被保険者負担分と事業主負担分で、差が生じている

お客様から質問&相談事項をいただきました。
「社会保険料の被保険者負担分と会社負担分が一致しないことを、経理担当者から指摘されています。何度か説明していますが、根拠なども言われています。センセ~!」

他のお客様であれば、社会保険料の被保険者負担分は個人の保険料を積み上げたもの、会社側の分は標準報酬月額の合計額に保険料率を掛けて計算しているので差が出て当たり前、と説明して済んでいたのですが。
(個人は50銭以下で切り捨て、超えれば切り上げなので、差が出てもおかしくないのですが…。)

何でも、経理担当者が「某大企業からの転職者」で、↑を説明しても理解してもらえず、改めて顧問社労士に確認したいとのこと。

大阪社労士事務所:被保険者負担分と事業主負担分で、差が生じている
(兵庫県のウェブサイトにあったものを使用していますが、気分が乗れば差し替えます。イメージしにくいので。)

説明を終えて、弊所・大阪社労士事務所に戻ってきて、念のためGoogle検索をしたら、ズバリの答えが掲載されているではないですか!!
▶日本年金機構:保険料の計算方法について

ここまで書いていました。今まで当たり前すぎて、Google検索さえしたことがありませんでした。

3.事業主負担分の計算方法
事業主負担分は、「納入告知額」から「全ての被保険者の上記2で算出した保険料額の合計額」を差し引いた金額となります。
本来、事業主が負担すべき金額は、被保険者の標準報酬月額に保険料率を乗じた額の半額となります。ただし、被保険者の給与から保険料を控除する際に端数処理を行いますので、事業主負担分と被保険者負担分は、必ずしも一致するとは限りません。
(赤字部分、桑野が強調)

他にも一致しない理由

毎月保険料をチェックしている担当者さんなら、端数の切り上げ切り捨て以外にも差が生じるケースがあることはご存じだと思います。

  • 入社、退社(資格の取得、喪失)
  • 育児休業期間中の保険料免除

入社退社が遅れれば、それだけ保険料に反映されるタイミングが遅くなります。2ヶ月遅くなれば、2ヶ月分徴収されますので、その分が増えます。育児休業期間中の保険料免除も、取得申出書を出していなければ免除されませんし。

あと、ちょっとイヤなのが「二以上事業所勤務届」を出している方がいる場合。通常は、役員クラスなのですが、上限に張り付いていると標準報酬と保険料がピッタリきませんよね、按分のせいで。

子ども・子育て拠出金もあります。被保険者負担分はありません。

雇用保険

雇用保険料も同じような感じです。

が、標準報酬月額ではなく、被保険者の賃金額を計算に使いますので、もしかすると雇用保険料の方が差が出やすいかも知れません。

給与計算ソフトによれば「労働保険料の対象金額」などとして集計されていることがあります。

大阪社労士事務所:被保険者負担分と事業主負担分で、差が生じている

実際に計算する

仕訳自体は、被保険者負担分(給与からの控除額)を「預り金」として記帳・入力すると分かりやすいです。
(所得税や住民税も預り金として入力等します。良いのか悪いのか分かりませんが、せいぜい年に14回15回でしょうから、適用欄に(所得税)とか(社会保険料)(雇用保険料)などと書いておくといかがでしょうか。)

社会保険料の被保険者負担分は給与等から控除した金額の合計、会社負担分=福利厚生費は合計の社会保険料から被保険者負担分の合計をマイナスして算出。(上記の枠内にも記載)

日本年金機構の計算が信用できないなら、年に1度でも計算チェックしてください。給与計算ソフトなどでチェックすれば、
(某社労士だけのSNSで間違えていたとの報告も上がっていましたが、実際の標準報酬等の情報が分かりませんので、評価できません。)

従業員数(被保険者数)が100名なら、最大で100円程度の違いが出る可能性があります。全員、切り上げとかその逆とか。現実には100名なら10円程度の差が生じることは十分考えられます。

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