役員退任後に常勤顧問、社会保険の扱いは?

いつも感じるのが、同じタイミングで同じようなことについて相談を受けます。と言っても、完全に同じ内容ではなく、実は別ですが「顧問」に関してです。

兵庫県のお客様からの「顧問」問題は、全く顧問と関係なかったんです。取締役◯◯という使用人兼務役員さんが、取締役退任後に常勤の顧問として勤務していました。形態は「労働契約(雇用契約)」です。ですので、社会保険はもちろん加入、雇用保険も数十年前の従業員時代から加入しており、兼務役員だったので加入、顧問としても加入。

「高年齢求職者給付金は、すぐにもらえるの?」というご質問でした。65歳を過ぎた方は、契約満了が多かったもので(ん、給付制限あったっけ?)と再確認すると、自己都合なら給付制限アリでした。職安で「働く意思」を見せてもらわないと受給できませんが。

対して、大阪府のお客様からの「顧問」問題は、もっと重大です。備忘録を兼ねて、残しておきます。ただし、結論は出ているようで出せません。

ご相談なさるのであれば、顧問社会保険労務士or顧問税理士にご判断を仰いでください。この記事をエヴィデンスにしても、顧問先様を除き、責任は取れません。モワッと中途半端に書いていますので。

大阪社労士事務所・役員退任後に常勤顧問、社会保険の扱いは?

今回の状況

役員退任後に役員だった方を「顧問」として数年間在籍してもらうのは、歴史の長い会社が多い印象です。

今回の「顧問」さまの状況は、次の通り

  • 役付き役員を退任後に、顧問として
    • 雇用保険には、従業員から役員に就任した際に喪失している
  • 社会保険は継続して加入を希望
  • 顧問として常勤の予定

長らく役員退任後の顧問がいなかった状態で、どうしたものかと外部顧問の私桑野に相談を投げられた状態です。兵庫県のお客様の場合、過去から兼務役員だったので、そのまま雇用契約を継続する形でしたので、とくに相談等もありませんでした。

契約方法を検討

労働契約で契約した場合

労働契約(雇用契約)で契約した場合、何が気になるのか。

  • 労働基準法などの労働法は遵守するのか?
    • 例えば、タイムカード・勤怠管理、年休5日以上取得
  • 雇用保険は、今から加入するのか?

脱法行為はおすすめできませんので、守って頂くことになろうかと。まあ、管理職相当の扱いで良いのでは。

(準)委任契約で契約した場合

「顧問」は、会社法上の地位ではありません。ココが気になるだけです。昭和24年だかに行政通達により「取締役は法人に使用される者」として、被保険者とするようになっています。

「(常勤)顧問」をそこに入れても良いのか。税法上は「みなし役員」として扱うようですが、それを拡大解釈しても良いのか。社会保険の取扱いと、税務上の取扱いは一致していませんが、理屈としては利用しても良いかも知れません。

調査に対応できるのか

労働基準監督署

雇用契約なら、労働基準法をクリアする必要がある。就業規則にも従う必要がある。

ただ、「顧問」という名称なら。。。。。

委任契約なら、通常は労基署の調査対象外なので、労働基準法のチェックは入らない。が、労災保険が有るのはご本人には安心感につながるかもしれないので、雇用契約の方が良い?

社会保険(日本年金機構、健保組合等)

同業者とも打ち合わせましたが、資格自体は継続するので、何も考える余地がない。

ただし、総合調査で登記簿(登記事項証明書)と照らし合わせた場合、役員としては登記されていない。必要以上に説明しない方が良いのかも。質問があったときは、その時対応すれば良いか…。

(委任契約だと説明すると、会社法上の役職ではないため、資格を否定される可能性があるのでボツ。)

公共職業安定所

まあ、先の雇用契約での「顧問」と違い、資格を取得するしないの問題になります。常勤の雇用契約で、資格を取得しないと脱法ですから。管理職扱いをしても。

税務署

顧問税理士の先生にご相談ください。

まとめ・結論

それぞれご判断ください。

従来からのやり方や考え方を否定する気もありません。企業様毎に顧問の有る無し、社会保険加入希望の有る無し、などもありますので、一概に「委任契約がシンプルで良い」「雇用契約の方が、労災保険も付いているので安心だろう」とは言えません。

常勤なので、その契約内容だけは残しておく方が良いですね。

労務相談顧問
就業規則の作成・変更・見直し
ハラスメントの外部相談窓口


大阪社労士事務所

【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。

ご相談・ご依頼は、ご遠慮なくどうぞ。

電話 06-6537-6024(平日9~18時)
不在時は、折り返しお電話させて頂きます。
または、「お問い合せ」フォームから。

貴社の人事労務の問題点をチェックします

外部から人事労務の問題点を指摘される前に、労働トラブル発生の前に、企業の人事労務問題点を監査します。是非、ご相談ご利用ください。▶人事労務監査
(社会保険労務士は、企業の経営労務監査をサポートします。)

働き方改革の情報も、就業規則見直しセミナー

次回のセミナー開催は、11月5日です。セミナーだけでなく、個別相談の対応も行っています。働き方改革対応セミナーも、同日開催。内容は、「簡単わかりやすい同一労働同一賃金の対応」になります。

「働き方改革の実務対応セミナー」「就業規則見直しセミナー」の講師も承っております。

a:12992 t:4 y:16