間接業務の集約化の注意点

大手企業では、間接部門を集中的に処理する子会社の設立や集約化が加速しているようですね。(日経新聞 平成19年11月18日付)

財務諸表作成などの経理業務がメインだそうです。

で、東証や機関投資家の方にも聞いていただきたいと思います。

間接部門を、子会社などに委託、集約する場合、法令違反となる場合があります。

たとえば、
経理業務、決算書類それ自体は誰が作成しても良いらしいのですが、税務申告書類、法人税の申告書を子会社で作成すると税理士法違反のおそれがありるようです。(税理士の先生に確認しました)

登記業務も同じ。特許や商標などの知的財産権の申請書作成も同じ。
それぞれ、司法書士、弁理士の資格を要し、例え子会社だと言っても、別法人の書類作成をすることが許されないとか。

また、給与計算業務は、一連の中で「賃金台帳」の作成は、社会保険労務士法に抵触するおそれがあります。なぜなら、賃金台帳は労働基準法で求められている書類で、調製が可能なのは社会保険労務士法上社会保険労務士だけです。

もちろん、年末調整後の法定調書合計表は税理士記入欄があることでも分かるように、外部に出すなら税理士の先生だけしか作成できません。

内部統制以前に、各法律をよく吟味しなければ、「子会社だから良いのだ」とは言えないと思います。業務プロセスうんぬんの前に、「その業務をアウトソーシングするのに、受託資格はあるのか」の確認も是非お願いしたいと思います。