障害者を雇用するために

障害のある人も、会社で働くことを望んでいるが多くいます。
障害のある人が、障害のない人と同じように、その人の適性や能力に応じて働くことができる社会(ノーマライゼーション)の実現が求められています。

障害者雇用促進法が改正になり、障害者雇用納付金制度の適用が中小企業にも拡大されることになりました。これを機会に障害者雇用に取り組む会社もあることでしょう。

障害者とは

障害者雇用促進法」では、
●身体障害者手帳に記された等級のうち1~6級の身体障害および7級の障害を2つ以上重複して持つ人、
●あるいは療育手帳などが交付されているか、知的障害者判定機関により判定された知的障害者、
●精神障害者保健福祉手帳が交付されているか、総合失調症、そううつ病またはてんかんにかかっている人で、症状が安定し就労が可能な精神障害者、
などをいいます。

  • 障害者手帳
    生活面や雇用面の支援制度を利用しやすくするために、身体障害者であることを証明する手帳を「身体障害者手帳」といいます。
    障害の部位ごとに、障害の程度が等級で表されています。
    同じように、知的障害者には「療育手帳」または「愛の手帳」があります。名称は自治体により異なっています。
    また、精神障害者には「精神障害福祉手帳」があります。
  • 障害者雇用納付金制度
    障害者納付金制度とは、障害者の雇い入れに伴う作業施設や設備の改善、職場環境の整備などを行う会社と、障害者の雇入れを行わない会社との経済的負担のアンバランスの調整を図ったり、障害者を雇用する会社に対して助成や援助を行ったりすることにより、障害者の雇用の促進と職業の安定を図るために、障害者雇用促進法に基づき設けられた制度をいいます。
     
    障害者雇用促進法では、会社が雇い入れなければならない障害者の割合を定めています。一般の民間会社では、常時働く従業員の人数が56人以上の会社がその対象となり、「従業員の1.8%以上の障害のある人を雇うこと」と、決められているのです。
    この割合のことを「法定雇用率」といいます。
     
    しかし、法律で決められている人数の障害者を雇用することができていない会社があります。
    雇わなければならない障害者の人数に足りない会社から、足りない人数1人につき、1月あたり50,000円を徴収することになっています。
    この納付金の対象が301人以上の会社から、平成22年7月からは201人以上、平成27年4月からは101人以上の会社へと徐々に拡大されていくことになりました。
     
    法定雇用率を達成している会社に対しては、調整金(301人以上の会社で、1人につき1月あたり27,000円)や報奨金(300人以下の会社で、1人につき1月あたり21,000円)を支給しています。
     
    また、障害者の雇用促進を図るため、障害者を雇入れに要した会社の設備改善などの費用の援助など、いろいろな助成金の支給を行っています。

障害者を雇用する、その前に

  1. 障害者について知る
    障害者を雇用することは、法律で決められているからだけではなく、会社の社会的責任の一つとして求められています。
    また、障害のある人も障害のない人と同じように、個人の適性や能力に応じて働くことができる社会の実現が望まれています。
    一言で障害者といっても、どのような障害なのか、どれくらいの程度の障害なのかによってできることや必要な支援が異なってきます。
    「障害者に仕事なんてできるのか」
    「どうやって仕事を教えればいいのかわからない」
    といった先入観を取り除くことからはじめましょう。
     
    障害者を雇用しても、会社の受け入れ態勢が整っていなければ、長く働き続けてもらうことは困難です。
     
    障害者にとって働きやすい職場にするためには、社長や上司、一緒に働く従業員全員が障害者について理解する必要があります。
    そのためには、実際に障害者の雇入れに取り組んでいる会社の見学、都道府県労働局などで開催される障害者についての研修会や講習会への参加、障害者についてのマニュアル配布などの事前啓発を行い、障害者と一緒に働くことについて理解を深めます。
     
