週休3日制の規定例を考える

お客様から、週休3日制の類似パターンについて問われました。Google検索をしましたが、相談事例とベストマッチするものは無し。ベターマッチさえも無し。書籍ならと思い、先ほど紀伊國屋書店梅田店でチェックしていましたが、得るものは無く、購入せずに事務所に戻りました。

過去に、週休3日制に触れたブログ記事があります。(使えません~
週休3日で給与そのまま、どの制度を使う?
週休3日制を導入するために(古い)

想定しているのは、次のような労働日・休日の設定です。と言うか、説明に最適なので。
●月曜日から木曜日まで:1日10時間勤務
●金曜日から日曜日まで:休日

はい、10時間×4日=40時間/週となります。ただし、1日8時間を越えますので、必然的に変形労働時間制を利用します。どの変形労働時間制を使うのか、1か月単位の変形労働時間制です。間違っても、1週間単位の非定型的変形労働時間制では有りません。
(今回のご相談は、そもそも業種が違っております。)

週休3日制の導入や解説をしている書籍で、「1か月単位の変形労働時間制」を書いていないのは論外です。

1か月単位の変形労働時間制は、1か月以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)以内となるように、労働日および労働日ごとの労働時間を設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を超えたり、特定の週に40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えたりすることが可能になる制度です(労働基準法第32条の2)。

以下、メモですので、あまり参考になりません。

大阪社労士事務所・週休3日で給与そのまま、どの制度を使う?→週休3日制の規定例を考える

対象労働者の範囲

今回は選択制を採用しませんので、原則・全社員を対象とします。時給制のパートタイマーさんだけは除外します。

ですので、深く考える必要はありません。

私の感覚では、1日のオープン時間が長い店舗や飲食店などではシフトを8時間で切らなくて良いので、効率的に人員配置できると思います。

対象期間および起算日

実はコレがくせ者です。
1週間が40時間(以下)なので、週休3日制の規定例を探したのですが、どれもハッキリ書いていません。対象期間は、1週間でも良いはずですが。対象期間は1か月以内であれば良いので、1週間でも2週間でも4週間でも構いませんが、1か月は×。

1か月を対象期間(変形期間)にすると、171時間や177時間を越える月が出てきます。例えば、今年の10月であれば祝日を除いても18日の出勤日=180時間の所定労働時間>177時間なのでアウト。

ネット上の情報では「2週間、4週間」はありましたが、1週間はなし。でも、私なら対象期間1週間をおすすめします。1週間であれば、今までの労務管理・給与計算等と大幅に意識を変える部分は少ないです。(完全週休2日制からの移行の場合)

念のためにもう一度書きますが、「1週間単位の非定型的変形労働時間制」ではありません。業種が違いますから、社員数・人数的には関係ありません。

労働日および労働日ごとの労働時間

先にも書いたように、ハッキリしています。
●労働日:月~木、各日10時間労働

相談内容は、実は実際の内容はシフト有りですが、繰り返しのシフトなので1週間40時間以下は守られます。シフト表も「対象期間の前」には、各日に各社員の元に届きますので、問題ありません。
(と、緩めに書いていますが、余裕を持ってシフト表はお渡しします。)

労使協定の有効期間

労働者数が10人以上なので、就業規則に規定します。そのため、労使協定は作成しません。(必要がない)

もちろん、就業規則に「週休3日制に対応した変形労働時間制」を規定して、管轄の労働基準監督署に届け出ます。

週休3日制の規定

サンプルになる規定例ズバリを書こうと思いましたが、止めました。書き方の趣味があるので、ネットにある通常の1か月単位の変形労働時間制の規定を使って、手を加えます。

対象期間は1週間、上では書いていませんが起算日は毎週日曜日。

これだけでも、「対象期間は4週間の方が良いのでは」とか「1週間としても起算日は毎週月曜日でしょ」とか、思うところがあるかと。ですので、規定例ズバリは書きません。

これも注意しましょう

対象期間を1週間にすることで、原則的な労働時間の管理とそう変わりません。

例えば、労働日を振り替えるとき。週40時間を越える週は割増賃金の支払いが必要です。法定休日の設定も気になってきますよね! ただ、1か月単位の変形労働時間制であっても任意に(自由に)労働日の変更・振り替えはできませんので、念のため。

社員の急病や事故などで出勤できない状態になると、シフト変更をせざるを得ない場合もあります。それでも、次のシフト、その次のシフトには正常なサイクルに戻せるなら、まあ仕方ないかも知れません。

勘違いされる可能性

「対象期間1週間の変形労働時間制」
このように規定されている就業規則を、労働基準監督署の窓口で届け出しようとすると質問が来るでしょう。
「こちら、業種は?」「どういう変形労働時間制ですか?」

何度も書きますが、「1週間単位の非定型的変形労働時間制」と勘違いされない保証はありません。逆に「業種違いだし、協定が必要ですよ」となりかねません。

私なら、規定に「1か月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2)」を入れておきます。

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