1か月変形と1年変形、導入するならどっち?

弊所主催の「就業規則見直しセミナー」での15の見直しポイントに入っているためか、変形労働時間制のこともご相談やご質問をいただきます。

少しまとめておきたいと思ったので、単独の記事としてアップします。
(学問的・理論的にお知りになりたい場合は、厚生労働省のウエブをご参照ください。)

「1年変形という労働時間制を使うと、時間外労働が少なくなるとセミナーで講師が話していた。」
そう言われると少し悲しいのですが、多くの企業様では労働時間制の適用に関して、かなり悪い意味でええ加減な場合が多いように思います。

私桑野が労働時間についてご相談を受けた場合は、ヒアリングをして、業種・職種・職階・雇用形態に応じて最適な労働時間制度をご提案しています。当たり前ですが…。いきなり「1年変形を使うと~」とか「フレックスタイム制度にすると時間の融通が利く(?)」とか、そんなことを言うことはありません。

裁量労働制も、口で言うのは簡単ですが、業種・職種の確認、健康配慮の方法、労働時間の管理、労使協定の存在、労基署の調査を考えると、果たして良いのか悪いのか。
(専門業務型裁量労働制に関する協定届(様式13号)、これを労働基準監督署へ届け出ると、1年以内に確実に労基署調査があると心得ている方が良いです。)

大阪社労士事務所・1か月変形と1年変形、導入するならどっち?

1年変形も裁量労働制も、労働基準監督署への届出が必要、それぞれの事業場(事業所)ごとに労使協定の締結が必要です。毎年の届出の手間と調査の頻度がアップする危険を冒してまで、適用したいでしょうか。

もちろん、弊所大阪社労士事務所のお客様でも専門業務型裁量労働制を適用している企業様がいくらかあります。が、調査もありますし、職種のチェックも厳しいです。

で、タイトルの件。
結論は出ていますが、「1年単位の変形労働時間制を導入するのは、おすすめしません。」です。
ましてや、今まで労働時間管理や勤怠管理が十分にできていない場合に導入するのは、法令違反をおすすめするようなものです。おすすめはしませんが、導入されることを希望する際にはサポートしております。

なぜ「おすすめしない」のか?

  • 労働時間の清算が必要となる
  • 毎年の届出が必要となる(労基署へ届)
  • 労使協定の締結が、事業場・事業所ごとに必要となる
  • 勤務日数・連続勤務日数の縛りがある

年間の可能な総労働時間は、1年変形の場合、2085時間(=40時間×365日÷7日)です。
1か月変形の場合は、大の月が176時間(8時間×22日)で7回、小の月が168時間(8時間×21日)が4回、2月が160時間で1回の合計すると、2064時間。(いずれも1日8時間の所定労働時間で計算)
1年変形と1か月変形の差は、年間21時間です。

1か月変形の場合は、労働時間の清算作業はない、労基署への届出は就業規則でのみ、労使協定は不要(協定でも可能ですが、就業規則をおすすめ)、勤務日数などの縛り無し、融通が利く、など。

1年変形の労使協定が「本社だけ締結していた」とか「従業員代表は民主的な手段で選ばれていない」のであれば、そもそも~です。1年変形が制定された趣旨は、年間で繁閑がある程度予測できるはずだと言うこと。「突発的な場合を除いては恒常的な時間外労働はないことを前提とする」(平成6年1月4日基発1号)通達まで発せられています。

安易な1年単位の変形労働時間制の導入は、おすすめできません。
どの企業様も、1年の季節、月ごとの繁閑をなくすようにアレコレ手を打っている現状を考えれば、今から1年変形を導入するのは、ちょっと…。

それなら、1か月変形で上手くやりくりする方が、得策です。

労働時間管理でお悩みなら、「分かってる社会保険労務士」に尋ねるのが手っ取り早いです。

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大阪社労士事務所

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