  2. 障害者の雇入れ計画をたてる
    会社が障害者を雇入れるための計画をたてます。
    1. どれくらいの期間で
      会社全体の採用計画を決めるとき、そのなかに障害者の雇用も盛り込みます。
      3~5年くらいの期間で、採用のための計画をたてます。
    2. 何人くらい
      定年退職、中途退職、新規採用、中途採用などによる従業員の増減の見込みから、雇い入れの見通しをたてます。
      その際、法定雇用率も考慮します。
      法定雇用率を満たすためには、何人雇わなければならないのか、現状は何人で、その差が何人なのかを把握しておきます。
    3. どのような雇用形態で
      正社員、パートターム、在宅勤務などどのような形態で雇い入れるのかを決めます。
       
  3. どんな仕事をしてもらうのか
    会社として障害者を雇い入れることが決まれば、次にどんな仕事をしてもらうのかを決めます。
    会社内の業務を見直し、どんなことをしてもらうのか職務分担を考えます。
    今ある仕事にこだわらず、雇い入れた障害者の持つ能力を把握し、個人個人の特性に応じて、十分に能力を発揮できる仕事を作る方法もあります。
     
  4. 職場環境を見直す
    障害者に長く働き続けてもらうためには、会社の環境が整っているかどうかがポイントになります。
    たとえば、
    ・会社内の段差をなくすための工夫をする
    ・移動の妨げにならないよう通路に物を置かない
    ・事故防止のため、日々の整理整頓
    など、大幅な施設の改善や設備の導入でなくても、ちょっとした心がけ一つでできる環境整備もあります。
     
    また、施設の改善や設備の整備をした場合に、その内容によっては費用の一部を助成する制度を利用できることがあります。
    必要であれば、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡にある駐在事務所に相談をすれば、就労支援機器の貸し出しを受けることもできます。

障害者を募集する

会社で障害者を雇うことが決まれば、募集をします。

募集には主に次のような方法があります。

  • 公共職業安定所(ハローワーク)
    公共職業安定所を通して求人募集する方法があります。
    公共職業安定所には多くの障害者が求職登録しているので、公共職業安定所に求人票提出すると、公共職業安定所に登録されている求職者の中から求人内容に適した人を紹介されます。
    求人にかかわる手数料等の費用はかかりません。
  • 都道府県労働局などが行う合同面接会、ミニ面接会
    都道府県労働局や公共職業安定所が主催する障害者の合同面接会やミニ面接会に参加し、募集する方法です。
    前者は複数の会社が、後者は1社ないし数社が参加している面接会で、就職を希望する障害者や、障害者の就職を支援する機関の人と会い、会社の説明などを行います。
    面接会に参加するには、事前に公共職業安定所に求人の申し込みをします。
    地域により開催時期、回数等は異なるので、お近くの公共職業安定所に問い合わせるとよいでしょう。
  • 縁故募集
    会社の従業員や関係者などを通して募集する方法です。
    この場合、紹介される障害者について、どのような障害のある人なのか、どのようなことができて、どのようなことが困難なのか事前に知ることができます。
    また、障害者も、どのような会社で、どんな仕事をしているのか情報を得ることができます。
  • 新聞・雑誌・チラシ等による募集
    求人情報雑誌、新聞やチラシの求人広告欄、インターネットの求人サイトを用いて募集する方法です。
    一度に多くの人が募集内容を見ることができます。
  • 特別支援学校など
    学校へ直接求人を行う方法もあります。

障害者を採用する

採用の選考には、面接、筆記、作業テストなどの方法があります。
なかでも、面接が重要な役割を果たすことになります。
面接を通して、どんなことができるのか、どんなことができないのか、どんな支援が必要なのかなどの情報を入手します。
そして、障害者が入社するまでに会社が準備しておくこと、入社後に会社がしなければならないことを把握しておきます。

