「残業時間は月45時間に収まっていますが…」
同業者(社労士)からの相談を取り上げます。
(顧問先様からの相談もあるのですが、取り上げるとニッチすぎる案件が多く、また顧問先様から「うちの事例でしたね」と言われそうなので、避けています。)
36協定と時間外労働について、同業者から相談を受けました。
「毎月45時間以内に、時間外労働は収まっているんですが、問題ないでしょうか?」
んんん、と思われた方は鋭いです。当方もそう思いました。
が、特別条項付きの36協定であることは、その後に聞かされました。
「月60時間、年630時間で特別条項を締結しています。」
月45時間なら、最大でも年540時間ですので、上限を超えていません。休日労働はないものとして考えてください。
で、何が相談したかったのでしょうか?
「いつも、特別条項の発動が事後だったのです。問題ありますよね?」
問題あり、です。

問題点は、いくつか見えました。
1.特別条項の発動が事後
なんでも、「厚生労働省の記載例をそのまま、『労働者代表者に対する事前申し入れ』を発動手続き」としたとか。それ自体は問題ありませんが、協定を無視して事後に申し入れたことが問題。原則、事前しか認められません。
加えて、特別条項の発動手続きを記録に残していない。即ち、書面で申し入れしていなかった。控えを残しておくべきでした。
(当方が労働基準監督官なら、発動の記録がなければ、発動していないのと同じ評価をします。)
はい、もう一つあります。
2.上限時間数の見直し
伺ったように、相談企業では「月に45時間の上限を超えたことがない」らしいです。であれば、上限を60時間にしているのは、実態を無視している感じがします。マージンを取る必要もないです。
せいぜい月45時間か、月50時間で良いのでは? 月50時間は1割ほど余裕を持たせているので、50時間。→「ここまでする必要ある?」と思うかも知れませんが、いちおう真面目なブログなので。自分の顧問先様であれば、悩むところです~。
◆特別条項の発動タイミング
そして、特別条項の発動をするタイミングですが、こちらの企業であれば少し変則的になりますが、最初の6回(6月)はとくに無し。次は30時間を越える前のタイミングで発動の手続き。7回目8回目が該当。9回目からはその期間になる前にでも発動の手続き。
最初の6回で270時間を使い、次の2回で90時間を使います。ここで年360時間に届くか届かないかくらい。そういうことです。
(どんな状態でも、7回目以降は即発動の手続きは、ちょっと乱暴です。)
同業者は納得したようですが、お客様が納得するのか?
何でも、従業員数が3ケタの企業だそうです。
※社労士法の守秘義務対象ではないかも知れませんが、念のためかなり脚色しています。
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