嘱託を65歳で退職、国民年金未加入が気になる

お客様から電話で質問をいただきました。
「来年65歳で退職予定の嘱託社員さんがいるんですが、その方からの質問です。大学時代に国民年金を払っていなかったので、国民年金が満額になるかどうかを気にされています。何か、できますか?」

ちょこちょこ、日本年金機構のホームページから引っ張ってきます。

20歳以上の大学生は国民年金の加入は任意であった
学生に国民年金への加入が義務づけられたのは平成3年4月からで、平成3年3月までは、学生は国民年金に任意で加入できることとなっていました。
なお、任意加入しなかった期間については、老齢基礎年金の年金額には反映されませんが、受給資格の有無を判断する際には、合算対象期間として計算の基礎とされます。

退職予定の嘱託社員さんは、22、23歳で入社以来、60歳で定年その後は嘱託社員として継続雇用されています。昭和30年31年あたりの生まれでしょうから、22,23歳ならまだ昭和の時代です。国民年金未加入も不自然ではありません。ちなみに、入社以来ずっと厚生年金保険に加入しています。
労務相談顧問のお客様ですので、各従業員・社員の生年月日データは原則弊所・大阪社労士事務所で保持していません。)

大阪社労士事務所・嘱託を65歳で退職、国民年金未加入が気になる

先に結論らしきことを書いておきます。
国民年金(老齢基礎年金)の額が満額になるかと言われれば、年金証書の上では満額にはならない。ただし、「経過的加算」により厚生年金保険でカバーされるので、満額(以上)になるとも言える。
(経過的加算については、私の言葉で表現できないので、ネット検索で調べて見てください。)

65歳になるまでに退職していれば、国民年金への任意加入という方法もありました。でも、損得を考えれば厚生年金保険の被保険者でいる方がずっとトクだと思います。

任意加入制度について
60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときは、60歳以降でも国民年金に任意加入をすることができます。(厚生年金保険、共済組合等加入者を除く)
ただし、申出のあった月からの加入となり、遡って加入することはできません。

任意加入をする条件
次の1.~5.のすべての条件を満たす方が任意加入をすることができます。

  1. 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
  2. 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
  3. 20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方
  4. 厚生年金保険、共済組合等に加入していない方
  5. 日本国籍を有しない方で、在留資格が「特定活動(医療滞在または医療滞在者の付添人)」や「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在または長期滞在者の同行配偶者)」で滞在する方ではない方

上記の方に加え

  • 年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方も加入できます。
  • 外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の方も加入できます。

この退職予定の嘱託社員さんは、国民年金の任意加入はできません。退職予定時には65歳ですので。受給資格期間も十分満たしているので、65歳以上の任意加入もできません。

ですので、正しい言い方をすれば、
国民年金(老齢基礎年金)の額を満額にすることはできない。
ただし、厚生年金保険に480月以上加入していることなどを考えると、経過的加算で国民年金が満額になっていない分はカバーされる。
となります。

退職予定の嘱託社員さんは、「国民年金(老齢基礎年金)、満額じゃないんだ」と気にされているそうです。

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※守秘義務の関係で、少し脚色しています。


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