面接を行う際、聴覚障害がある人は、手話通訳が必要であれば同伴してもらいます。
知的障害がある人は、必要であれば、保護者に同伴してもらい、保護者にも様子を聞くようにします。
視覚障害のある人など、筆記試験が適切ではない人には、口頭で質問し、答えてもらうなどの代替手段を取り入れましょう。

視覚障害がある人に筆記試験をする場合は、次のような障害に即した対応を行います。
・試験用紙を拡大コピーする
・拡大読書機を利用する
・点訳の試験問題を用意する   

面接で確認すること

障害者が働く上で制限されること、会社が支援すること、その他配慮が必要なことを、面接を通して確認します。

  • 障害に関すること
    • 障害手帳、障害の部位、障害等級、治療・服薬・通院の必要性 など
  • 仕事に関すること
    • 通勤手段、コミュニケーション手段、筆記速度、読解速度、計算能力、PC操作の可否、工具・機械操作の可否 など
  • 生活に関すること
    • 歩行状況、車いすの使用、階段・段差の昇降、荷物の運搬、立ち作業・すわり作業、緊急時のサポート、食事・身支度・トイレ、会話の速度・明瞭度、生活面の介助 など

面接で得た情報をもとに、障害者を受け入れるための事前準備、受入れ後の支援準備などに取り組みます。

障害者であることの確認で、気をつけること

面接を行うとき、採用後手続きを行うときなど、身体障害者手帳や療育手帳、精神保健福祉手帳、診断書等で障害者であることやその状態を確認します。
障害のこと、障害の状況、配慮の必要なことなど、仕事をしていくうえで必要なことは、可能な範囲で本人と相談しておきます。
障害の状態について確認するとき、次のようなことに注意します。

  1. 採用段階で障害者の把握・確認をするとき
    1. 障害者であるという情報を何に利用するのか、目的を明らかにします。
      たとえば、「障害者の雇用状況の報告のため、障害者雇用納付金の申告のため、障害者雇用調整金または報奨金の申請のため」などです。
    2. 情報の利用目的や利用方法を本人に説明し、同意を得ます。
       
  2. 採用後に障害者の把握・確認をするとき
    1. 通常、情報提供を求める場合
      1. 障害者であるという情報を得ようとするとき、特定の人に情報提供を呼びかけるのではなく、全従業員に対して行います。
        たとえば、全従業員に対して、いっせいにメールを配信する、チラシ・社内報を配布する、回覧板に記載するなどの方法で呼びかけ、該当する人に情報を提供してもらうことになります。
      2. 採用段階の場合と同じように、障害者であるという情報を何に利用するのか目的を明らかにすることにプラスして、業務命令で回答を求めているのではないことも明らかにします。
    2. 個人を特定して情報提供を求めることができる場合
      障害者本人が、障害者の雇用を支援する制度の利用を会社に求めた場合などで、障害者であるという情報が必要なときは、個人を特定して障害者手帳などの情報提供を求めることができます。さらに、利用目的の明示と本人の同意が必要となります。

いずれの場合も、本人の同意を得ないで、利用目的の範囲を超えて情報を取り扱うことはできません。

障害別に配慮すること

障害があることで制限されること、仕事をするうえで必要とする支援は、人によりさまざまです。
障害等級は、身体の機能・形態の障害で、日常生活をするうえでの制限に応じ、定められたものですが、等級がそのまま仕事の能力をあらわすものではありません。
障害ごとの特徴を理解し、障害があっても、十分に能力を発揮することができる職場になるよう、配慮が求められます。

  1. 身体障害
    1. 視覚障害
      視覚障害は、全盲や弱視、見える範囲が限定される視野狭窄などがあります。
      視覚障害者への配慮することとして、次のようなことがあります。
      ・安心して歩けるよう、部屋や物の配置を伝える
      ・説明の仕方を工夫する。たとえば、位置や場所を説明する場合、「今立っているところから前へ○歩、右へ○歩進んだところ」、机の上に物を置くときも、単に目の前に置いたことを伝えるのではなく、「(時計の)2時の方向に置きました。」と具体的にイメージできるようにする
      ・文字による情報を得にくいので、適宜声かけをする
      ・通路に物を置かないなど、会社内の移動がしやすいようにする
      ・照明を明るくする
      ・必要であれば、援助者の配置、点字ディスプレイ・拡大読書器・パソコンの音声化ソフトなど就労支援機器を整備する
      ・気軽に情報を求められる職場の雰囲気づくり
       
