のセミナーには何度か参加しましたが、その時のレジュメや資料を復習しましたがあまり役に立ちませんね。
(右側の黒いのは、インクジェットの複合機です。)
もう一度、同じ図書館に行き、今度は雑誌を探しました。
人事労務系、労働系、総務系のめぼしい雑誌を一通り見てみましたら、ありました「同意書」。ちゃんと法定項目以外の項目の健康診断についても、記載がありました。
「要配慮個人情報の利用目的通知書兼同意書」という表題ではなく、フツーの「同意書」でした。
何を書いているのかというと、法定項目以外の項目に関する健康診断の結果を健康管理・健康教育などのために利用するので、同意して下さいね~という内容です。そのまんまです。人間ドックなんかにも使えます。
何事もチャンとしたいというご意向のある顧問先様でしたので、横着をせずに、同意書を作成(入力するだけですが)して、メールで送信。就業規則での包括的な同意ではなく、チャンとしました。
(もしかしたら、私自身が勘違いをしているかも知れませんが。)
顧問先様ならではのサービスです。
スポットのご依頼では、この手のご相談ご依頼は、料金もさることながら、いや先ず料金の心配をしてしまいそうです。
ちなみに、検診センターによれば、「要配慮個人情報の利用目的通知書兼同意書」のひな形を配布しているケースもあるそうです。
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