2020年、あけましておめでとうございます
2020年(令和2年)あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
弊所・大阪社労士事務所は、新年は4日の土曜日から平常営業しています。グローバルスタンダードで進んで参ります。弊所での打ち合わせは、ご予約をお願いします。
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2020年の人事労務
今年は、働き方改革の本格的な実施開始である昨年の4月から、1年も経っていません。が、確認することは非常に多い1年間となります。
●すでに施行された法令の進捗状況、対応状況のチェック
●今後施行される法令の進捗状況、対応状況のチェック
この両面から確認することが必要です。
主なものだけでも、すでに施行されたものとしては「年次有給休暇5日以上の取得義務化」、今後の施行では中小企業に関しては「時間外労働の上限規制」「同一労働同一賃金」があります。大企業では既に実施されているもの時間的猶予のないものがあります。
ウェブの情報を見ていると、法令の解説はあっても実務的な対応方法が書かれていなかったり、強制的な義務と努力義務をゴッチャ混ぜにしたものなどがあります。
ざっと、実務対応を見てみましょう。
法令の解説自体は、厚生労働省のホームページを参考になされるのが間違いのないところです。
年休5日以上の取得義務化・確実な取得
中小企業も、昨年2019年4月から実施されています。労働基準法ですので、罰則もあります。
いつからカウントするのか、それは2019年4月以降に付与された年次有給休暇から。10日以上付与された従業員・社員が取得義務化の対象者です。
年休の基準日を統一していない場合は、365通り(366通り)の付与日があります。就業規則に付与日については記載されているはずですので、それに従います。
いくつか実務的な対応は考えられますが、次のことをご参考に。
- 付与日に、従業員・社員から取得計画を出させる
一番簡単です。付与日に5日以上の取得予定日を年休管理表(管理簿)に記載させます。取得予定日の重複がヒドいようであれば、グループやチームごとに調整します。 - 付与日から、例えば半年後に取得日数のチェックをする
最初の頃はこちらを推奨していましたが、基準日が統一されていないと、作業量が非常に多く煩雑なものになります。勤怠管理システムを導入していない場合は、面倒さを考慮した上でどうぞ。
「使用者による時季指定」は、弊所ではおすすめしていません。指定のタイミングの問題、意見聴取の問題がありますので。就業規則への規定追加さえ不要です。「年休の計画的付与」は、施行時期より以前から適用していたならまだしも、今後適用するのは不利益変更の問題含みとなるので、おすすめできません。
時間外労働の上限規制
私桑野の小冊子「基礎からわかる三六協定」をご覧いただければ、ほぼ全ての疑問点が解決しますが…。中小企業様にとっては、この4月から上限規制が実施されます。
何度も書いていますので、ポイントだけにします。
- 時間外の上限は原則、月45時間で年間360時間まで
月45時間が平均ではなく、平均なら月30時間です。2か月で時間外計60時間以内の感覚でしょうか。それを越えるようであれば特別条項の適用を考えましょう。 - 特別条項を使う場合の注意
上限設定を月100時間未満や月80時間はやめましょう。弊所・大阪社労士事務所の顧問先様には、適用月60時間の年間630時間上限にするようお願いしています。 - 休日出勤は法定休日の設定を見直す
休日出勤があれば、法定休日の設定を見直します。それだけで10時間20時間違ってきます。 - 人と業務自体の問題
過去に書いていますので、割愛しますが、本当はこちらを解決するのが先かも知れません。常時1日2時間以上の残業があるようなら、まずは、と言いたいところです。
中小企業様であれば、4月以降有効期間になる36協定(36協定届)から上限規制が掛かりますが、年明けから提出するのであれば法施行後のことも考えていきましょう。
同一労働同一賃金の対応
中小企業様なら今年ではなく来年2021年の4月から実施です。ただし、その時点で対応が完了している必要があります。その点が年休5日間取得や時間外労働の上限規制と違います。
規程の見直し・整備だけでも2.3か月は掛かります。待遇差の説明資料も、賃金諸手当や福利厚生ごとに考えないといけないので、分量は結構多いです。
ちまたのセミナーを何度か受講しましたが、ガイドラインの説明や裁判例の解説に終始するものばかりでした。唯一、ある弁護士先生が講師の研修会だけは使える内容でした。ちなみに弊所・大阪社労士事務所では、同一労働同一賃金のセミナー講師もやっています。
業務のIT化、省力化
社会保険労務士に依頼しているのに業務量が思ったほど減らない、そう言われますが、それならまず自社で業務フローの見直しやIT化での対応を考えていただきたいと思います。
効果的なものは、次のような感じでしょうか。
- 給与明細のウェブ化
とくに大人数、多事業所の場合は、効果絶大です。50名、2カ所が目安だと感じています。 - 社保労保の電子申請化
おそらく今年は中小企業の電子申請化元年です。「Gビズid」あり、某電子申請化ソフトの30名まで無料を考えると。ツール無しでのe-Gov電子申請は、ブラックボックスになりやすいのでご注意を。 - 給与計算ソフトの見直し
クラウドにしろとは言いません。使いこなしてください。
勤怠管理システムの導入は、労働時間管理のフローや仕組みを再考した上でお願いします。「費用が掛かっただけで、省力化になっていない」ケースが多いです。設定が悪く、機能も使いこなしていないからです。既存のタイムカードでも問題ない場合もあります。
RPAは、あるグループの勉強会で研究しましたが、中小企業の場合は「業務手順、フローの見直し」「専門ソフトの活用」の方が省力化できるかと。
その他の法令
パワハラ予防・防止対応もありますが、多くの企業様の就業規則には、何となくそれに近い規定・条文が盛り込まれています。あとは、実態!
女性活躍も、障害者雇用も、屋内禁煙も、することは多いのですが、もしプラスワンなら「社会保険の週20時間」対応です。500人よりも少ない企業様ですので、今までよりももっと多くの企業様に影響があります。法案は今国会に提出され成立すれば、現行の「従業員501人以上」を令和4年10月に「101人以上」、6年10月に「51人以上」に引き下げる案が有力です。
パートタイマーさんが多い企業なら、今のうちに今後の対応について方針を練っていても構わないでしょう。実労働時間が変動しやすい飲食業や小売業の場合は、一定のルールを確立することが先です。
(企業様の実態を見れば、すぐに解決できます。)
令和2年・2020年は、こうなる
各役所からの指導が厳しくなることが見込まれています。
なぜか?
どこの役所も人員削減で、甘くではなく、厳しく実績を出すことで、人員要求につなげる、そんな気もします。(元公務員の独り言)
まあ、国の施策と言ってしまえば、お仕舞いなのですが。
社会保険労務士によって、指導や支援の方法は違います。私も間違いますが、まだ法令に沿ってのアドバイスをしている方だと思います。社会保険労務士を利用して法令対応をするのであれば、見極めも大事です。
今年も、どうかよろしくお願いします。
大阪社労士事務所
【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】
年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。
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(社会保険労務士は、企業の経営労務監査をサポートします。)
働き方改革の情報も、就業規則見直しセミナー
次回のセミナー開催は、年明け1月6日の月曜日です。セミナーだけでなく、個別相談の対応も行っています。働き方改革対応セミナーも、同日開催。
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