    2. 聴覚障害
      聴覚障害は、聴感覚に何らかの障害があるために、全く聞こえないか、または聞こえにくいことをいいます。
      コミュニケーション手段として、手話、筆談、相手の口元を見て内容を理解する口話などがありますが、誰もがそれらの手段を利用できるのではなく、できる人とできない人がいます。目で情報を確認できるように工夫も必要です。
      口話、筆談、手話など、その人に最も適したコミュニケーションの方法を取り入れます。
      どの方法がいいのか本人に確認しましょう。
      1. 口話
        口の動きが相手によく見えるように、顔を正面にむけて、ゆっくりと口を大きくあけて話すことが大切です。
        身振り手振りをまじえて、できるだけ簡潔で明瞭な表現を用います。はっきりと誰に話しかけているのかわかるようにすることも大切です。
         
      2. 筆談
        いつでも使用できるように、筆談用の用紙や筆記具を準備しておきます。
        読みやすい文字を書きます。簡潔な文章で表現し、複雑な言い回しを避けます。
         
      3. 手話
        手話をするときは、相手に手の動きがよく見えるようにします。
        手話は話し言葉と同じなので、思いを伝えやすいコミュニケーション方法です。
        「おはよう」「こんにちは」などのあいさつのような日常よく使う言葉や、仕事でよく使う言葉を覚えておくとよりコミュニケーションを図ることができます。
         
        口話や筆談、手話などを、話やその場に応じた方法で、組み合わせて活用するようにしましょう。
         
    3. 肢体不自由
      肢体不自由には、腕や手指、ひじ関節などの上肢の障害、股関節、ひざ関節などの下肢の障害、座位、立位などの姿勢の保持が難しい体幹障害、脳性まひなど脳病変による運動機能障害など、さまざまなものがあります。
      障害の原因も、脊髄損傷、脳血管障害、事故などによる切断・骨折、脳性まひなどあり、障害の程度もそれぞれ異なっているので、個人の状況に応じた配慮が必要です。
       
      たとえば、バスや電車などを利用しての通勤が困難な場合、自動車通勤の許可や駐車場の確保、会社のなかの移動がスムーズに行えるように、余計なものを置かない、段差をなくすなどの整備、スロープや手すりの設置、トイレの整備などの施設改善が必要なこともあります。
       
    4. 内部障害
      心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸機能障害、ぼうこうまたは直腸の機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の6つを内部障害といいます。
      いずれも命にかかわる重要な機能の障害のため、通院や治療機器の装着などが必要な場合があります。
      定期的な通院や治療のための時間が取れるよう、短時間勤務などの配慮が必要なことがあります。
      雇い入れる人の障害の状況に応じた対応を取り入れましょう。
       
  2. 知的障害
    知的障害は、知的な発達に遅れがあり、洋服を着たり顔を洗うなどの身辺処理や、言葉の理解、気持ちの表現などの意思交換、お金の計算や時計の判読など日常生活が苦手なために、援助を必要とする人のことをいいます。
    ただ、知的障害といっても、障害の程度、能力、意欲、体力はそれぞれ異なります。
    できること、できないことがありますが、初めはできなくても、指導や支援を行うことで改善することも、できるようになることもあります。
    「どうせできないだろう」
    「この前できなかったから、何度してもできるようにならない」
    と、決めつけるのではなく、わかりやすく、繰り返し指導するよう心がけましょう。仕事の工程を細分化、単純化します。
    仕事を教えるときは、手順や見本を示して、繰り返し何度も練習することが大切です。
     
