オフィスをフリーアドレスにする場合の注意点

お客様からの電話は、悲壮な声でした。
「桑野さん、オフィスの値上げを言われているので、借りてる広さを少なくするか、移転するか。ええところない?」
(と言われても、賃料の交渉人でも、不動産屋さんでもないので…。)

お客様のご要望は、次のようなところでした。

  • 本社も、各地のブランチ(支店、営業所など)も、最近ビルのオーナーから賃料のアップを言われるようになった。
  • ブランチをなくすことはできないが、面積を小さくすることはできるのか。
  • 本社は、事実上の資料庫や倉庫になっている部分をカットできる見込みはあるが…。

お客様である管理部門の部長曰く「まあ、売上げはそこそこなので、別に払えなくは無いけれど、オーナーさんがキツく言うてくるので」とか。
(私の心の中では、それならもうチョットこっちのアレを上げて欲しいくらいですけど!)

大阪社労士事務所・オフィスをフリーアドレスにする場合の注意点

社会保険労務士がコメントできるオフィス・事務所部分に関して言えることは~

労働安全衛生法
事務所衛生基準規則
第二章 事務室の環境管理
(気積)
第二条 事業者は、労働者を常時就業させる室(以下「室」という。)の気積を、設備の占める容積及び 床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。

窓(開口部)はクリアできるものとし、休憩室(休養スペース)はそもそも本社もそこまでの人数はおらず対象外。

10立米は、室内の高さが2.3mならば、床面積4.35平米は必要。ルートで求めると、約2.1m四方と計算式では出てきます。10名の事務所なら、単純に43.5平米。

ここまで計算すると、部長は「それなら、大丈夫です。ブランチは、東京以外10名もいないし、東京は今のところ家賃交渉されていないので。」とか。

こちらの会社様は、社歴の長い会社ですので、昔からの資料が山ほどあって、それがオフィス面積を圧迫していたこともあり、文書管理規程を整備して資料整理をおすすめしたところ、現場サイドから反対に遭い、頓挫した経験があります。ペーパーレス化・電子化は、管理部門を含めて、なぜか猛反対に遭い、それらは提案さえ拒否されました。

もっと伺うと、「フリーアドレスにして、小さなオフィスにしたい」のが本心らしい。営業担当の多い会社ですので、それが可能かどうかも含めての質問だったようです。
※フリーアドレス=社員が個々に机を持たないオフィス

弊所・大阪社労士事務所のオフィススタイルを見て、そう考えたということでした。弊所は、いわゆる島タイプのデスク配置でなく、背面タイプです。士業の事務所ですので、そういうデスク配置が小さなオフィスでも可能だから(と、信じています)。「自分の机」がないと、普通は不安になりますから、自分の居場所がなくなったみたいで。

ブランチはフリーデスクの効果はあまりないことで、検討も取り止め。本社は、まずは整理・資料の廃棄などから手を付けることに。

スペースを潤沢に使える大企業ならフリーアドレスは魅力的なシステムに見えますが、もとの面積が大きくない場合は、どうしても無理が生じます。というか、フリーアドレスにしても、床面積のカットにはなりません。まあ、全社員で数百名(少ない方の)なら周りの社員の名前も仕事も何となく知っているので、フリーアドレス効果はあまりないんじゃないでしょうか。

こちらの会社様は結構いろいろなことにチャレンジしようという気持ちがあり、過去にはサテライトオフィスを利用しようとか、シェアオフィスに潜り込もうとか考えたりしました。が、場所(当時は、高槻市、今は京都?)の問題=利用者が見込めない、費用がシェアオフィスは意外と高い、などの問題で、社内の幹部会議にも提案できず。

資料廃棄・文書廃棄を抵抗勢力に説明するところから、今回は始まります。無事にできれば、ラッキーです。

※守秘義務の関係で、脚色しています。


大阪社労士事務所

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