未払い残業代があっても、助成金は受給OK?

小冊子「助成金活用のポイント」は平成10年に上梓して以来、ついに今年令和元年版が出ます。5月19日の週には、出版社である清文社様から出荷される予定です。
(弊所・大阪社労士事務所では、「助成金活用のポイント」小冊子の販売は行っておりません。)

相談事例

さて、電話でご相談があったのが、今回の「未払い残業代」の件。
「残業代は、きっちり払っていないと、助成金は受けれませんか? ちゃんとする気はあるんですが、どの程度まできっちりしたら良いんでしょうか?」

助成金の手続き代行は、顧問契約をいただいている企業様の分しか受託しておりません。
※顧問契約=「社会保険労務士顧問(手続き顧問)」「労務相談顧問」「労働コンプライアンス支援」の各顧問契約のいずれかです。

助成金に関する相談も、原則顧問契約をいただいている企業様からの相談しか受け付けていないのですが、「◯◯先生からご紹介を受けました」「◯◯と言う団体に所属しており…」と言われてしまうと、仕方ないです。

お答えとしては、
「残業代については、説明ができるようにしておいてください。」
とまでしか言えません。
(電話での、お客様や知り合い士業以外からの相談はこわいです。)

所定労働時間を超えて労働させた場合は、残業代を支払って当然です。残業代を支払っていれば、固定残業代・定額残業手当であっても構いません(設定した時間数を超えれば、その時間分の残業代も)。休日労働も同じですので、ちゃんと支払いましょう。

ここ数ヶ月のNG相談事例

去年の年末から今年4月までに、相談のあった弊所では受託できない事例の一部です。事実に反する手続きの相談や依頼、または法令違反のおそれの強いご依頼はNGです。

  • 従業員を解雇したのが原因で、助成金の不支給決定が来たので、何とかして欲しい(スポットでの相談、離職者が求職済みです!)
  • 社員を解雇したいが、助成金の受給に影響するので、自己都合退職にしたい(顧問社会保険労務士がいる企業なのに?)
  • 助成金の対象従業員の能力(業務遂行の?)が不足しているので、減給したいが、転換後のこともあるのでバレないようする方法を教えて欲しい(スポットでの相談)
  • 就業規則は古いが、助成金のためだけなので、適当に作成・変更して欲しい(詳細は書けないが、社員数10名少しの企業)

大阪社労士事務所・未払い残業代があれば、助成金は受給できないものと思いましょう

助成金申請でチェックされること

助成金活用のポイント」小冊子の5ページを開いていただくと、『助成金受給に関してのチェックリスト』を掲載しています。ご参考のため、ざっと転記します。

助成金受給に関してのチェックリスト

■社内備付書類はありますか?(書類があればチェック)
 □労働者名簿(社員名簿)
 □タイムカード(出勤簿)
 □賃金台帳
 □労働条件通知書or労働契約書
 □年次有給休暇管理簿

■労働保険料は納めていますか?(書類があればチェック)
 □労働保険料申告書
 □労働保険料納付済証

■税金は納めていますか?(書類があればチェック)
 □所得税徴収高計算書
 □法人税納付済証
 □法人住民税納付済証

□就業規則はありますか?(社員10名以上の場合)
 □施行されている労働関係法令に違反していないこと
 □時間外手当・休日出勤手当など未支給のものがないこと

□雇用保険の手続きは適正ですか?
□社会保険の手続きは適正ですか?

□最近6か月以内に解雇・退職勧奨した社員はいませんか?
(いない場合はチェック)

□にチェックが入らない場合、助成金を受給できないことがあります。チェックが入るのかどうか分からない場合は、顧問社会保険労務士にご相談ください。求人募集の時点から社会保険労務士の関与が望まれる場合がありますので、ご注意ください。

これ以外にも、受給要件・不支給要件がありますので、詳しくは助成金窓口でご相談なさるか、貴社の顧問社会保険労務士へどうぞ。

「顧問社会保険労務士」と書いていますが、企業内の人事総務のご担当者様でも十分手続きをしていただけます。厚生労働省発行の手引きやパンフレットが充実していますので、是非ご参考に。コストセンターから「稼げる人事総務」に変身できるチャンスかも知れません。

(キャリアアップ助成金の正社員化コースなら有期→正規で57万円です。貴社利益率が5%なら、57万円÷5%=1140万円の売り上げと同等です。総務人事でも庶務担当でも「稼ぐ」ことができます。)

助成金を受給するなら

労働環境が良好であること、適切適法な労務管理が行われていて、初めて雇用関係の助成金を受給できるスタートラインに着いたと言えます。

助成金受給の土台作りができていない場合、それ相応の手続きや書類の整備が必要です。法人企業なら社会保険の新規加入、残業・休日出勤をさせるなら36協定(上記チェックリストには入れていません)、従業員数が10名以上なら就業規則それも最新の法令に合わせたバージョンアップができていること、などです。年次休暇管理簿は、この4月から事業場内備付書類となりましたので、存在していない場合は早急に調製が必要です。

土台作りができて、どの助成金が受給できるのかのチェックをするのが本筋です。

まあ、人材確保の点からは、あまりに悪い労働環境・雇用管理が行われているようでは、そもそもと言うのもあります。最近は、従業員の自発的な離職に対しても厳しいチェックが入っていますので…。
(どの程度までかと問われれば、全ての労働社会保険諸法令に違反していない状態まで≒助成金窓口の担当官に違反していると指摘されない程度まで)

良い労働環境、適正適法な雇用管理を実行していれば、人材確保の点からも人材定着の面からも、良い循環を生みます。助成金も、受けられる可能性が高まります。

そのお手伝いは、お任せください。

助成金の手続き代行は、顧問契約をいただいている企業様の分しか受託しておりません。
※顧問契約=「社会保険労務士顧問(手続き顧問)」「労務相談顧問」「労働コンプライアンス支援」の各顧問契約のいずれかです。

就業規則の作成・変更・見直し


大阪社労士事務所

【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
労働条件自主点検表が送付された場合の対応もおまかせください。

ご相談・ご依頼は、ご遠慮なくどうぞ。

電話 06-6537-6024(平日9~18時)
不在時は、折り返しお電話させて頂きます。
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