  3. 精神障害
    総合失調症、そううつ病、てんかん、そのほか精神障害者保健福祉手帳の交付を受け、働くことが可能な状態にある人が、雇用・就労支援の対象となります。
     
    精神障害には、臨機応変に判断するのが苦手、動作が遅い、ぎこちない、新しい環境に慣れるのが苦手などの特徴があります。
    仕事のわりあて、配置に際して、本人の適性を見るため、はじめは比較的簡単な仕事から入り、様子を見ながら、本人の希望も尊重しつつ、どんな仕事をしてもらうのか決めるようにします。
    変化への対応を苦手とする人が多いので、仕事を変える場合は注意が必要です。
    本人のストレス状況を見ながら、時間をかけ、ステップを踏むようにします。
    必要であれば、通院の時間を確保するための短時間勤務、通勤ラッシュを避けるための時差出勤などを労働時間や通勤時間を見直します。
    また、家族や医療機関など本人を支援する人との連携も大切です。

障害者が長く働き続けることができる会社にするために

面接である程度の情報を得ることができますが、それがすべてではありません。
実際に仕事をし始めてからはじめて気がつくこと、どうすればいいのかわからないことがでてくるでしょう。
障害者雇用促進法で、雇い入れなければならない障害者の雇用率が定められているにもかかわらず、法定雇用率を満たしている会社が少ないのは、障害者を雇用したことがないため、どう対応すればいいのかわからずに、雇用をためらっている会社があるだけでなく、障害者を雇い入れたにもかかわらず、障害者が働き続けることができずに辞めてしまう会社があるからです。
障害者が長く働き続けることができる会社にするために、障害者雇用を支援する制度があります。
これらの制度を利用して、障害者の雇用環境の改善を目指しましょう。

  • 障害者試行雇用(トライアル雇用)事業
    障害者を雇い入れたことがないと、いざ雇い入れようとしても、どんな仕事をしてもらえばいいのか、どんなことに配慮すればいいのか、雇用管理はどうすればいいのかわからないために積極的に取り組むことができない会社もあるでしょう。

これらのためらいや不安を取り除くために、障害者を短期の試行雇用の形で受け入れる制度があります。
これが、障害者試行雇用(トライアル雇用)です。
3か月を限度とした有期雇用で、本格的な障害者雇用に取り組むきっかけを作るための制度です。
トライアル期間、実際に働いてもらうことで、会社は、どんな仕事ができ、どんな仕事に向いていて、働いてもらううえでどんな配慮が必要なのかを知ることができるので、障害者を雇うことに対する不安や抵抗感を解消したり、軽減したり、障害者の適性や能力を見極めることができます。
障害者自身も会社の雰囲気や仕事の内容について知ることができるので、会社と障害者双方の見極め期間といえるでしょう。

トライアル雇用の手続き

  1. 公共職業安定所へ求人の申込みをします
  2. 公共職業安定所から紹介された障害者を雇い入れます
  3. トライアル雇用開始後2週間以内に、公共職業安定所へトライアル雇用実施計画を提出します
  • 職場適応訓練
    職場適応訓練は、都道府県知事等が企業に委託し、身体障害者や知的障害者、精勤障害者などの能力に適した作業を、実際の職場で取り組むことにより、企業の環境に適応しやすくし、訓練終了後は、引き続き訓練を行った企業・会社に雇用してもらおうという制度です。

職場適応訓練の手続き

  1. 職場適応訓練の委託を受けるために、職場適応訓練受託申込書を公共職業安定所に提出します
  2. 都道府県知事により申込書の内容が認められれば、委託契約をします
  3. 職場訓練を行います
  • ジョブコーチ(職場適応援助者)による支援
    障害者がスムーズに会社に適応することができるように支援する人をジョブコーチ(職場適応援助者)といいます。

