労働基準監督署の相談には、限界がある
労働基準監督署の相談で、労務管理の疑問の全てが解決するのか。ある企業の方から、こんな素朴な質問を受けました。
なお、守秘義務の関係で、内容については脚色しています。
「退職代行について、労基署では指導してくれないのか? あれは何か労働基準法などに違反しているのでは。」
労基署の窓口では、このように言われたそうです。伝聞ですので、一言一句一致しているわけではありません。
- 労働基準法や労基署で扱う法律で、退職代行を禁止または違法とする法律はありません。
- 弁護士事務所が行っているなら、弁護士業務の範疇でされているはずですので、労基署から何か指導等できるわけがありません。
- 労働組合が行っているのであれば、労働組合としての活動でしょう。労基署は労働組合を管理監督していませんので、労働委員会へどうぞ。
この企業の方は、憤慨して、近くの社労士事務所(弊所・大阪社労士事務所)に飛び込みで来たとか。

大昔には、従業員の立場の方から「未払い残業代の相談で労基署に行ったのに、あいつらは企業の味方や」とお話しになっていたことを思い出します。サービス残業の問題が目立つようになって労基署に行った、でも、未払い残業につながる書類を持って行っていなかった(そもそも無いとも)ため、再度来るように言われた。年休有休を取ってまで来たのにとか何とか。「おかしい、おかしい」と言われ、結局相談料もいただけなかったこと。
でも、今回の企業の方曰く「あいつら(労基署の窓口の相談員)は、労働者の味方」と言い切っていました。
労働基準監督署で対応できること
ちょうど良い記事がありました。先日のブログ記事です。
▶令和7年度も労働条件自主点検表が来た
大ざっぱに書けば、ここにある点検項目くらいしか実務的な相談は対応できないのが、労働基準監督署です。
例えば、「労働条件通知書をもらっていない」。
コレであれば、労働基準法に規定されている事項を遵守していないので、「ちゃんと労働条件通知書を従業員に交付しなさい」と労基署も指導ができます。
これが「労働契約書を交わしていない」と言われれば、「労働基準法で契約書の締結までは規定されていないので、労働条件通知書が交付されていれば云々」と返ってきます。
また、ありがちなのが「休職」です。
休職は労働基準法などの労働関係法で規定、義務化されておらず、企業の側が約束しているだけです(民事、契約ごとです)。だから、労基署の窓口で休職について相談しても、「それは、就業規則で確認してください。」となるわけで、窓口の相談員には悪意はあるわけもなく。
ですので、きっちり労務管理を行いたいのであれば、企業の側で労働関係法を勉強されるか、社会保険労務士にアウトソーシングするか。
冒頭の件は~
実は、労働基準監督署の相談員に知り合いが何名かいます。その話しを大ざっぱにまとめてみると、、、、、
「従業員がなぜ退職代行を使うのか全く理解できない。正社員なら、14日待てば良いだけでは。辞めて何かあれば、そこから先は警察の領域でしょうし。企業の側も、言いやすいような職場環境を整えるなり、上司がちゃんと面倒を見れば良いのではないですか。」
↑ 数名の相談員に伺いましたし、守秘義務に違反するような内容ではありませんでした。でも、「心の声」まで理解するとこんなところになります。
厳しい言葉も耳にしました。
「桑野さんではないけれど、最近の社労士さんは、36協定を出しただけ、就業規則を出しただけ、不利益変更もお構いなし(労基署では不利益変更は対応できない、せいぜい労働契約法の規定を持ち出すレベル)。顧問社労士と言っても、お金もらってるだけなのかと感じてしまう。商売やね、商売。」
当方は、無愛想ですが、ちゃんと対応しますよ。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。
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