「遠距離通勤の従業員の方が、トクしてる?」
知り合いと雑談していて、こんな話になりました。
「遠距離通勤のおかげで、厚生年金の受給額が他の従業員よりも多くなりそうです。」
通勤手当は、賃金として報酬として、標準報酬に算入され、将来の年金額に反映されることは間違いありません。
例えば、こんなのが分かりやすいかも。
本町駅が最寄りの企業の場合
①JR三田(兵庫県)から通勤の場合、月2万9千円ほど
②堀江周辺にアパートを借りていて通勤の場合、月0円
2万9千円は、高額の標準報酬なら1等級違い(ギリ、同じ等級のことも)ですが、20万円台なら3等級違いもあり得ます。将来の年金額は確実に違ってきます。
そう勘の良い方なら「住宅手当はどうなるの?」。はい、そうです。
三田は実家だけれど、堀江のアパートに対しては住宅手当が支給されることもあります。企業によって差はあれど、1万円2万円などになるでしょうか。
この話をしていると、横にいた別の知り合いがひと言。
「通勤手当の場合は、本来の給料より手取りが減るんじゃないですか。」
そうです、社会保険料・雇用保険料が通勤手当に掛かるので、実際には手取りが減ります。将来の年金額は増えますけど…。根本の考え方は住宅手当もそう違っていませんので、おあいこ?
実は、能力・実力と関係ないにもかかわらず、支給される手当があります。すでに書いた通勤手当、住宅手当、そして最近うるさい「家族手当・配偶者手当」。直接関係ないですが、遠距離であっても欲しい人材なら通勤手当を少々支払っても採用したいですから。
ですので、賃金体系の見直しをするのであれば、このあたり(通勤手当、住宅手当、家族手当等)は最低限見直しが必要です。ここを飛ばして見直しをしても、片手落ちです。
(「そんな小さいことを言うな」とも言われますが、積み重なると結構な金額になるので。)
冒頭の知り合い曰く
「そう言えば、住宅手当もあるし、家族手当も長い間もらったし、だいぶんトクしてますねえ。遠距離だけじゃなかったです。」と。
まあ、通勤=痛勤なので、偉いと思います。
●確認しとくこと
賃金体系の見直しをするなら、(通勤手当、住宅手当、家族手当等)は要検討が必要な手当。場合によっては、「通勤しない手当(近くに住む手当)」「独身手当」なども考えないとイケナイかも。
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