会社が障害者の雇入れを行う前、雇い入れたとき、職場環境の変化などにより何か問題が生じたときなど、障害者が働きやすい環境になるように支援を行います。

たとえば、障害者に対しては、作業能率を上げたり、作業のミスを減らすことで仕事に適応するための支援を行ったり、人間関係や会社でのコミュニケーションを改善するための支援を行っています。
ジョブコーチによる支援を通じて適切な支援方法を会社に伝えることにより、会社の支援体制の整備を促し、障害者の職場定着を図ることを目的としています。

会社に対しては、障害について正しく理解し、働きやすいよう配慮するための助言や、仕事の内容や指導方法を改善するための助言や提案を行っています。また、家族に対しても、障害者が働き続けることができるよう生活を支えるための助言を行います。

ジョブコーチによる支援の流れ

  1. 集中支援期
    問題点は何なのかを分析し、課題を改善するための支援を集中的に行います。
     ↓
  2. 移行支援期
    必要な支援を行いながら、障害者の支援方法を会社の担当者に伝授し、支援の行う主体を
    ジョブコーチから会社の担当者へと徐々に移行していきます
     ↓
  3. その後のフォローアップ
    定期的に連絡や訪問をし、その後のフォローアップを行います

ジョブコーチによる支援は、2か月から4か月くらいの期間で行われます。
障害者が会社で長く働くためには、一緒に働く上司や同僚の援助や配慮が欠かせません。
ジョブコーチによる支援はずっと行われるものではなく、会社内の課題が改善され、会社や一緒に働く従業員により適切な支援が継続されるようになれば終了します。

ジョブコーチによる支援の手続き

  1. 地域障害者職業センターへ支援の申し込みをします
  2. 地域障害者職業センターの障害者カウンセラーが状況に応じた支援計画を策定します
  3. 地域障害者職業センターは、支援計画に基づいてジョブコーチを会社へ派遣し、支援を実施します

関係する法令等

障害者の雇用の促進等に関する法律
(一般事業主の雇用義務等)
第四十三条 事業主(常時雇用する労働者(一週間の所定労働時間が、当該事業主の事業所に雇用する通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短く、かつ、厚生労働大臣の定める時間数未満である常時雇用する労働者(以下「短時間労働者」という。)を除く。以下単に「労働者」という。)を雇用する事業主をいい、国及び地方公共団体を除く。以下同じ。)は、厚生労働省令で定める雇用関係の変動がある場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。第四十六条第一項において「法定雇用障害者数」という。)以上であるようにしなければならない。
2 前項の障害者雇用率は、労働者(労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、安定した職業に就くことができない状態にある者を含む。第五十四条第三項において同じ。)の総数に対する身体障害者又は知的障害者である労働者(労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、安定した職業に就くことができない状態にある身体障害者及び知的障害者を含む。第五十四条第三項において同じ。)の総数の割合を基準として設定するものとし、少なくとも五年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。
3 第一項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数及び前項の身体障害者又は知的障害者である労働者の総数の算定に当たつては、重度身体障害者又は重度知的障害者である労働者は、その一人をもつて、政令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
4 省略
5 事業主(その雇用する労働者の数が常時厚生労働省令で定める数以上である事業主に限る。)は、毎年一回、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用に関する状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。

(一般事業主の身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画)
第四十六条 厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用を促進するため必要があると認める場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が法定雇用障害者数未満である事業主(特定組合等及び前条第一項の認定に係る特定事業主であるものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の数がその法定雇用障害者数以上となるようにするため、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画の作成を命ずることができる。
2 第四十五条の二第四項の規定は、前項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定について準用する。
3~6項 省略

(一般事業主についての公表)
第四十七条 厚生労働大臣は、前条第一項の計画を作成した事業主が、正当な理由がなく、同条第五項又は第六項の勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

