「社保・労保の手続き、どの程度省力化できますか?」
労務相談顧問をいただいているお客様から、質問をいただきました。
「社会保険や労働保険の手続きを桑野さんに委託しようと思いますが、料金の前にどの程度省力化できるのか、教えて欲しい。」
数年に一度いただく質問なのですが、お客様からは初めていただきました。今回の事情は知っていますが、守秘義務の関係で書けませんし、内容は多少脚色しております。
30人40人規模で、定着率も高い。ただ、今後増えてくるであろう、出産・育児休業関連の手続きや高齢者再雇用関係の手続きはご経験がないと言うことで、単に不安になっているだけなのかも。
「手続きに当たって集めていただく資料は何ら変わりませんし、すでに手続きを郵送でしているので、当方(社会保険労務士)に書類を送るだけで、手間は2割3割程度しか省力化できません。」
省力化できた部分は、「書類作成」だけです。定着率が高いおかげで、年間に2名入社退社するか、かつフルタイムの正社員だけなので、このお客様の場合は、2割3割の省力化にしかなりません。
省力化を考える前に
規模・正社員比率によっても、どこにポイントを置くのかが違ってきます。後は現状の手続き、給与計算・勤怠管理のシステムによります。
外部の社労士に委託を考える前に、ざっと省力化・効率化・合理化するための着目点をあげます。
- 賃金体系がシンプルか。勤怠に合わせての手当や内容が不明な手当が多い場合は、まずはそれらの整理から。
- 給与計算のシステムが何か。手計算あり、100名近いところでもエクセルで計算している場合は、即刻給与計算ソフトを導入すべし。
- 在職時死亡などイレギュラーを除き、入社日・退社日の統一化。
300名以上規模なら
社労士に委託するより、自社で対応する方が省力化につながります。と書いてしまうと、自分自身を否定してしまいますが、委託する業務ごとに違います。
社会保険・労働保険の手続き
300名以上なら、自社での手続きの方が効率的です。入退社が多い場合、継続給付が多い場合、労災申請が多い場合は、社労士の側でも料金が高くなければ受託しません。
また、現時点で電子申請に対応しているのか。対応していない場合は、まず電子申請化を考慮します。e-gov直接の手続きはブラックボックス化しやすいので、電子申請システムの導入をお考えください。
【省力化:社労士への業務委託時2~4割、自社2~6割】
給与計算周辺の手続き
給与計算も、どこまでシステム化できているのか、自動化できているのか、です。クラウド系の勤怠管理システム給+与計算システム+ウェブ明細で省力化率は、5割から9割と言われています。
年末調整・給与支払い報告は、顧問税理士さんとの調整での対応となりますが、ウェブ年調ができることが前提です。
300名以上と言わず、弊所・大阪社労士事務所で受託の際も目安50名以上なら、「怠管理システム給+与計算システム+ウェブ明細、ウェブ年調」が必須です。複数事業所なら、人数に関係なく導入必須です。
【省力化:社労士への業務委託時2~6割、自社:4~9割】
人事労務に関する相談
社労士がいるいないに関係なく、問題意識があれば労務相談顧問などを利用しましょう。コンプライアンスに注目するなら、ちゃんとした社労士と相談しましょう。
チェックポイントは、「労政時報」「解釈総覧」です~。
「いいえ」と返ってきたら、それは人事労務の相談業務を任せるのはやめた方が良いです。
【省力化:数値化不能】 「いいえ」と返答した社労士の場合、マイナス
もう少し人数が少ないなら
まずは、流行のIT化、DX化を考慮に入れてください。
- 100名、200名
手続き・給与計算は、IT・DX化で。 - 50名
給与計算は、IT・DX化の対応で。手続きは、入退社数が多くなければ手書きでもまだ許されるレベル。 - 30名以下
入退社数が少なければ、自社の対応で。
(役員報酬や他社員の情報を知られたくない場合は、社労士をご利用ください。)
省力化の程度
今回、ご相談をいただきましたが、「料金(費用)」と「手間」を考慮すると、2割3割程度かつ入退社数が少ないことから、手続きに関する顧問契約(社会保険労務士顧問)は見送りに。将来的に、継続給付あたりで分からないことが増えてくれば、手続き顧問も契約の見込みとして。
伴走支援も行っていますので、ご相談ください。電子申請システムや給与計算・勤怠管理のシステムの導入支援も行っています。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。
ご相談・ご依頼は、ご遠慮なくどうぞ。
まずは、「お問い合せ」フォームから。
依頼・委託を決めておられる場合は、電話 06-6537-6024(平日9~18時)まで。
不在時は、折り返しお電話させて頂きます。
貴社の人事労務の問題点をチェックします
外部から人事労務の問題点を指摘される前に、労働トラブル発生の前に、企業の人事労務問題点を監査します。是非、ご相談ご利用ください。▶人事労務監査
(社会保険労務士は、企業の経営労務監査を実施します。M&Aデューデリ、事業承継デューデリにも対応。)
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