欠勤控除と途中入退社のメモ書き【重要】

遅刻・早退を含む欠勤控除、給与計算期間の途中での入社・退社のときの賃金・諸手当の考え方をメモ書きしておきます。休職時・復職時・産前産後休暇取得時・育児休業取得時も、同じです。

従来の自分自身が作成に関与、あるいは世間に出回っている多くの就業規則だと、説明しにくいことが多いので、過去の反省を込めて。

ベースは、月給者です。

欠勤控除

  • 基本パターン
    • 欠勤
      (基本給+諸手当)×(欠勤した日数/給与計算期間の所定労働日数)
    • 遅刻・早退・中抜け
      (基本給+諸手当)×(遅刻等の時間/給与計算期間の所定労働時間)
  • 基本給+諸手当とあるが、実態・実情に合わせて設定。諸手当のうち、通勤手当は多くの場合考え方としては控除しない。管理職(管理監督者)には、原則欠勤控除がないはずだが、休業・休職時は別の考え方で計算するのか要検討。
  • 補助パターン
    従業員・社員に有利なように、2段階で欠勤控除を設定する。
    例えば、欠勤5日までは所定労働日数でなく、25日で計算する。
  • 反省点
    1か月平均所定労働日数(時間)では、説明しにくい場合があり。所定労働日数次第では、全日欠勤でも基本給等が余ったり、逆に足りなくなったり=マイナスになる。離職票にも書きやすいし、正しく作成できる。

通勤手当

  • 基本パターン
    毎月支払う
    →1か月の通勤定期券相当額でも、6か月の通勤定期券相当額の6分の1でも構わない
  • 欠勤時
    実出勤日数が○○日以下の場合は、通勤定期相当額ではなく、往復実費×実出勤日数分を支給する。つまり実出勤日数がゼロの場合は、通勤手当は支払わない
    • ○○日は、例えば14日、10日など。離職票は、その部分だけB欄記入
  • 反省点
    その企業様の過去からの経緯があるので、この通勤手当の支払い方を急に変更することは難しいかも知れません。が、少しの損得で大きな損害を企業様ご自身に与えることにもなるので。退職者からの未使用分の定期券代を返還してもらうのも面倒な作業…。今後テレワークを導入することを考えると…。

途中入退社

給与計算期間の途中での入社・退社のときの賃金・諸手当の考え方

  • 基本パターン
    暦日で日割り
    • (基本給+諸手当)×(入社日からの暦日/給与計算期間の暦日)
    • (基本給+諸手当)×(退社日までの暦日/給与計算期間の暦日)
  • 補助パターン
    給与計算期間の所定労働日数での日割り。
    シフトでなく、所定労働日数が全員ほぼ同じ場合は、使えることも。1か月平均所定労働日数ではない。
  • 諸手当の取扱い
    通勤手当を含め、諸手当は全て暦日割りが計算しやすい。通勤手当については、欠勤時の扱いと同様にするのも一つの方法。管理職に支払う管理職手当も、管理職の場合休日の項目は適用除外として取り扱うことが多いので、所定労働日数での日割りは理屈に合わない。
  • 反省点
    やはり1か月平均所定労働日数で計算・処理するのは、困難が伴う。所定労働日が明確な商社・製造業(工場)なら1か月平均所定労働日数を使えても、飲食業・小売業(販売店・ショップ)では入社時までor退社時以後の所定労働日数の設定が不明確なため。休業・休職時は、途中入退社時と同じ計算方法が良いのかも。

休職時の人事異動

欠勤が多く休職になりそうな場合は、その対象者が管理職であれば、職務・職責を遂行できないので、事前に人事異動を行う方法がある。つまり、役職を外し役職手当を変更、別の部署へ異動させる。例えば、総務部付け。傷病手当金については、平成28年4月から、 支給開始される前ー年間の給与を基に計算されるので、それほどの減額にはならない。
(注)ここは、運用の部分。

就業規則・賃金規程等の変更

新規で就業規則を作成する企業様以外は、このページの「欠勤控除」の考え方を就業規則・賃金規程等に落とし込む場合は、変更対応が必要。実情・実態によっては、労働条件の不利益変更にもつながる。説明会は、必要。

「退職する場合は、給与の締め日で」を強制(無理矢理ではなく、説明した上で)できない場合や、欠勤時はそもそも欠勤をコントロールできないので、欠勤控除・入退社周辺の賃金・給与の部分は見直した方が良い。入社日は「給与計算期間の初日とする」コントロールはしやすいはず。

それと合わせ、行方不明・無断欠勤で連絡できない者の取扱いも明記しておく。
(弊所・大阪社労士事務所が作成関与した就業規則には、明記している。)

残業代・割増賃金は

1か月平均所定労働時間を使います。
今まで通り、通常の賃金規程・給与規程の規定通り。
月によって所定労働時間が異なる時は、労働基準法で「1か月平均所定時間を使いや」と決められているので。


欠勤控除には、法的な縛りがありません。
今一度、見直した方が良いと思います。

大阪社労士事務所

【大阪社労士事務所は、就業規則・労務相談をメイン業務とする社会保険労務士事務所です。】

年次有給休暇の管理、有休の計画的付与制度の導入、働き方改革の支援、就業規則の変更・見直し、各種規程の策定も行っています。
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