(納付金関係業務)
第四十九条 厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用に伴う経済的負担の調整並びにその雇用の促進及び継続を図るため、次に掲げる業務(以下「納付金関係業務」という。)を行う。
一 事業主(特殊法人を除く。以下この節及び第六節において同じ。)で次条第一項の規定に該当するものに対して、同項の障害者雇用調整金を支給すること。
二 身体障害者若しくは知的障害者を労働者として雇い入れる事業主又は身体障害者若しくは知的障害者である労働者を雇用する事業主に対して、これらの者の雇入れ又は雇用の継続のために必要となる施設又は設備の設置又は整備に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
三 身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主又は当該事業主の加入している事業主の団体に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の福祉の増進を図るための施設の設置又は整備に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
四 身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主であつて、次のいずれかを行うものに対して、その要する費用に充てるための助成金を支給すること。
イ 身体障害者となつた労働者の雇用の継続のために必要となる当該労働者が職場に適応することを容易にするための措置
ロ 身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用に伴い必要となる介助その他その雇用の安定を図るために必要な業務(身体障害者又は知的障害者である労働者の通勤を容易にするための業務を除く。)を行う者を置くこと(次号ロに掲げるものを除く。)。
四の二 身体障害者又は知的障害者に対する職場適応援助者による援助であつて、次のいずれかを行う者に対して、その要する費用に充てるための助成金を支給すること。
イ 社会福祉法第二十二条に規定する社会福祉法人その他身体障害者又は知的障害者の雇用の促進に係る事業を行う法人が行う職場適応援助者による援助の事業
ロ 身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主が身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用に伴い必要となる援助を行う職場適応援助者を置くこと。
五 身体障害者(重度身体障害者その他の厚生労働省令で定める身体障害者に限る。以下この号において同じ。)若しくは知的障害者である労働者を雇用する事業主又は当該事業主の加入している事業主の団体に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の通勤を容易にするための措置に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
六 重度身体障害者又は知的障害者である労働者を多数雇用する事業所の事業主に対して、当該事業所の事業の用に供する施設又は設備の設置又は整備に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
七 身体障害者又は知的障害者の職業に必要な能力を開発し、及び向上させるための教育訓練(厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。以下この号において同じ。)の事業を行う次に掲げるものに対して、当該事業に要する費用に充てるための助成金を支給すること並びに身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の教育訓練の受講を容易にするための措置に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
イ~ニ 省略
八 障害者雇用支援センターに対して、身体障害者又は知的障害者の雇用の促進又は継続に係る第二十八条第一号に掲げる業務(前号の教育訓練に該当するものを除く。)及び同条第二号から第七号までに掲げる業務に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
八の二 障害者の技能に関する競技大会に係る業務を行うこと。
九 身体障害者若しくは知的障害者の雇用に関する技術的事項についての研究、調査若しくは講習の業務又は身体障害者若しくは知的障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるための啓発の業務を行うこと(前号に掲げる業務を除く。)。
十 第五十三条第一項に規定する障害者雇用納付金の徴収を行うこと。
十一 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 厚生労働大臣は、前項各号に掲げる業務の全部又は一部を機構に行わせるものとする。

障害者雇用推進者)
第七十八条 事業主は、その雇用する労働者の数が常時第四十三条第五項の厚生労働省令で定める数以上であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる業務を担当する者を選任するように努めなければならない。
一~三号 省略

(解雇の届出)
第八十一条 事業主は、障害者である労働者を解雇する場合(労働者の責めに帰すべき理由により解雇する場合その他厚生労働省令で定める場合を除く。)には、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公共職業安定所長に届け出なければならない。
2 前項の届出があつたときは、公共職業安定所は、同項の届出に係る障害者である労働者について、速やかに求人の開拓、職業紹介等の措置を講ずるように努めるものとする。

プライバシーに配慮した障害者の把握・確認のガイドライン
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha01/pdf/syuuchi03.pdf

障害者雇用対策基本方針
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha02/gaiyo/dl/02b.pdf

「福祉から雇用へ」推進5か年計画
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/seichou2/dai4/siryou3.pdf



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