結婚休暇の疑問、結婚式って一体いつ?

ある企業の人事総務の担当者様から素朴な疑問をいただきました。
「弊社の結婚休暇なんですが、起算日などは一体いつからなのでしょうか?」

スポットでお仕事をいただく企業様なのですが、むげに「それは貴社の就業規則に書いて有るとおりです」とも言えずに、対応していました。ちなみに就業規則自体は自社で作成され、その後に私が小修正しましたが…。総務部長が変わってからの、ここ数年はスポットのご依頼も無い状態でした。

「結婚式をしない社員から、結婚休暇をいつ取れば良いのか質問されています。」
「大阪で結婚式をして、新婦の地元でも結婚式を行うんですが、どっちが結婚式なんですか?」
「再婚をしたんですが、同じ相手と再婚したんです。これって、結婚休暇を認めても良いんですか?」
「今時、披露宴もしないカップルが増えていますよね?」
「新型コロナ禍で、結婚式から1年経って、新婚旅行のために結婚休暇が欲しいと言われてるんですが?」
新任の人事総務の担当者から、矢継ぎ早にいろいろ投げ掛けられますが…。
10年以上前の就業規則の変更打ち合わせ時の記録によると、「結婚休暇は、曖昧で良い」と前任の人事総務の担当者様が言ったと記録していました(前任の総務部長も同席し、同意見)。

現・人事総務の担当者様曰く
「社会保険労務士として、これで良かったんですか!」
(そう言われても、前任の方が「OK」を出した記録があるので、受託者としてはどうしようもありません…。)

大阪社労士事務所・結婚休暇の疑問、結婚式って一体いつ?

顧問先様ではないので、懇切丁寧に対応する義務はありません。ただ、お困りのようだったので、出来る範囲で対応。

私 「結婚休暇というのは、労働基準法などで決められている訳ではありません。ですので、会社と従業員との約束事=民事の契約なんです。ですので、就業規則に規定しておくのが普通なんです。」
ご担当者「じゃあ、どうしたら良いんですか?」
私 「良いと思われる程度で、お話し合いいただくのが良いかと。」
ご担当者「それって、答えになっていませんよね??」

就業規則に書いていない、法律上の義務などではない部分(民事、契約ごと)については、社会保険労務士が勝手に決めることは出来ません。「規定して」と言われれば、規定案やアイディアをご提案できますが、10年以上前の就業規則の変更打ち合わせ時には「要りまへん」と拒否されています。

おそらく結婚休暇について、人事総務の担当者あてに質問・相談の類いがあったのだと推測はします。

  • きっちり規定するなら
    • 結婚式とは、結婚披露宴を行った日とする。行わない場合は、入籍日とする。2度以上結婚披露宴を行った場合は、最初の結婚披露宴を~。
    • 結婚休暇は、入籍日から6か月以内に~
    • 結婚休暇は、在籍中は1度しか認めない。
    • 事実婚の場合は、住民票により確認する。
    • エヴィデンスは、結婚式の招待状コピーとする。
    • 結婚式を含む5労働日とするor5暦日とする?(5は仮の数字)
    • 年次有給休暇の保持日数が10日以上の場合は、結婚休暇は取得できない。(10は仮の数字)
      • (婚姻、入籍)は法律用語で、感覚的に理解しやすいと思いますが、「結婚式、披露宴」は法律用語ではありません。。。。。

要するに、会社が思う内容を自由に規定すれば良いわけです。法令の制限は掛かりませんので。

実際には、「結婚休暇なんて適当で良いので、それ以上、規定しなくて良いですよ」と言われるのが7割8割でしょうか。

さて、10年以上ぶりに就業規則の変更業務をいただけるのでしょうか。
それこそ、民事なので分かりませんね。

ただ、年次有給休暇の5日以上取得義務化に伴い、結婚休暇のような特別休暇を新設・変更する場合、厳しめの内容になってしまいます。とくに年休取得率が5割に満たない企業様では。

トラブルにしないためにも、結婚休暇や忌引き休暇などの特別休暇は、ある程度細かく決めた方が良いと思います。(起算日とか、発生理由とか、確認書類なども)

※守秘義務の関係で、脚色しています。

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