「家族手当の条件は、今のままで大丈夫?」

最近、働き方改革関連で就業規則などの社内規程の変更・見直し依頼を受けることが多くなっています。
(と言っても、そんなに数多く受託している訳ではありませんので、遠慮無くご依頼ください。)

就業規則だけでなく、賃金規程や育児・介護休業規程、退職金規程なども一通りチェックはさせていただいております。「働き方改革関連だけ」というご依頼ではなく、多くの場合「就業規則全般見直してくれ」です。

それ故、「年次有給休暇の5日取得義務化、使用者の時季指定」だけを変更・修正する訳では無く、本当に全般です。もっと書けば、36協定(時間外労働・休日労働の協定(届も))の内容や、労働時間管理の方法、年休取得しやすい方法なども、訊かれます。←もちろん、お答えします。勤怠管理ツールの推薦はしませんが。

そんな中で、確認のために伺うのが、家族手当・配偶者手当の支給条件。過去記事にも何回か登場させています。

よく規定としてあるのが、
○所得税法の控除対象配偶者、扶養親族
○配偶者および23歳未満の生徒学生
○ときに、同居の両親や祖父母も
でしょうか。

ちなみに、厚生労働省のモデル就業規則では、「家族手当は、次の家族を扶養している労働者に対し支給する。①18歳未満の子②65歳以上の父母」とあり、配偶者には支給しません。就業阻害要因になるからとか。しかし、ザックリしすぎです。扶養の定義がないと、実務的に困ってしまいます。

大阪社労士事務所・「家族手当の条件は、今のままで大丈夫?」

ご担当者様「こういう家族手当の条件で、良いのかな?」
私 「所得税法の扶養でも問題ないと思いますが。ボーダーは、年103万円ですね。」
(実際の規定については、企業特定のおそれがあるので省略。)

ご担当者様「年度途中やったら、扶養になるとかならへんとか、あるでしょ? あれ、大丈夫?」
私 「所得税法だと、年の途中に扶養(控除対象配偶者や扶養親族のこと)になれないこともあります。103万円ですから、5月6月まで働いていたケースとか~。社保は被扶養者になれますけど。」

ご担当者様「やっぱり、あかんのか。以前、市役所から指摘されたことがあったわ。あれ、あのときの家族手当どうしたっけ??」
私 「よくあります…。」


別のお客様の場合、家族手当の支給条件に「配偶者、扶養されている子ども」とだけあり、ご担当者様に質問しました。

返ってきた答えは、「配偶者のいる社員には、全員支給しているよ。」でした。「あっ、ごめん、男性の正社員だけやった。いや、総合職だけ。」と言い直されたのですが、せっかくの就業規則の変更・見直しの機会なので、家族手当の規定を変更し、実際の運用も改正施行後は規定通りに実施することに。

このパターン、結構多いのです。昭和以前に創業設立された企業様は、一度見直しても良いかも。


冒頭の企業様ですが、今回の就業規則類の見直しにからんで、家族手当の支給条件を緩和(と言うか、実際は実態に近いように)。緩和しても、支給対象者が増える訳でも無く、「所得税法」だと無理があると言うことで、支給条件を「健康保険の被扶養者」に置き換えました。

「103万円以下と130万円未満じゃ、だいぶん違うのでは?」
冒頭の企業様でも増えませんでしたし、子ども手当創設時にもいくつかの企業様で条件を変更しましたが、支給対象者はそうそう増えませんでした。

ご担当者様「やっぱり、プロは違いますねえ。もっと早くに(就業規則などの変更を)頼んでおけば、良かったわ。」
私 「そう言っていただければ、幸いです。( ^.^) 」

家族手当とくに配偶者に対する手当は、要ご注意です。

  • 「控除対象配偶者」にすると、その方が年の途中で退職した場合、所得税法の控除対象配偶者に該当しないことがある。
  • 思い込み、過去からの流れで、規定(支給条件)を無視している
  • 規定の方法や実際の運用次第で、男女雇用機会均等法、労働基準法違反となっているケースが散見! 今後は、同一労働同一賃金のルールに違反する状態かも。



追記:令和1年9月25日(水)
ご指摘を受けました、「後期高齢者になると被扶養者から外れるのでは?」。確かにそうです。企業様の実態に合わせて、そのあたり規定を考える必要があります。継続制を重視するのか75歳以上になってからでも良いのか、同居別居をどう考えるのか、扶養義務者はほかにはいないないのか、どこまで決めるのかは企業様ご自身です。


大阪社労士事務所

【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

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