子の看護休暇を取得すると、同僚に負担が掛かる

ある企業の従業員さんから相談を受けました。
「同じチームのメンバーには、小学校入学前の子どもがいます。たびたび(子の)看護休暇を取るので、他のメンバーの負担になっています。何とかなりませんか?」

「子の看護休暇」については厚生労働省のモデル規定を見る方が分かりやすいです。
▶厚生労働省:pdf解説pdf

第○条
1 ⼩学校就学の始期に達するまでの⼦を養育する従業員(⽇雇従業員を除く)は、負傷し、⼜は疾病にかかった当該⼦の世話をするために、⼜は当該⼦に予防接種や健康診断を受けさせるために、就業規則第◯条に規定する年次有給休暇とは別に、当該⼦が1⼈の場合は1年間につき5⽇、2⼈以上の場合は1年間につき10⽇を限度として、⼦の看護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4⽉1⽇から翌年3⽉31⽇までの期間とする。
2 ⼦の看護休暇は、時間単位で始業時刻から連続⼜は終業時刻まで連続して取得することができる。

時間単位で子の看護休暇が取得できるようになったのは、令和3年1月1日からです。それまでは、半日単位で取得可能、1日の所定労働時間が4時間以下の者は取得できませんでした。

大阪社労士事務所・子の看護休暇を取得すると、同僚に負担が掛かる

で、何が問題なのか分かりにくいのですが、書ける範囲でメモしますと、

  • 同じチームのメンバーAさんには、小学校入学前の子どもがいる。
  • 子の看護休暇を、終業1時間前2時間前に取ることがほとんど=回数が多く、月に3~5回
  • 毎月の締めの時期や決算の前後は、とくに看護休暇を取る度合いが高い
  • 忙しい時期に看護休暇を取るので、そのしわ寄せで相談者さんを含むチームのメンバーが残業する事態となっている
  • 相談者さん曰く「自分の仕事だけでも手一杯なのに、普段担当していない業務までやるので、効率悪く残業になってしまう」

「毎月の締めの時期や決算の前後」に看護休暇を取るのは、事実関係を調べないと、本当なのかタイミングを狙っているのか分かりませんよね~。

相談者さんに言わせると「エエ時=一番面倒で仕事の多い時期」に看護休暇を狙ったかのように取得している、と。

相談者さんの企業では、産前産後休暇や育児休業を取得する場合は、企業の側で代替要員(派遣社員や臨時の契約社員)を手当てするが、子の看護休暇の場合は何も人的な手当がないそうです。

「そうですよね、仕方ありません。子どものいない私が損するだけですね。一度管理職に掛け合ってみます。ありがとうございました。」
相談者さんは、帰って行きました。

一通り可能なアドバイスはさせていただいたのですが、企業・会社の側として受け入れて改善してくれるかどうかまでは分かりません。子の看護休暇が時間単位で取得できるようになったことで、こんなことが起こっていたなんて…。

一つ経験させていただきました。
こちらこそ、ありがとうございました。

※守秘義務の関係で、大幅に脚色しています。相談者からのご相談をヒントにブログ記事にしています。
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